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#navi(SS集) #br * 作品 [#ae21c8d2] ** 概要 [#y9361753] |~作者 |miha | |~作品名 |まとめサイト1周年記念SS | |~カテゴリー|その他| |~保管日 |2007-07-11 (水) 20:16:37 | ** 登場キャラ [#b2e8bb38] ////////// |~キョン |不登場 | |~キョンの妹|不登場 | |~ハルヒ |不登場 | |~みくる |不登場 | |~古泉一樹 |不登場 | |~鶴屋さん |不登場 | |~朝倉涼子 |不登場 | |~喜緑江美里|不登場| |~周防九曜 |不登場 | |~思念体 |不登場 | |~天蓋領域 |不登場 | |~阪中 |不登場| |~谷口 |不登場| |~ミヨキチ |不登場 | |~佐々木 |不登場 | |~橘京子 |不登場 | ** SS [#cbd13b13] ////////// #br #setlinebreak(on) 主「おい急進派、俺のノートを見なかったか?」 急「知らねえよ。何のノートだ。どうせ、しょうもないモンだろうがな」 主「失礼な! 俺が有希ちゃんについてまとめた大事なノートだ。 困ったなあ、あのノートには1年分の記録がつけてあるってのに」 急「大事なら失くさねえだろ常考。その辺に落ちてないかもう一度捜すんだな」 #br ---- ※ここから視点人物が変わります ---- #br #br 団活を終え、俺はいつもの如く坂を下っていた。 #br 相変わらず急な坂である。毎日上り下りしているのだから、下りる時に失うエネルギーを翌朝上る時に使えないものかと思ったりもするのだが…………そんなハイブリッドカー的な真似は人間ごときの俺には当然無理であって、ただただエネルギーを消耗するばかりだ。 もしかしたら、長門になら可能かも知れん。いやきっと可能だろう。時には世の物理法則を超越した動きすら見せる彼女には、単なるエネルギー保存則など何でもあるまい。 #br ……そんな馬鹿げた事を考えながら歩いていた俺は、ふと目をやった先に落ちていたノートの表紙に、思わず仰天した。道端に無造作に置かれたそれには、たった今俺の思考に登場した、長門の名前が書かれていたからだ。 #br 「有希ちゃんまとめノート」……? #br #br #br 何だこれは。 #br 長門の落とし物か? #br いや、それはない。持ち物には綺麗な明朝体で「長門有希」と書くのが長門だ。 そもそも、長門が物を落としたり忘れたりする筈が無い。 #br 長門以外の「有希ちゃん」だろうか? #br 確かに、可能性は無くは無い。しかしこのノートの表紙に書かれた文字は、 自らを 「ちゃん」付けで呼ぶ女の子のものとは到底思えない、シンプル な字体をしている。 飾りつけも特になされていない。どちらかといえば、 男性のノートに見える。 #br もしや、長門にファンが居て、そいつが…… #br 大いに有り得る。長門、ああ見えて人気そうだしな。しかしこんなノート をつける など、行き過ぎじゃあないか? ファンを通り越して、ストーカー の域に達している。 #br #br 暫く考えた俺は、このノートについて、早急に長門に伝える事にした。 一番困るのは、ストーカー的な人物の存在である。長門は構わんと言うかも知れんが、俺は嫌だ。許さん。お断りだ。今すぐこのノートを開いて中身を確認してもいいが、拾ったノートを道端でまじまじと見るのは、気恥ずかしい。とりあえず鞄に入れて、長門の所まで持って行こう。 #br #br #br そこから長門のマンションまでは、十分と掛からなかった。到着するや、すぐさま入り口のインターフォンに部屋番号を入力する。呼び鈴が数度鳴り、 #br 「………………」 #br 無言の長門が応える。先に帰っていたらしい。 #br 「俺だ。ちょっと用事があってな」 #br 「………入って」 #br エレベータで7階まで昇り、708号室へ。部屋で待っていた長門は一見いつもの無表情であったが、俺には少々の驚きを内包しているようにも見えた。そりゃそうだろう、ついさっき思い立ったばかりなんだからな。 #br 相変わらず何もない部屋で俺は簡単に事情を説明し、例のノートを鞄から取り出した。 ……そういや、俺もまだ中身を読んでいないんだった。長門も、表紙に自分の名が書かれたこのノートに割と興味があるらしく、顔を寄せてしげしげと眺めている。これが古泉だったら例のセリフを言う所だろうな。「古泉、顔が近い」と。 #br 恐る恐るノートを開き、パラパラめくってみる。 #br 中身は…… #br 長門に関する様々の事で埋め尽くされていた。用語集あり、長門をかたどった顔文字(?)あり、ちょっとした小説のようなお話あり……長門について、かなり詳しく書かれている。 #br #br どう見てもストーカーです。本当にありがとうございました。 #br #br おいおい、誰だ、こんなモノを書いたヤツは。これは由々しき事態でありぞっとしない。 今すぐにでも犯人を引っ張り出して来て、もそもそと苦言を呈してやる。なあ、長門…… #br #br #br あれ? #br 長門はいつもの無表情で――俺の見間違いではない。絶対にだ――そのノートを閉じると、そのままこちらを見た。長門、このノートの事、知ってたのか? #br 「このノートの存在は、今初めて認識した。 ただ、このノートの書き手なら、知っている」 #br な、何だってー! 知っていたのか。驚いたぜ。それで誰だ、長門。こんなモノを書いたのは。 やっぱストーカーか。困っていたなら何時でも頼ってくれれば良かったんだぞ。 #br 「情報統合思念体主流派」 #br 情報なんちゃら……主流派……って、お前の親玉じゃあねえか。とりあえず変なヤツの仕業ではないようだから安心したが、何でまた……? #br 「わたしには理解不能。わたしについて考えることで喜びを得ていると推測される」 #br なるほど、その情報何トカ主流派にも、親心ってものがあるのかも知れんな。どうみても親バカだが……それで、おまえは構わないのか? #br 「……構わない」 #br そうか、本人がそう言うなら、親子の関係に俺が介入する必要はないな。 長門、このノートはどうする? ここに置いておいたら主流派が取りに来るか? それとも俺が元あった場所に返して来ようか? #br 「……わたしが元の場所に返して来る」 #br いや、長門、あの場所へは坂道を登らにゃいかんし、疲れるだろう。俺が行って来るぞ。 #br 「……いい。帰りの下り坂でエネルギーを回復する」 ////////// #setlinebreak(default) #br ----