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#navi(SS集)
#br
* 作品 [#pa2ba4e0]
** 概要 [#m78e2799]
|~作者 |江戸小僧 |
|~作品名 |休日の過ごし方 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日 |2007-05-01 (火) 00:57:47 |
** 登場キャラ [#a30db61f]
//////////
|~キョン |登場 |
|~キョンの妹|登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#rb63fdb0]
//////////
#br
#setlinebreak(on)
陽だまりであくびをする猫のようにお気楽な春休みを満喫し...
朝飯を食い終わった俺は、財布の中身を確かめた。よし、足...
「あー、キョン君。起きたばっかりなのに、どこ行くの」
こいつにヘタな事を言って、一緒に連れて行くハメに陥る訳...
「クラブ活動の準備だ」
「ふーん」
頼むぞ。これ以上追求するな、一緒に行っていいかなんてオ...
「で、どこ行くの?」
「電車に乗らないといけない、遠い場所だ」
妹はここで、にへらと笑った。
「キョン君1人で?」
「そうだ。他人を巻き込めない、とっても退屈な用事だからな」
これ以上はボロが出る可能性がある。俺は素早く靴を履いた...
愛機が爽やかな風を切る。なんでもない日の、なんでもない...
自転車に鍵をかけ、駅に入るところの俺をあだ名ではなく本...
誰だ?
「あの……」
おい俺。いつの間にこんな美人と知り合いやがった。俺にも...
すらりとした体つき、はっきりした目鼻立ちが目立つ女の子...
「私……その」
ん? その声――まさか、ミヨキチか?
「……は、はい」
ミヨキチは真っ赤になって俯いてしまった。いかん、お下げ...
「久しぶりだな。いや、ちょっと見ないうちにこんな美人にな...
およそフォローになってない言葉が、焦る俺の口から零れて...
ミヨキチは俯けた顔を上げようともしない。
うーん、マズイ。こんなところを誰かに見られたら、いじめ...
「今日は買物かい?」
「はい。あの……お1人、ですか?」
「ああ。珍しくな」
「私……中学受験用の参考書を買いに行くんです。その……もし同...
とてもダメと言える顔じゃない。というか、こんなに可愛く...
ま、いいさ、本屋まで案内してやろう。彼女には本屋にいて...
ホームの陽だまりに2人で立っていると、ミヨキチが遠慮が...
と、俺は自分の横に立つもう1つの影に気が付いた。やけに...
「あなたの今日の行動は特異」
長門、そりゃお互い様だ。お前が1人で外出とは意外だぜ。...
「……」
あー、どうした。
「今日はSOS団の活動はない」
だから今日のうちにどうしてもやりたい事があるんだ。頼む...
絶対零度の瞳が反対側にいるミヨキチを捉えているようだっ...
「私も用事がある」
そうか。宇宙規模の用事じゃ俺は役に立ちそうにないな。ま...
俺の右袖が引っ張られた。
「この交通機関を利用して繁華街と呼ばれる地域に行く必要が...
いつもは金属質の黒い瞳が、春の気まぐれなのか、陽を映す...
いつもお世話になってるコイツの頼みを断るのは論外だ。し...
「本屋とかに寄ってもいいか」
「問題ない」
長門はいつものように顕微鏡的スケールで頷いた。
さて、俺は高校生になってから何度も複数の女性と一緒に行...
俺の気のせいかもしれないが、空気が少々固い。
長門は無言。これはいつもの事だ。
ミヨキチも無言。なんか、長門の事を気にしているように見...
おまけに、周りの視線が痛い。空いている車内で3人並んで...
目的地に着くまでにすっかり気疲れしてしまった。
さすがに春休み期間だけあって、駅の周辺は同じような年代...
「わー、すごいですね」
「……」
長門は早くも帰巣本能に導かれるかのように奥へ向かってい...
「長門、暫くここに居てくれ」
返事はないが、あいつのことだから大丈夫だろう。
一方、ミヨキチは俺の袖を引っ張るようにして参考書のコー...
