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#navi(SS集)
#br
* 作品 [#f92bb951]
** 概要 [#z3a34ef4]
|~作者 |書き込めない人 |
|~作品名 |長門さんとそばかす 1 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日 |2006-08-27 (日) 00:32:54 |
** 登場キャラ [#u8ac1932]
//////////
|~キョン |登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |登場 |
|~みくる |登場 |
|~古泉一樹 |登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#h3ac0265]
//////////
#br
#setlinebreak(on)
それはいつものようにハルヒのどうでもいい一言から始まった。
#br
「有希ってさ〜あんまり文芸部員ぽくないわよね?」
#br
いきなり何を言い出すかと思えばお前は……
毎日部室で物静かに本を読む。それも鈍器のような分厚い本を。
このお姿を見て文芸部員だと思わぬ奴がいたら是非言ってくれ。
今なら鈍器本で殴るくらいにしといてやる。
#br
「まぁ有希はもう文芸部員じゃなくてSOS団員なんだから別にい...
#br
いつの間に長門は文芸部員を辞めたのか?
っていうかそれだと文芸部員は部員0になったことになるぞ?
そうなると、また生徒会が何か言ってきかねん。
#br
「でもやっぱり文学少女って言えば、眼鏡かけてて〜」
#br
ハルヒの言葉を聞いてハッとする。脳裏に浮かぶ一人の少女。
……もう一人の……長門……『あの世界』の長門……
確かに今目の前にいる長門より、
『あの世界』の長門の方が文芸部員としてふさわしい。
執筆活動もやってたようだしな。こちらの文学少女は完全に読...
#br
「性格は大人しくて引っ込み思案で〜」
#br
長門は傍から見れば大人しい……というより何もしてないように...
だが引っ込み思案……ではないな。『あっち』の長門は引っ込み...
#br
「それで人付き合いも苦手で〜」
#br
ハルヒの言葉が続くにつれ、徐々に鮮明に脳裏に浮かぶ長門。
それは今目の前にいる長門ではない、もう一人の長門。
忘れたくても忘れられない……普通の少女の長門。
この世界を選んだことを後悔はしていない。
ただあの長門の存在は今でも俺の心に……
#br
感傷に浸っていた俺をハルヒの一言が現実に引き戻した。
#br
#br
「もちろん顔にはそばかすね!!」
#br
#br
……はい?
今なんて……おっしゃったんですかハルヒさん?
#br
「だから〜文学少女って言えばそばかすでしょ?分かってない...
#br
相変わらず繋がりがまったく読めないぞハルヒ。
最後の一言がなければ、俺は脳内で完全にもう一人の長門を思...
第一そばかすなんて文学少女に限らず、思春期の若者ならあっ...
#br
「私の中では純朴な少女にはそばかすが付き物なの!!」
#br
それならお前は純朴じゃないのか?
なんて言うとハルヒのマッハパンチを喰らうのは避けがたいこ...
顔に痣なんぞ欲しくない俺は黙っていることにする。
#br
#br
……でもこの時マッハパンチを食らっておけば、後が楽だったか...
#br
#br
#br
#br
#br
次の日、いつものようにSOS団室に入った俺は奇妙な違和感を感...
#br
ハルヒがいない……のは掃除当番だから仕方ない。
#br
いつものようにメイド姿の朝比奈さん。
いつものようにニヤケ顔の古泉。
いつものようにパイプ椅子に座って本を読む長門……
#br
……何か違う。『いつものように』ではない。
長門が入り口……つまり俺がいるところに背を向けている。
普段なら横を向いているから横顔が見えるはずだ。
ただそれだけなんだが……何か気になる。
#br
ためしに俺は長門に声を掛けてみた。
#br
「お〜い長門?」
#br
「なに?」
#br
返事をしてくれた。
内心長門流の怒りでも買ってるのかと思っていた俺は一安心。
#br
「いや……いつもと違う座り方だから気になってな」
#br
「……そう」
#br
ん?何かいつもと違うぞ?なんと言うか声の質が…
#br
「キョン君。あのね……」
#br
この変化について何か知ってるんですか朝比奈さん?
