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#navi(SS集)
#br
* 作品 [#k516058e]
** 概要 [#j2faedd0]
|~作者 |ありがとう |
|~作品名 |『有希の寝言』 |
|~カテゴリー|長門SS（一般）|
|~保管日 |2007-05-01 (火) 18:14:37 |
** 登場キャラ [#mf9f74bf]
//////////
|~キョン |不登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#na22da0c]
//////////
#br
#setlinebreak(on)
春の訪れとともに活性化する涼宮ハルヒ。べつに冬眠していた...
元気に走り回るあいつを見ている限り、まだまだ世界は平和だ...
まあ、落ち込まれるよりは俺の精神的負担も少ないしな。放し...
無理に首輪なんか付けなくても、今のハルヒはそう簡単に噛み...
この一年でそれなりに成長したからな。
#br
それは他のメンバーにも言えることであり、何度も三途の川に...
そんな時、必ず引き上げに来てくれた万能宇宙人――長門有希も...
最近俺を見る目が時々、恋に恋する少女漫画的な輝きなのは気...
そして、ラブロマンスのヒロインでさえ嫉妬するほど愛らしい...
俺の顔面を緩ませるプリティな振る舞いは相変わらずなのだが、
ハルヒによる強制猥褻さながらの身体測定によれば、ある部分...
特盛り用のどんぶりを準備しておくべきですよ。デザインでお...
着実に増しているといえば……古泉に対する信頼も付け加えてや...
裏切ったら怒るぜ。その時は殴ってでも目を覚ましてやるよ。...
#br
佐々木団との一件以降、特に大きな事件は発生していない。思...
いずれ語る日が来るだろう。分裂した世界。そこで起こった驚...
「こらーっ！ さっさと歩く！ 部活に使える時間は少ししか...
やれやれ。あいつにとっては既に過去の出来事みたいだな。
カタパルトから押し出された戦闘機のように、並み外れた機動...
この平凡で退屈で、ちょっぴり不思議な日常に満足しているよ...
メイド兼マスコットの未来人、解説役が板に付いた超能力者、...
そんな奴らにツッコミを入れつつ過ごす高校生活。
ああ、俺も文句無しだ。これ以上望むことがあるとすれば、こ...
続くと思っていた。
#br
アフターバーナー全開のハルヒに引きずられ、最速タイムで辿...
無意識に窓際へ視線を向けると、いつもの場所に長門は居なか...
「あれ？ 有希、どうしたの？」
ドアノブを掴んだまま声を掛けるハルヒ。その表情に見覚えが...
あの雪山、高熱を出して倒れた長門の肩を抱き寄せた時、
普段からは想像もできないほど険しい顔をしていたよな。
その視線の先では、テーブルに突っ伏した長門がピクリとも動...
マネキンのように真っ白な無表情で。
#br
#br
「ふふっ、わたしが来た時にはもう寝てました。気持ち良さそ...
小さめな声でそう告げて、なるべく音を立てないように慎重な...
長門の斜め前に座る古泉も、珍しくゲームをやるつもりはない...
「オセロや将棋は音が出ますからね。今日は我慢しましょう。...
同じく小声の古泉。いつものニヤケ面も少し違って見える。そ...
「……ｽｰ……ｽｰ………」
こいつの言うとおり、こんな寝顔を見せられたら思わず目尻が...
今日ばかりは朝比奈さんの立場も危ういかもしれん。いや、正...
「このエロキョン！ 有希はみんなのものよ。独り占めはダメ...
目一杯ボリュームを下げつつ怒鳴るとは器用なもんだ。冗談だ...
#br
言うまでもないだろう、俺とハルヒの早とちりだったわけだ。
よく見ればスヤスヤと寝息を立てているだけで、俺たちが考え...
文字通り胸を撫で下ろした俺はそっと鞄を置き、古泉の正面――...
一見すると無表情に変わりはないのだが、こうして近くで見る...