「こんなにあるんですか、迷っちゃいます。あの、良か――」
「ゆっくり選んでてくれよ。俺はちょっとだけ寄るところがあ...
ミヨキチ、頼むからそんな哀しそうな顔しないでくれ。でき...
何を考えているのか良くわからない表情を浮かべていたミヨ...
「わかりました。私、ここにいます。あの……待ってます」
なんで頬が赤くなるのか知らんが、ま、ゆっくり選んでてく...
俺は念のために店を出てから振り返った。よし、どちらも俺...
#br
俺が戻った時、一体なにが起こったのか参考書のコーナーに...
「お、お帰りなさい」
ああ。ひょっとして2人で何か盛り上がってたのか? なん...
「い、いえ。別に」
長門の方は僅かに髪を揺らし――気のせいか? 今、一瞬目を...
「で、良い参考書はあったかい」
「はい。今買ってきます」
本屋を出た俺は、ミヨキチを見た。
「どこか、行きたい場所なんてあるかい」
「いいんですか?」
俺は長門の顔を確かめてから頷いた。
「えー、嬉しいです! それじゃ……」
ミヨキチが張り切って提案した場所へと行く。うーん、男同...
「これ、かわいくていいですよ」
慣れているのか、ミヨキチは1つの台を選んだ。請われるま...
「フレーム、何がいいですか」
「まかせるよ」
さすがにミヨキチ、マンガキャラクターのフレームなんて選...
俺の左腕に触れるか触れないか位にミヨキチが体を寄せる。
「笑っててくださいね」
ああ。言われなくても頬が緩むよ。このままミヨキチが俺の...
白光に包まれ、写真が撮られる。
どうやら納得のいく出来上がりらしく、ミヨキチは嬉しそう...
「私、大事にしますから」
ミヨキチは丁寧に2つに分けたシールを俺に渡しながら微笑...
さ、それじゃ飯でも――
厚いカーテンを潜り抜けた俺を、溶鉱炉の中の鋼みたいに輝...
長門は黙って俺を再びカーテンの内側に引っ張り込む。おい...
「大丈夫」
長門は台に硬貨をいれ、俺の隣に立つ。
「……」
頬を何かサラサラしたものがくすぐる。何だ?
そう思ったときにはシャッターが下りていた。
とてとて、という感じで台に向かったかと思うと、微かに不...
「もう一度」
なんだ。目でも瞑っちまったのか?
またも、左頬をくすぐる感触。今度は何か暖かいものがすぐ...
「動かないで」
……あのー、動きたくても動けないんですけど。何かされたん...
白光が俺達を包む。と思うと、動けるようになっていた。
今度の結果はご希望に沿っていたでしょうか?
長門はフレームを使わず、その代わり手書きとは思えない筆...
「これは、大事なものに貼ることが一般的な使用方法と聞いた」
まあそうだ。しかしな、長門。部室の備品や本にはそいつを...
「……了解した」
それより昼時だ、良かったら昼飯を食べないか?
ミヨキチは嬉しいような困ったような顔をしたが、もう1人...
1人だったら入らないような、壁に掛かった黒板に手書きで...
ランチに付いてきたコーヒーをミヨキチは俺の真似をするよ...
さて、ミヨキチが席を立っているうちに長門に聞いておこう。
なあ、お前の用事はどんなものなんだ。
「問題ない。順調」
ん? まさか、もう終わったのか?
「行きたい場所がある」
まだ時間は随分あるしな。良ければつきあうぜ。
「了解した。あなたは――」
なんだ?
「ああいう服が好き?」
ああいう服? なんだ、ミヨキチの服か。うーん、彼女には...
そこにミヨキチが帰ってきた。
「あの、今日はありがとうございました」
構わないさ。
「それより、これからまたご用事ですか?」
思わず俺はカバーオールの膨らんだ右ポケットを押さえてい...