是非ご教授願いたいものですが。
#br
「実は長門さんの顔に……ひぃっ!!!」
#br
まるでライオンに出くわしたカエルの様な顔をする朝比奈さん。
一体何を見て……と後ろを振り返った俺は思わず叫んでしまった。
#br
「うおっ!?」
#br
……そのオーラは何だ長門よ……お前は格闘マンガに出てくる地上...
まわりの風景が物凄くゆがんで見えるぜ?
#br
「……朝比奈……みくる……」
#br
「ひゃ、ひゃいっ!!」
#br
物凄くビビってる朝比奈さん……と俺。
#br
「喋りすぎは命に関わる……」
#br
「ご、ごごごめんなしゃいぃ〜」
#br
いや、『命に関わる』って長門さんそれは言いす……ってこえぇ!
長門さんそのオーラ何とかしてください!!
古泉も息苦しそうですよ!!むしろそのオーラが命に関わる!!
#br
「……そう」
#br
何とかオーラを沈め読書に戻る長門。
やれやれ。しかし何で長門は怒ってるんだ?
そういえば朝比奈さんは何て言おうとしたんだ……
#br
……聞いてみたいが、半分放心状態になってる……
仕方ない……本人に直接聞いてみるか。怖いけど。
#br
「なぁ長門……なんで不機嫌なんだ?」
#br
「別に不機嫌ではない」
#br
ならさっきのオーラは一体なんだったんだ?
#br
「あれは……朝比奈みくるへの警告。あなたに害はない。」
#br
思いっきりありましたが……まぁいい。聞きたいことは他にある。
#br
「なぁ……長門よ。」
#br
「何?」
#br
「その……顔見せてくれな」
#br
「断る」
#br
まだ言い終ってませんが。ていうか拒否ですか?
長門の口から拒絶の言葉を聞いたのは初めてだ。
ちょっと……いやかなりヘコむ俺。
#br
「俺……嫌われてるな……」
#br
そうボソッと漏らした俺に無口少女は
#br
「別にあなたのことを嫌ってはいない」
#br
と即答した。
ならなんで顔見せてくれないんですか?
#br
「……見せたくないから」
#br
……そうですか。まぁ無理強いは良くない。
でも長門の顔を見たい。これはただの知的好奇心だ。
#br
こっそり長門の正面に回りこもうとする俺。
すかさず体ごと顔をそらす長門。
反対側から正面に回り込もうとする俺。
やっぱり体ごと顔をそらす長門……
ん?何か今光ったぞ?
#br
そうやって意地と意地のぶつかり合いを行っていると
俺の側頭部に衝撃が走った。何だ?隕石か?俺生きてる?
まだ人生を謳歌しつくしてないんだが。
#br
「くぉらー!何やってんのよこの……バカキョン!!!」
#br
馬鹿は容認してやるが、側頭部にロケットダイブは止めてくれ...
マジで死ぬかと思っ……
#br
#br
#br
「……な……がと?」
#br
#br
#br
心配そうに俺を見下ろす長門の顔を見て、俺は一瞬痛みを忘れ...
#br
#br
なんせ長門が眼鏡をかけてたんだからな。
#br
"br
だが俺の目の前の長門は『あの世界』の長門にはなかった物が...
#br
#br
#br
長門の整った鼻のまわりには……申し訳程度にそばかすが存在し...
#br
#br
#br
#br
#br
俺の声を聞いた長門は、ハッとした顔をして本で顔を隠す。
一瞬のことだったが間違いない。長門の顔には……
#br
「ちょっと有希!?……キョンあんた有希に何したの!?」
#br
まずさっきのロケットダイブの謝罪をしてくれ。
というか俺は何もやってないぞ。
#br
「彼は何もしてない……」
#br
「うそよ!キョンが何もしてないっていうならなんで有希は顔...