まるで使い慣れた布団に包まれているような……
「安心感。ですかね」
身を乗り出すな、耳元で喋るな、顔が近い、おまえの精神分析...
「そう言わずに。疑問に思いませんか？ いつも隙の無い長門...
「まあな、確かにこんなことは初めてだ」
幸いハルヒは寝顔の撮影に夢中のようだし、聞いてやってもい...
無駄に整った顔をニヤリと緩め、
「喜ぶべきことですよ。僕たちは彼女に認められたのです。信...
ちょっと待てよ。じゃあ今までは信用されてなかったとでも言...
「いえ、そうではありません。特にあなたに対しては早い段階...
わざとらしく残念そうに首を振り、溜息までオマケして、
「ですが、僕や朝比奈さんは所詮『同盟』です。目的は同じで...
長門さんの心の中に、無意識だとしても多少の疑いがあるのは...
何が言いたい。あまり気分のいい話じゃないな。結論を聞かせ...
「失礼。つまり、」そこで真面目な表情に戻って、
「前回の……あの事件です。互いの信頼が無ければ他の未来が待...
しかし僕たちは今ここにいます。誰一人欠けることなく、ね」
#br
安心しきった寝顔を見つめるうちに、つい口から出てしまった。
古泉が肝心なところを言わないせいだ。忌々しい。
「俺たちは本当の仲間なんだよな」
#br
#br
たまにはこんな日があってもいいんじゃないか。静まり返った...
保育園児をようやく寝かし付けた新米保母さんのような、
なんとも暖かい眼差しで長門を見守る朝比奈さんを見ていると、
「有希ー？ 嫌いな食べ物なぁに？」
「………うぅん……ピーマン」
今まさに食べてしまった！ みたいなしかめっ面で白状した。
カレー好きでピーマン嫌いか。お子さまだな。いやいや、それ...
「なにやってんだ、おまえ」
長門の耳からくちびるを離し、悪戯を思いついた我が妹より三...
「秘密調査に決まってるじゃない。こんなチャンスなかなか無...
#br
ハルヒがジッチャンの名にかけて調べた結果によると、
長門はピーマンが嫌いでゾンビが恐くて、残念ながら下着の色...
実はシャミセンと仲良くなりたいのだが、ニャンコ萌えだと思...
「んじゃ最後ね。ズバリ！ この中に好きな人がいる？」
「…………」全員が息を飲む。
朝比奈さんはカタカタ震えていらっしゃるし、古泉はなぜか顔...
……ハルヒ、おまえに睨まれる理由はないんだが。親の仇と勘違...
みんなどうした。ちょいと大袈裟過ぎるぞ。まあ、わからんで...
もし「いる」なんて答えが返ってくれば、それはつまり、
俺か古泉のどちらかが宇宙人のハートを射止めたことになる。
そもそも恋愛感情があるのかも怪しいところだが、淡い期待を...
無口系美少女から愛の告白をされるのも……うーん、悪くないね。
微妙な空気の中、いい意味で期待を裏切ってくれたのは、
いつもより幼く可愛らしい声で長門が口にした、嬉しい一言に...
「……みんな……みんな大好き………ﾑﾆｬﾑﾆｬ」
#br
さて、心苦しいがそろそろ起こしてやるか。すっかり日も落ち...
部活終了後、「あんたは残りなさい。本当はあたしが残りたい...
何もしてませんよ。誰か誉めてくれないか。
兎にも角にも、目覚まし係になった俺は、満足気な三人を見送...
みんな嬉しそうだったな。あんなこと言われたら当然か。
……起こす前にもう一度聞きたい。誰だってそう思うだろ？
「みんなのこと好きか？」
「……大好き」
「俺のこと……好きか？」
何を言ってるんだろうね。だが、答えは同じでも気分は違うの...
「…………大好き」
#br
気付けば外はもう真っ暗だった。いかん、もう起こそう。満足...
「長門、起き――」
言いかけた俺から顔を背け、長門はもう一度、短い寝言をつぶ...