「俺の用も終わったよ。後は長門の用事だな」
ミヨキチは一瞬顔を俯けたと思うと、ちょっと怒ったような...
「私もご一緒していいですか」
長門はミヨキチの言葉に何の反応も示さない。
んー、いいんじゃないかな。
「ありがとうございます」
長門が俺達の先に立って向かった先に、俺は完全に意表をつ...
「えー、ここって結構高いんじゃ……」
都市部にあるマンションの家賃に匹敵するような服はあまり...
ミヨキチはここの服の値段に驚いてるようだが、俺は我が読...
長門は一度だけ俺に振り向くと、おもむろに服を選び始める...
自信ありげな足取りで選び取ったのは、白いジャケットと藤...
あれ? つい最近見たような気がするのは何故だ。誰が着て...
嬉しそうに寄ってきた店員に連れられ、試着室へ向かう。暫...
やがて、試着室から長門が目で訴えてくる。
「あの、呼んでるんじゃないですか」
ああ。そうらしいな。
「いいんですか?」
俺にあそこまで入ってけって言うのか? 勘弁してく……はい...
デスバレーから飛び降りる覚悟でミヨキチを連れて試着室ま...
「かっこいい……」
うん。似合ってる。いつも制服着てるとは思えない。
それにしても、誰のファッションを参考にしたんだ? 絶対...
長門は禁断の理論を実験中の科学者の目で俺を見つめていた...
さすがと言っていいのか、カードで買ったようだ。ところで...
#br
駅に着き、この奇妙な3人組の解散の時となった。
ミヨキチは真っ直ぐ俺に体を向けた。
「今日はありがとうございました」
深々と頭を下げる。
よせよ、他人行儀だな。どうする? 多分妹もいるだろうし...
「いいえ、今日は失礼します」
小学生に見えない大人びた顔をした少女は、胸を膨らませて...
「私、負けませんから。まだ、大きくなるし」
え?
「それじゃ、また。さようなら」
それだけ言うと、ミヨキチは本を胸に抱くようにして駆けて...
やれやれ。せめて家まで送っていったのに。
長門はブランド名が書かれた紙袋を肩にかけた制服姿でまっ...
「今日のあなたはずっと楽しそうだった」
ああ。久しぶりに休みを満喫したぜ。
「最後にもう1つ、調査に協力して欲しい」
ああ。できることなら何でも協力するさ。
「あなたは……将来、娘を望む?」
うーん。いつも俺の時間を邪魔する妹そっくりの天衣無縫な...
「そうだな。将来の事だが、娘がいたらきっと毎日が楽しいだ...
「そう」
短髪の宇宙人は、その黒い瞳に暖かい輝きを灯した。
「今日は調査が進んだ。感謝する」
そう言って、なぜか俺のカバーオールの裾を左手でそっと掴...
どういたしまして。お前のためならいつでも最大の努力を惜...
長門は1つ頷き、マンションの方角へと歩いていった。
家に帰ると妹がやたらと今日の事を聞いてくる。何を買った...
その夜。俺は妹の部屋の電気が消えたのを確認してからゲー...
情熱をぶつけるには、あらゆる邪魔を排除しなくてはいけな...
さて、いよいよ今日のメインイベントの始まりだ。
カバーオールに入れたままにしてあった薄いブツを、そのポ...
長かった。実に長かった。新しいネタなんて、一体どれだけ...
慌てずに取り出す。
あれ? この写真……白いジャケットの下で隆起ギリギリまで...
一体なんだろう。そう思いながらも、包装を破りとり、中の...
長門よ。お前が器用なのは知ってる。だから、こういう事が...
俺の情熱を受け止めるはずの家族には見せられないDVDの...
そして、滑り落ちる栞。
まさか――
『胸の大きさに執着するのはこの弓状列島の住人にとって適切...
……勘弁してください。俺、情熱を持て余してるんです。
#br
情熱に突き動かされて3回見た次の日、いつの間にか俺の背...