#br
「見せたくないだけ……」
#br
「まさか……キョンに落書きでもされたの?」
#br
お前じゃあるまいし、そんなことするわけないだろ。
第一長門相手に成功できるミッションじゃない。インポッシブ...
#br
「あんたは黙ってなさい!」
#br
「彼は悪くない。彼は何もしていない。本当」
#br
「嘘よ!キョンが何もしてないっていうのに何で顔隠してるの...
#br
「だから……見せたくないと言っている」
#br
「団長命令よ!見せなさい!」
#br
「止めろハルヒ。長門が嫌がってるだろ」
#br
強引なハルヒを思わず止める。クソ、頭が痛てぇ……
団室の隅では古泉の携帯が鳴っている。
#br
「あんたは黙ってろって言ってるでしょ!!」
#br
「そうはいくか。俺が悪いって言うなら罰でも何でも受けてや...
だが長門に無理強いするのは俺が許さん」
#br
俺の言葉に顔が真っ赤になるハルヒ。
また俺が物凄い被害を受けるパターンだな。
だが長門のためなら一肌どころか何肌でも骨になるまで脱いで...
そう覚悟を決めてハルヒの鷹のような眼光を受ける俺の耳に長...
#br
「……わかった。」
#br
「長門!?」
#br
「顔を見せる……だから彼を許してあげて欲しい」
#br
「有希……いいえ!ダメよ!こいつは神聖なる団長様に対して……」
#br
「お願い……」
#br
そう言って顔のところまで持ち上げた本を徐々におろしていく...
#br
「長門!やめろ!!」
#br
しかし俺の要望が聞き入れられることはなかった……
長門は先ほど俺が見た顔をハルヒの前にさらしていた。
#br
「有希……あんたその顔……」
#br
声を失うハルヒ。団室を静寂が包む。古泉の携帯もいつの間に...
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#setlinebreak(default)
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#navi(SS集)
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* 作品 [#f92bb951]
** 概要 [#z3a34ef4]
|~作者 |書き込めない人 |
|~作品名 |長門さんとそばかす 1 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日 |2006-08-27 (日) 00:32:54 |
** 登場キャラ [#u8ac1932]
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|~キョン |登場 |
|~キョンの妹|不登場 |
|~ハルヒ |登場 |
|~みくる |登場 |
|~古泉一樹 |登場 |
|~鶴屋さん |不登場 |
|~朝倉涼子 |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜 |不登場 |
|~思念体 |不登場 |
|~天蓋領域 |不登場 |
|~阪中 |不登場|
|~谷口 |不登場|
|~ミヨキチ |不登場 |
|~佐々木 |不登場 |
|~橘京子 |不登場 |
** SS [#h3ac0265]
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それはいつものようにハルヒのどうでもいい一言から始まった。
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「有希ってさ〜あんまり文芸部員ぽくないわよね?」
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いきなり何を言い出すかと思えばお前は……
毎日部室で物静かに本を読む。それも鈍器のような分厚い本を。
このお姿を見て文芸部員だと思わぬ奴がいたら是非言ってくれ。
今なら鈍器本で殴るくらいにしといてやる。
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「まぁ有希はもう文芸部員じゃなくてSOS団員なんだから別にい...
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いつの間に長門は文芸部員を辞めたのか?
っていうかそれだと文芸部員は部員0になったことになるぞ?
そうなると、また生徒会が何か言ってきかねん。
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「でもやっぱり文学少女って言えば、眼鏡かけてて〜」
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ハルヒの言葉を聞いてハッとする。脳裏に浮かぶ一人の少女。
……もう一人の……長門……『あの世界』の長門……
確かに今目の前にいる長門より、
『あの世界』の長門の方が文芸部員としてふさわしい。
執筆活動もやってたようだしな。こちらの文学少女は完全に読...