#br
「大好き」
#br
#br
END
#br
//////////
#setlinebreak(default)
#br
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終了行:
#navi(SS集)
#br
* 作品 [#k516058e]
** 概要 [#j2faedd0]
|~作者 |ありがとう |
|~作品名 |『有希の寝言』 |
|~カテゴリー|長門SS（一般）|
|~保管日 |2007-05-01 (火) 18:14:37 |
** 登場キャラ [#mf9f74bf]
//////////
|~キョン |不登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#na22da0c]
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#br
#setlinebreak(on)
春の訪れとともに活性化する涼宮ハルヒ。べつに冬眠していた...
元気に走り回るあいつを見ている限り、まだまだ世界は平和だ...
まあ、落ち込まれるよりは俺の精神的負担も少ないしな。放し...
無理に首輪なんか付けなくても、今のハルヒはそう簡単に噛み...
この一年でそれなりに成長したからな。
#br
それは他のメンバーにも言えることであり、何度も三途の川に...
そんな時、必ず引き上げに来てくれた万能宇宙人――長門有希も...
最近俺を見る目が時々、恋に恋する少女漫画的な輝きなのは気...
そして、ラブロマンスのヒロインでさえ嫉妬するほど愛らしい...
俺の顔面を緩ませるプリティな振る舞いは相変わらずなのだが、
ハルヒによる強制猥褻さながらの身体測定によれば、ある部分...
特盛り用のどんぶりを準備しておくべきですよ。デザインでお...
着実に増しているといえば……古泉に対する信頼も付け加えてや...
裏切ったら怒るぜ。その時は殴ってでも目を覚ましてやるよ。...
#br
佐々木団との一件以降、特に大きな事件は発生していない。思...
いずれ語る日が来るだろう。分裂した世界。そこで起こった驚...
「こらーっ！ さっさと歩く！ 部活に使える時間は少ししか...
やれやれ。あいつにとっては既に過去の出来事みたいだな。
カタパルトから押し出された戦闘機のように、並み外れた機動...
この平凡で退屈で、ちょっぴり不思議な日常に満足しているよ...
メイド兼マスコットの未来人、解説役が板に付いた超能力者、...
そんな奴らにツッコミを入れつつ過ごす高校生活。
ああ、俺も文句無しだ。これ以上望むことがあるとすれば、こ...
続くと思っていた。
#br
アフターバーナー全開のハルヒに引きずられ、最速タイムで辿...
無意識に窓際へ視線を向けると、いつもの場所に長門は居なか...
「あれ？ 有希、どうしたの？」
ドアノブを掴んだまま声を掛けるハルヒ。その表情に見覚えが...
あの雪山、高熱を出して倒れた長門の肩を抱き寄せた時、
普段からは想像もできないほど険しい顔をしていたよな。
その視線の先では、テーブルに突っ伏した長門がピクリとも動...
マネキンのように真っ白な無表情で。
#br
#br
「ふふっ、わたしが来た時にはもう寝てました。気持ち良さそ...
小さめな声でそう告げて、なるべく音を立てないように慎重な...
長門の斜め前に座る古泉も、珍しくゲームをやるつもりはない...
「オセロや将棋は音が出ますからね。今日は我慢しましょう。...
同じく小声の古泉。いつものニヤケ面も少し違って見える。そ...
「……ｽｰ……ｽｰ………」
こいつの言うとおり、こんな寝顔を見せられたら思わず目尻が...
今日ばかりは朝比奈さんの立場も危ういかもしれん。いや、正...
「このエロキョン！ 有希はみんなのものよ。独り占めはダメ...
目一杯ボリュームを下げつつ怒鳴るとは器用なもんだ。冗談だ...
#br
言うまでもないだろう、俺とハルヒの早とちりだったわけだ。
よく見ればスヤスヤと寝息を立てているだけで、俺たちが考え...
文字通り胸を撫で下ろした俺はそっと鞄を置き、古泉の正面――...
一見すると無表情に変わりはないのだが、こうして近くで見る...
