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#navi(SS集) #br * 作品 [#h12e2d16] ** 概要 [#yf418cff] |~作者 |しめじ | |~作品名 |TOGETHER| |~カテゴリー|長門SS(一般)| |~保管日 |2007-12-24 (月) 02:12:11 | ** 登場キャラ [#d8bb70db] ////////// |~キョン |登場 | |~キョンの妹|不登場 | |~ハルヒ |不登場 | |~みくる |不登場 | |~古泉一樹 |不登場 | |~鶴屋さん |不登場 | |~朝倉涼子 |登場 | |~喜緑江美里|不登場| |~周防九曜 |不登場 | |~思念体 |不登場 | |~天蓋領域 |不登場 | |~阪中 |不登場| |~谷口 |登場| |~ミヨキチ |不登場 | |~佐々木 |不登場 | |~橘京子 |不登場 | ** SS [#j7802c09] ////////// #br #setlinebreak(on) 今日は、一年ぶりのクリスマスだ。 ん? まあ当たり前だな。 今日は予定通り、長門の家で鍋パーティなのだが、どうにも寂しい。 あの日、髪の長いハルヒを捕まえ、脱出プログラムを起動した。 が、突き返した入部届けを、泣きながら受け取った長門を見ていて、つい、別のキーを押してしまった。 _>N.YUKI you've terminated this program そして、こう続いた。 _>N.YUKI TOGETHER 数秒後、OSが立ち上がり、メッセージは消えてしまった。 それ以来、SOS団に名を連ねた面々の中で、いつでも会えるのは長門だけになってしまった。朝比奈さんや鶴屋さんには変態扱いされてるし、ハルヒや古泉はあれっきりさ。 俺は呆然としつつも、その日のうちに入部届けを渡し、一応部員となった。 「まあ、よろしくな。俺なんかでよけりゃ」 「ありがとう……」 と、小さく頭を下げた長門は、少しためらった後、顔を上げた。 「クリスマスの夜…」 「がどうした?」 「……くる?」 「何処に?」 「…………わたしの家」 そうして、今日は鍋パーティだ。 こっちではちゃんと存在する長門の級友数人と、谷口や国木田、それに同じアパートの朝倉さんが集まってくれた。 さすがに、二人ってのも妙な者だと思ったので、声をかけたわけだ。まあ、殆ど朝倉さんがやったんだけど。 目の前で、長門が眼鏡を真っ白にしながら、少しずつ鍋をつついてる。 しかし……やはり、寂しい。 ハルヒたちの連絡先を、聞いておくんだった。いや、ここに居ても飽きるだけか、古泉とデートかどっちかだな。 そして、パーティは二時間もせずに終わり、俺と長門、それに朝倉さんだけが、後片付けのために残った。 「キョン君も手伝って」 「洗った皿を拭けば良いんだね」 長門がテーブルを片付ける間に、洗い物だ。あの朝倉さんと、二人で隣り合うなんて、妙な気分だが。 「ねえ、キョン君。教室では、あの話、だめよ」 「え?」 「涼宮さんとかの、ね。あと、長門さんにも」 「な!?」 「しーっ」 右手の指を鼻に当てた朝倉さんの右手には、包丁がにぎられてた。 「あ、これ? もう刺さないわ。あたしももう、普通の女の子だから」 「も、って。覚えてるのか?」 「うん。でも、人間の気持ちが分かったわ。ごめんね、あのときは」 「まあ、仕方ないさ。幸い、俺は生きてるしな」 「この気持ちがわかったら、思念体ももう少し進化したかも。だけど、もうなにも通じないわ」 「全てを覚えてるのは、俺たちだけ、か」 「多分、ね。こんどは、ちゃんと長門さんのこと、大切にするのよ……じゃないと」 「刺す?」 「さあね。さ、片付いた。それじゃあ、あたしは帰るわ」 「それなら、俺も」 「キョン君、わかってない。選んだのは、あなた」 朝倉さんは、俺の腹を軽く指で刺すと、そのまま帰ってしまった。 俺が、選んだ? たしかに…… あのメッセージが頭の中でリピート。 you've terminated this program TOGETHER 一緒に居てくれと? そっちのお前とは、お別れなのに? いや、同じ者なのか? 「……お茶」 キッチンで呆然としている俺に、鏡の長門が声をかけて来た。 「ありがとう。じゃあ炬燵で」 コクリ、と小さく頷く。 俺が座ると、ついて来た長門が、俺のすぐ横に寄り添うように座って来た。 握って来た手が、少し震えている。 あのときとは違う震え方。 俺は、なんだかとてもあったかい気持ちになってる。 そして、あの画面がもう一度、脳内で繰り返される。わずかにずれて。 you've terminated this program TO GET HER 分かったよ、長門。もちろん、大切にするさ。 お前しか残ってないんだからな。 ////////// #setlinebreak(default) #br ----