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「性格は大人しくて引っ込み思案で〜」
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長門は傍から見れば大人しい……というより何もしてないように...
だが引っ込み思案……ではないな。『あっち』の長門は引っ込み...
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「それで人付き合いも苦手で〜」
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ハルヒの言葉が続くにつれ、徐々に鮮明に脳裏に浮かぶ長門。
それは今目の前にいる長門ではない、もう一人の長門。
忘れたくても忘れられない……普通の少女の長門。
この世界を選んだことを後悔はしていない。
ただあの長門の存在は今でも俺の心に……
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感傷に浸っていた俺をハルヒの一言が現実に引き戻した。
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「もちろん顔にはそばかすね!!」
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……はい?
今なんて……おっしゃったんですかハルヒさん?
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「だから〜文学少女って言えばそばかすでしょ?分かってない...
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相変わらず繋がりがまったく読めないぞハルヒ。
最後の一言がなければ、俺は脳内で完全にもう一人の長門を思...
第一そばかすなんて文学少女に限らず、思春期の若者ならあっ...
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「私の中では純朴な少女にはそばかすが付き物なの!!」
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それならお前は純朴じゃないのか?
なんて言うとハルヒのマッハパンチを喰らうのは避けがたいこ...
顔に痣なんぞ欲しくない俺は黙っていることにする。
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……でもこの時マッハパンチを食らっておけば、後が楽だったか...
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次の日、いつものようにSOS団室に入った俺は奇妙な違和感を感...
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ハルヒがいない……のは掃除当番だから仕方ない。
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いつものようにメイド姿の朝比奈さん。
いつものようにニヤケ顔の古泉。
いつものようにパイプ椅子に座って本を読む長門……
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……何か違う。『いつものように』ではない。
長門が入り口……つまり俺がいるところに背を向けている。
普段なら横を向いているから横顔が見えるはずだ。
ただそれだけなんだが……何か気になる。
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ためしに俺は長門に声を掛けてみた。
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「お〜い長門?」
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「なに?」
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返事をしてくれた。
内心長門流の怒りでも買ってるのかと思っていた俺は一安心。
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「いや……いつもと違う座り方だから気になってな」
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「……そう」
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ん?何かいつもと違うぞ?なんと言うか声の質が…
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「キョン君。あのね……」
#br
この変化について何か知ってるんですか朝比奈さん?
是非ご教授願いたいものですが。
#br
「実は長門さんの顔に……ひぃっ!!!」
#br
まるでライオンに出くわしたカエルの様な顔をする朝比奈さん。
一体何を見て……と後ろを振り返った俺は思わず叫んでしまった。
#br
「うおっ!?」
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……そのオーラは何だ長門よ……お前は格闘マンガに出てくる地上...
まわりの風景が物凄くゆがんで見えるぜ?
#br
「……朝比奈……みくる……」
#br
「ひゃ、ひゃいっ!!」
#br
物凄くビビってる朝比奈さん……と俺。
#br
「喋りすぎは命に関わる……」
#br
「ご、ごごごめんなしゃいぃ〜」
#br
いや、『命に関わる』って長門さんそれは言いす……ってこえぇ!
長門さんそのオーラ何とかしてください!!
古泉も息苦しそうですよ!!むしろそのオーラが命に関わる!!
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「……そう」
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何とかオーラを沈め読書に戻る長門。
やれやれ。しかし何で長門は怒ってるんだ?
そういえば朝比奈さんは何て言おうとしたんだ……
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……聞いてみたいが、半分放心状態になってる……
仕方ない……本人に直接聞いてみるか。怖いけど。
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「なぁ長門……なんで不機嫌なんだ?」
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「別に不機嫌ではない」
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ならさっきのオーラは一体なんだったんだ?