まるで使い慣れた布団に包まれているような……
「安心感。ですかね」
身を乗り出すな、耳元で喋るな、顔が近い、おまえの精神分析...
「そう言わずに。疑問に思いませんか？ いつも隙の無い長門...
「まあな、確かにこんなことは初めてだ」
幸いハルヒは寝顔の撮影に夢中のようだし、聞いてやってもい...
無駄に整った顔をニヤリと緩め、
「喜ぶべきことですよ。僕たちは彼女に認められたのです。信...
ちょっと待てよ。じゃあ今までは信用されてなかったとでも言...
「いえ、そうではありません。特にあなたに対しては早い段階...
わざとらしく残念そうに首を振り、溜息までオマケして、
「ですが、僕や朝比奈さんは所詮『同盟』です。目的は同じで...
長門さんの心の中に、無意識だとしても多少の疑いがあるのは...
何が言いたい。あまり気分のいい話じゃないな。結論を聞かせ...
「失礼。つまり、」そこで真面目な表情に戻って、
「前回の……あの事件です。互いの信頼が無ければ他の未来が待...
しかし僕たちは今ここにいます。誰一人欠けることなく、ね」
#br
安心しきった寝顔を見つめるうちに、つい口から出てしまった。
古泉が肝心なところを言わないせいだ。忌々しい。
「俺たちは本当の仲間なんだよな」
#br
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たまにはこんな日があってもいいんじゃないか。静まり返った...
保育園児をようやく寝かし付けた新米保母さんのような、
なんとも暖かい眼差しで長門を見守る朝比奈さんを見ていると、
「有希ー？ 嫌いな食べ物なぁに？」
「………うぅん……ピーマン」
今まさに食べてしまった！ みたいなしかめっ面で白状した。
カレー好きでピーマン嫌いか。お子さまだな。いやいや、それ...
「なにやってんだ、おまえ」
長門の耳からくちびるを離し、悪戯を思いついた我が妹より三...
「秘密調査に決まってるじゃない。こんなチャンスなかなか無...
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ハルヒがジッチャンの名にかけて調べた結果によると、
長門はピーマンが嫌いでゾンビが恐くて、残念ながら下着の色...
実はシャミセンと仲良くなりたいのだが、ニャンコ萌えだと思...
「んじゃ最後ね。ズバリ！ この中に好きな人がいる？」
「…………」全員が息を飲む。
朝比奈さんはカタカタ震えていらっしゃるし、古泉はなぜか顔...
……ハルヒ、おまえに睨まれる理由はないんだが。親の仇と勘違...
みんなどうした。ちょいと大袈裟過ぎるぞ。まあ、わからんで...
もし「いる」なんて答えが返ってくれば、それはつまり、
俺か古泉のどちらかが宇宙人のハートを射止めたことになる。
そもそも恋愛感情があるのかも怪しいところだが、淡い期待を...
無口系美少女から愛の告白をされるのも……うーん、悪くないね。
微妙な空気の中、いい意味で期待を裏切ってくれたのは、
いつもより幼く可愛らしい声で長門が口にした、嬉しい一言に...
「……みんな……みんな大好き………ﾑﾆｬﾑﾆｬ」
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さて、心苦しいがそろそろ起こしてやるか。すっかり日も落ち...
部活終了後、「あんたは残りなさい。本当はあたしが残りたい...
何もしてませんよ。誰か誉めてくれないか。
兎にも角にも、目覚まし係になった俺は、満足気な三人を見送...
みんな嬉しそうだったな。あんなこと言われたら当然か。
……起こす前にもう一度聞きたい。誰だってそう思うだろ？
「みんなのこと好きか？」
「……大好き」
「俺のこと……好きか？」
何を言ってるんだろうね。だが、答えは同じでも気分は違うの...
「…………大好き」
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気付けば外はもう真っ暗だった。いかん、もう起こそう。満足...
「長門、起き――」
言いかけた俺から顔を背け、長門はもう一度、短い寝言をつぶ...
#br
「大好き」
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#br
END
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