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SS集/617
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開始行:
#navi(SS集)
#br
* 作品 [#n002f130]
** 概要 [#g7ab0421]
|~作者 |一万二千年 |
|~作品名 |長門スキーは長門有希の弁当の夢を見るか？ |
|~カテゴリー|長門SS（一般）|
|~保管日 |2007-03-24 (土) 22:41:17 |
** 登場キャラ [#faf8c748]
//////////
|~キョン |不登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#s015b0e8]
//////////
#br
#setlinebreak(on)
三時間目の休み時間。
俺を廊下で待っていたのは長門だった。
長門はいつも通りの顔で、俺の目をまっすぐに見つめながら...
「今日、あなたにお弁当を作ってきた。食べて欲しい」
といわれたら断るやつはいまい。
居たらそいつは人非人だ。外道だ。
#br
四時間目が終了したと同時に文芸部室にダッシュする。
ドアを開けるとそこにはもう長門が待っていた。
ていうか、お前テレポートでも使えるのか？
「使えない」
そうですか。
#br
長門は二つのお弁当の包みを机の上に広げている。
大きなのは俺のだろう。小さなのはコイツのだな。
#br
いただきます、と挨拶をして弁当のふたを開ける。
お。これは。
#br
豚の生姜焼き。揚げギョウザ。ほうれん草のソテー。ポテト...
俺の好きなメニューベスト５のうち四つがノミネートされて...
なんでこんなおかずを？
「あなたの妹に聞いた」
「……」
「……駄目？」
小首を0.5度ほど傾げながら尋ねてくる美少女宇宙人にＮＯだ...
「い、いや、駄目じゃないぞ！ むしろグッジョブというか、...
そう言ってコイツの目に浮かんだ不安の色を消すのに必死に...
長門が少しでも不安そうだったり、困っていたりすると俺は...
感覚にとらわれてしまう。
ものすごく世話になってたり、生命の危機を救ってくれたか...
コイツのことが気になって仕方が無いだけだ。
#br
長門の不安そうな目の色は、俺の言葉で氷解する。
いつもの真っ黒な瞳の色に戻る。
それはなんだか嬉しくて、俺はそれだけで心のどこかが暖か...
#br
長門は自分の弁当箱から、豚の生姜焼きを箸で摘む。
そしてその肉片を俺の眼前に突きつける。
「……」
長門は三点リーダを量産しながら俺の顔を見つめている。
「……」
真っ直ぐな、曲がらない瞳が俺の目を貫いている。
俺の頭を後頭部まで貫通して部室の壁も破壊して衛星軌道まで
達するのではないか、というほどの強い視線。
そんな視線に耐えられずに、俺は尋ねた。
#br
「その……なんだ。俺に、食って欲しいと、そう言うわけか」
「そう」
おずおずと口を開くと、長門の箸の先端が俺の唇に押し込ま...
#br
生姜焼きのスパイシーでありなおかつジューシーな肉感が伝...
塗れた箸の感触も感じる。
それと同時に、これって間接キスなんじゃ？という疑惑も。
#br
「……」
「……」
もぐもぐと咀嚼しながら、俺の顔を見ている長門に視線をや...
その深海の底を思わせる真っ黒い瞳の中心に、なにかの色が...
コイツが、宇宙人のアンドロイドが何を思っているのか、ほ...
そんな長門に素直な感想をぶつける。
「美味いぞ」
「……そう」
答えている長門の頬がほんの少しだけ、血色がよくなったよ...
俺の気のせいだけじゃないはずだ。
#br
#br
「ごちそうさま」
そんな感じに美味しくお弁当を頂いたあとで。
長門はまた、数ミリだけ首を曲げながら俺の目をみて言って...