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「あれは……朝比奈みくるへの警告。あなたに害はない。」
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思いっきりありましたが……まぁいい。聞きたいことは他にある。
#br
「なぁ……長門よ。」
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「何?」
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「その……顔見せてくれな」
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「断る」
#br
まだ言い終ってませんが。ていうか拒否ですか?
長門の口から拒絶の言葉を聞いたのは初めてだ。
ちょっと……いやかなりヘコむ俺。
#br
「俺……嫌われてるな……」
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そうボソッと漏らした俺に無口少女は
#br
「別にあなたのことを嫌ってはいない」
#br
と即答した。
ならなんで顔見せてくれないんですか?
#br
「……見せたくないから」
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……そうですか。まぁ無理強いは良くない。
でも長門の顔を見たい。これはただの知的好奇心だ。
#br
こっそり長門の正面に回りこもうとする俺。
すかさず体ごと顔をそらす長門。
反対側から正面に回り込もうとする俺。
やっぱり体ごと顔をそらす長門……
ん?何か今光ったぞ?
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そうやって意地と意地のぶつかり合いを行っていると
俺の側頭部に衝撃が走った。何だ?隕石か?俺生きてる?
まだ人生を謳歌しつくしてないんだが。
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「くぉらー!何やってんのよこの……バカキョン!!!」
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馬鹿は容認してやるが、側頭部にロケットダイブは止めてくれ...
マジで死ぬかと思っ……
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「……な……がと?」
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心配そうに俺を見下ろす長門の顔を見て、俺は一瞬痛みを忘れ...
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なんせ長門が眼鏡をかけてたんだからな。
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だが俺の目の前の長門は『あの世界』の長門にはなかった物が...
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長門の整った鼻のまわりには……申し訳程度にそばかすが存在し...
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俺の声を聞いた長門は、ハッとした顔をして本で顔を隠す。
一瞬のことだったが間違いない。長門の顔には……
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「ちょっと有希!?……キョンあんた有希に何したの!?」
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まずさっきのロケットダイブの謝罪をしてくれ。
というか俺は何もやってないぞ。
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「彼は何もしてない……」
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「うそよ!キョンが何もしてないっていうならなんで有希は顔...
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「見せたくないだけ……」
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「まさか……キョンに落書きでもされたの?」
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お前じゃあるまいし、そんなことするわけないだろ。
第一長門相手に成功できるミッションじゃない。インポッシブ...
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「あんたは黙ってなさい!」
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「彼は悪くない。彼は何もしていない。本当」
#br
「嘘よ!キョンが何もしてないっていうのに何で顔隠してるの...
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「だから……見せたくないと言っている」
#br
「団長命令よ!見せなさい!」
#br
「止めろハルヒ。長門が嫌がってるだろ」
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強引なハルヒを思わず止める。クソ、頭が痛てぇ……
団室の隅では古泉の携帯が鳴っている。
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「あんたは黙ってろって言ってるでしょ!!」
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「そうはいくか。俺が悪いって言うなら罰でも何でも受けてや...
だが長門に無理強いするのは俺が許さん」
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俺の言葉に顔が真っ赤になるハルヒ。
また俺が物凄い被害を受けるパターンだな。
だが長門のためなら一肌どころか何肌でも骨になるまで脱いで...
そう覚悟を決めてハルヒの鷹のような眼光を受ける俺の耳に長...
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「……わかった。」
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「長門!?」
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「顔を見せる……だから彼を許してあげて欲しい」
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「有希……いいえ!ダメよ!こいつは神聖なる団長様に対して……」
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「お願い……」
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そう言って顔のところまで持ち上げた本を徐々におろしていく...
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「長門!やめろ!!」
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しかし俺の要望が聞き入れられることはなかった……
長門は先ほど俺が見た顔をハルヒの前にさらしていた。
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「有希……あんたその顔……」
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声を失うハルヒ。団室を静寂が包む。古泉の携帯もいつの間に...
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