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#navi(SS集)
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* 作品 [#pa2ba4e0]
** 概要 [#m78e2799]
|~作者 |江戸小僧 |
|~作品名 |休日の過ごし方 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日 |2007-05-01 (火) 00:57:47 |
** 登場キャラ [#a30db61f]
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|~キョン |登場 |
|~キョンの妹|登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#rb63fdb0]
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陽だまりであくびをする猫のようにお気楽な春休みを満喫し...
朝飯を食い終わった俺は、財布の中身を確かめた。よし、足...
「あー、キョン君。起きたばっかりなのに、どこ行くの」
こいつにヘタな事を言って、一緒に連れて行くハメに陥る訳...
「クラブ活動の準備だ」
「ふーん」
頼むぞ。これ以上追求するな、一緒に行っていいかなんてオ...
「で、どこ行くの?」
「電車に乗らないといけない、遠い場所だ」
妹はここで、にへらと笑った。
「キョン君1人で?」
「そうだ。他人を巻き込めない、とっても退屈な用事だからな」
これ以上はボロが出る可能性がある。俺は素早く靴を履いた...
愛機が爽やかな風を切る。なんでもない日の、なんでもない...
自転車に鍵をかけ、駅に入るところの俺をあだ名ではなく本...
誰だ?
「あの……」
おい俺。いつの間にこんな美人と知り合いやがった。俺にも...
すらりとした体つき、はっきりした目鼻立ちが目立つ女の子...
「私……その」
ん? その声――まさか、ミヨキチか?
「……は、はい」
ミヨキチは真っ赤になって俯いてしまった。いかん、お下げ...
「久しぶりだな。いや、ちょっと見ないうちにこんな美人にな...
およそフォローになってない言葉が、焦る俺の口から零れて...
ミヨキチは俯けた顔を上げようともしない。
うーん、マズイ。こんなところを誰かに見られたら、いじめ...
「今日は買物かい?」
「はい。あの……お1人、ですか?」
「ああ。珍しくな」
「私……中学受験用の参考書を買いに行くんです。その……もし同...
とてもダメと言える顔じゃない。というか、こんなに可愛く...
ま、いいさ、本屋まで案内してやろう。彼女には本屋にいて...
ホームの陽だまりに2人で立っていると、ミヨキチが遠慮が...
と、俺は自分の横に立つもう1つの影に気が付いた。やけに...
「あなたの今日の行動は特異」
長門、そりゃお互い様だ。お前が1人で外出とは意外だぜ。...
「……」
あー、どうした。
「今日はSOS団の活動はない」
だから今日のうちにどうしてもやりたい事があるんだ。頼む...
絶対零度の瞳が反対側にいるミヨキチを捉えているようだっ...
「私も用事がある」
そうか。宇宙規模の用事じゃ俺は役に立ちそうにないな。ま...
俺の右袖が引っ張られた。
「この交通機関を利用して繁華街と呼ばれる地域に行く必要が...
いつもは金属質の黒い瞳が、春の気まぐれなのか、陽を映す...
いつもお世話になってるコイツの頼みを断るのは論外だ。し...
「本屋とかに寄ってもいいか」
「問題ない」
長門はいつものように顕微鏡的スケールで頷いた。
さて、俺は高校生になってから何度も複数の女性と一緒に行...
俺の気のせいかもしれないが、空気が少々固い。
長門は無言。これはいつもの事だ。
ミヨキチも無言。なんか、長門の事を気にしているように見...
おまけに、周りの視線が痛い。空いている車内で3人並んで...
目的地に着くまでにすっかり気疲れしてしまった。
さすがに春休み期間だけあって、駅の周辺は同じような年代...
「わー、すごいですね」
「……」
長門は早くも帰巣本能に導かれるかのように奥へ向かってい...
「長門、暫くここに居てくれ」
返事はないが、あいつのことだから大丈夫だろう。
一方、ミヨキチは俺の袖を引っ張るようにして参考書のコー...