「また弁当を作ってきたら、あなたは食べてくれる？」
#br
#br
そんなの、答えはＹＥＳ以外にないだろう？
#br
//////////
#setlinebreak(default)
#br
----
終了行:
#navi(SS集)
#br
* 作品 [#n002f130]
** 概要 [#g7ab0421]
|~作者 |一万二千年 |
|~作品名 |長門スキーは長門有希の弁当の夢を見るか？ |
|~カテゴリー|長門SS（一般）|
|~保管日 |2007-03-24 (土) 22:41:17 |
** 登場キャラ [#faf8c748]
//////////
|~キョン |不登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |不登場 |
|~みくる |不登場 |
|~古泉一樹 |不登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#s015b0e8]
//////////
#br
#setlinebreak(on)
三時間目の休み時間。
俺を廊下で待っていたのは長門だった。
長門はいつも通りの顔で、俺の目をまっすぐに見つめながら...
「今日、あなたにお弁当を作ってきた。食べて欲しい」
といわれたら断るやつはいまい。
居たらそいつは人非人だ。外道だ。
#br
四時間目が終了したと同時に文芸部室にダッシュする。
ドアを開けるとそこにはもう長門が待っていた。
ていうか、お前テレポートでも使えるのか？
「使えない」
そうですか。
#br
長門は二つのお弁当の包みを机の上に広げている。
大きなのは俺のだろう。小さなのはコイツのだな。
#br
いただきます、と挨拶をして弁当のふたを開ける。
お。これは。
#br
豚の生姜焼き。揚げギョウザ。ほうれん草のソテー。ポテト...
俺の好きなメニューベスト５のうち四つがノミネートされて...
なんでこんなおかずを？
「あなたの妹に聞いた」
「……」
「……駄目？」
小首を0.5度ほど傾げながら尋ねてくる美少女宇宙人にＮＯだ...
「い、いや、駄目じゃないぞ！ むしろグッジョブというか、...
そう言ってコイツの目に浮かんだ不安の色を消すのに必死に...
長門が少しでも不安そうだったり、困っていたりすると俺は...
感覚にとらわれてしまう。
ものすごく世話になってたり、生命の危機を救ってくれたか...
コイツのことが気になって仕方が無いだけだ。
#br
長門の不安そうな目の色は、俺の言葉で氷解する。
いつもの真っ黒な瞳の色に戻る。
それはなんだか嬉しくて、俺はそれだけで心のどこかが暖か...
#br
長門は自分の弁当箱から、豚の生姜焼きを箸で摘む。
そしてその肉片を俺の眼前に突きつける。
「……」
長門は三点リーダを量産しながら俺の顔を見つめている。
「……」
真っ直ぐな、曲がらない瞳が俺の目を貫いている。
俺の頭を後頭部まで貫通して部室の壁も破壊して衛星軌道まで
達するのではないか、というほどの強い視線。
そんな視線に耐えられずに、俺は尋ねた。
#br
「その……なんだ。俺に、食って欲しいと、そう言うわけか」
「そう」
おずおずと口を開くと、長門の箸の先端が俺の唇に押し込ま...
#br
生姜焼きのスパイシーでありなおかつジューシーな肉感が伝...
塗れた箸の感触も感じる。
それと同時に、これって間接キスなんじゃ？という疑惑も。
#br
「……」
「……」
もぐもぐと咀嚼しながら、俺の顔を見ている長門に視線をや...
その深海の底を思わせる真っ黒い瞳の中心に、なにかの色が...
コイツが、宇宙人のアンドロイドが何を思っているのか、ほ...
そんな長門に素直な感想をぶつける。
「美味いぞ」
「……そう」
答えている長門の頬がほんの少しだけ、血色がよくなったよ...
俺の気のせいだけじゃないはずだ。
#br
#br
「ごちそうさま」
そんな感じに美味しくお弁当を頂いたあとで。
長門はまた、数ミリだけ首を曲げながら俺の目をみて言って...
「また弁当を作ってきたら、あなたは食べてくれる？」
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#br
そんなの、答えはＹＥＳ以外にないだろう？
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#setlinebreak(default)
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