「こんなにあるんですか、迷っちゃいます。あの、良か――」
「ゆっくり選んでてくれよ。俺はちょっとだけ寄るところがあ...
ミヨキチ、頼むからそんな哀しそうな顔しないでくれ。でき...
何を考えているのか良くわからない表情を浮かべていたミヨ...
「わかりました。私、ここにいます。あの……待ってます」
なんで頬が赤くなるのか知らんが、ま、ゆっくり選んでてく...
俺は念のために店を出てから振り返った。よし、どちらも俺...
#br
俺が戻った時、一体なにが起こったのか参考書のコーナーに...
「お、お帰りなさい」
ああ。ひょっとして2人で何か盛り上がってたのか? なん...
「い、いえ。別に」
長門の方は僅かに髪を揺らし――気のせいか? 今、一瞬目を...
「で、良い参考書はあったかい」
「はい。今買ってきます」
本屋を出た俺は、ミヨキチを見た。
「どこか、行きたい場所なんてあるかい」
「いいんですか?」
俺は長門の顔を確かめてから頷いた。
「えー、嬉しいです! それじゃ……」
ミヨキチが張り切って提案した場所へと行く。うーん、男同...
「これ、かわいくていいですよ」
慣れているのか、ミヨキチは1つの台を選んだ。請われるま...
「フレーム、何がいいですか」
「まかせるよ」
さすがにミヨキチ、マンガキャラクターのフレームなんて選...
俺の左腕に触れるか触れないか位にミヨキチが体を寄せる。
「笑っててくださいね」
ああ。言われなくても頬が緩むよ。このままミヨキチが俺の...
白光に包まれ、写真が撮られる。
どうやら納得のいく出来上がりらしく、ミヨキチは嬉しそう...
「私、大事にしますから」
ミヨキチは丁寧に2つに分けたシールを俺に渡しながら微笑...
さ、それじゃ飯でも――
厚いカーテンを潜り抜けた俺を、溶鉱炉の中の鋼みたいに輝...
長門は黙って俺を再びカーテンの内側に引っ張り込む。おい...
「大丈夫」
長門は台に硬貨をいれ、俺の隣に立つ。
「……」
頬を何かサラサラしたものがくすぐる。何だ?
そう思ったときにはシャッターが下りていた。
とてとて、という感じで台に向かったかと思うと、微かに不...
「もう一度」
なんだ。目でも瞑っちまったのか?
またも、左頬をくすぐる感触。今度は何か暖かいものがすぐ...
「動かないで」
……あのー、動きたくても動けないんですけど。何かされたん...
白光が俺達を包む。と思うと、動けるようになっていた。
今度の結果はご希望に沿っていたでしょうか?
長門はフレームを使わず、その代わり手書きとは思えない筆...
「これは、大事なものに貼ることが一般的な使用方法と聞いた」
まあそうだ。しかしな、長門。部室の備品や本にはそいつを...
「……了解した」
それより昼時だ、良かったら昼飯を食べないか?
ミヨキチは嬉しいような困ったような顔をしたが、もう1人...
1人だったら入らないような、壁に掛かった黒板に手書きで...
ランチに付いてきたコーヒーをミヨキチは俺の真似をするよ...
さて、ミヨキチが席を立っているうちに長門に聞いておこう。
なあ、お前の用事はどんなものなんだ。
「問題ない。順調」
ん? まさか、もう終わったのか?
「行きたい場所がある」
まだ時間は随分あるしな。良ければつきあうぜ。
「了解した。あなたは――」
なんだ?
「ああいう服が好き?」
ああいう服? なんだ、ミヨキチの服か。うーん、彼女には...
そこにミヨキチが帰ってきた。
「あの、今日はありがとうございました」
構わないさ。
「それより、これからまたご用事ですか?」
思わず俺はカバーオールの膨らんだ右ポケットを押さえてい...
「俺の用も終わったよ。後は長門の用事だな」
ミヨキチは一瞬顔を俯けたと思うと、ちょっと怒ったような...
「私もご一緒していいですか」
長門はミヨキチの言葉に何の反応も示さない。
んー、いいんじゃないかな。
「ありがとうございます」
長門が俺達の先に立って向かった先に、俺は完全に意表をつ...
「えー、ここって結構高いんじゃ……」
都市部にあるマンションの家賃に匹敵するような服はあまり...
ミヨキチはここの服の値段に驚いてるようだが、俺は我が読...
長門は一度だけ俺に振り向くと、おもむろに服を選び始める...
自信ありげな足取りで選び取ったのは、白いジャケットと藤...
あれ? つい最近見たような気がするのは何故だ。誰が着て...
嬉しそうに寄ってきた店員に連れられ、試着室へ向かう。暫...
やがて、試着室から長門が目で訴えてくる。
「あの、呼んでるんじゃないですか」
ああ。そうらしいな。
「いいんですか?」
俺にあそこまで入ってけって言うのか? 勘弁してく……はい...
デスバレーから飛び降りる覚悟でミヨキチを連れて試着室ま...
「かっこいい……」
うん。似合ってる。いつも制服着てるとは思えない。
それにしても、誰のファッションを参考にしたんだ? 絶対...
長門は禁断の理論を実験中の科学者の目で俺を見つめていた...
さすがと言っていいのか、カードで買ったようだ。ところで...
#br
駅に着き、この奇妙な3人組の解散の時となった。
ミヨキチは真っ直ぐ俺に体を向けた。
「今日はありがとうございました」
深々と頭を下げる。
よせよ、他人行儀だな。どうする? 多分妹もいるだろうし...
「いいえ、今日は失礼します」
小学生に見えない大人びた顔をした少女は、胸を膨らませて...
「私、負けませんから。まだ、大きくなるし」
え?
「それじゃ、また。さようなら」
それだけ言うと、ミヨキチは本を胸に抱くようにして駆けて...
やれやれ。せめて家まで送っていったのに。
長門はブランド名が書かれた紙袋を肩にかけた制服姿でまっ...
「今日のあなたはずっと楽しそうだった」
ああ。久しぶりに休みを満喫したぜ。
「最後にもう1つ、調査に協力して欲しい」
ああ。できることなら何でも協力するさ。
「あなたは……将来、娘を望む?」
うーん。いつも俺の時間を邪魔する妹そっくりの天衣無縫な...
「そうだな。将来の事だが、娘がいたらきっと毎日が楽しいだ...
「そう」
短髪の宇宙人は、その黒い瞳に暖かい輝きを灯した。
「今日は調査が進んだ。感謝する」
そう言って、なぜか俺のカバーオールの裾を左手でそっと掴...
どういたしまして。お前のためならいつでも最大の努力を惜...
長門は1つ頷き、マンションの方角へと歩いていった。
家に帰ると妹がやたらと今日の事を聞いてくる。何を買った...
その夜。俺は妹の部屋の電気が消えたのを確認してからゲー...
情熱をぶつけるには、あらゆる邪魔を排除しなくてはいけな...
さて、いよいよ今日のメインイベントの始まりだ。
カバーオールに入れたままにしてあった薄いブツを、そのポ...
長かった。実に長かった。新しいネタなんて、一体どれだけ...
慌てずに取り出す。
あれ? この写真……白いジャケットの下で隆起ギリギリまで...
一体なんだろう。そう思いながらも、包装を破りとり、中の...
長門よ。お前が器用なのは知ってる。だから、こういう事が...
俺の情熱を受け止めるはずの家族には見せられないDVDの...
そして、滑り落ちる栞。
まさか――
『胸の大きさに執着するのはこの弓状列島の住人にとって適切...
……勘弁してください。俺、情熱を持て余してるんです。
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情熱に突き動かされて3回見た次の日、いつの間にか俺の背...
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