#navi(SS集)

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* 作品 [#o13635ae]

** 概要 [#pfab79db]

|~作者      |書き込めない人  |
|~作品名    |長門さんと演劇 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2007-05-25 (金) 22:10:41   |

** 登場キャラ [#id44f85d]

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|~キョン    |登場    |
|~キョンの妹|登場  |
|~ハルヒ    |不登場  |
|~みくる    |不登場  |
|~古泉一樹  |不登場 |
|~鶴屋さん  |不登場 |
|~朝倉涼子  |不登場 |
|~喜緑江美里|登場|
|~周防九曜  |不登場   |
|~思念体    |不登場  |
|~天蓋領域  |不登場  |
|~阪中      |不登場|
|~谷口      |不登場|
|~ミヨキチ  |不登場    |
|~佐々木    |不登場  |
|~橘京子    |不登場   |

** SS [#e0b1ee6c]

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#setlinebreak(on)

暦の上ではまだ春だというのに、 
天気予報では夏日となったある休日。 
団長の勅命により本日は迷惑な探索がなくなったので、 
俺は朝から惰眠をむさぼるつもりだった。 
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しかし、そんな俺の目論見は、 
安眠している人間を永眠させんばかりの、 
妹スペシャル大車輪山嵐フライングボディープレスによって、 
あっさりと諦めざるを得なかった…… 
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「ふぇ、ひょんふん〜ひょおふぁふぉふぉふぁひふぁふぁふぃふぉ?」 
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ジャムをふんだんに塗りたくったトーストを食べながら、 
妹が何事かを聞いてきた。 
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「口に物が入ってるのに喋っちゃいけません」 
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「ふぁ〜い。んぐんぐ……んっくん。 
これでいい〜?」 
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「あぁ、いいぞ。で、なんだ?」 
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赤いジャムで口の周りを化粧したまま、 
妹はおそらく先ほどと同じ質問をする。 
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「ねぇ、きょんくん〜きょうはどこかいかないの?」 
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「ん?今日か?別にどこに行くあてもないが……」 
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「じゃあ、ひきこもりだね」 
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「ぶッ!?」 
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おい、それは言いすぎじゃないか? 
というか『引き篭もり』なんて言葉どこで…… 
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「きのうミヨキチがいってたよ。 
『一日中お家の中にいるのは引き篭もりさんよ』だって」 
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おそらく妹は親友の口調を真似たつもりだろうが、 
雰囲気がまったく違うのでイマイチ光景は浮かばない。
それにしても、小学生がする会話なのか? 
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「え〜とだな、『引き篭もり』は毎日家の中にいる人のことだ。 
お兄ちゃんは普段は学校に行ってるだろ?だから違うぞ。 
でも休みの日くらいはだな〜家で1日……」 
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「うだうだうるさいぞ〜、このひきこもりやろう」 
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「!?」 
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「ん?な〜に、きょんくん? 
あたしのかおになんかついてる?」 
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あれ?今のは空耳か? 
物凄く妹によく似た声で、 
思いっきり罵られたような気がするんだが…… 
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「きょんくんつかれてるんだよ」 
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「そ、そうか?」 
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「うん。きばらしにさんぽでもいってきたら、ヒッk……きょんくん♪」 
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あれ!?名前を呼ばれる前に何か聞こえたぞ? 
というか『ヒッキー』って言おうとしなかったか? 
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「しゃっくりだよ〜、ひっく、ひっく……」 
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「そそ、そうだよな…… 
うん、なんか疲れてるみたいだな。 
ちょっと散歩行ってくるわ……」 
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「いってらっさ〜い」
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このまま家にいると、 
さらにとんでもない空耳が聞こえそうだった俺は、 
逃げるように我が家を後にした…… 
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さて、散歩というものは着の身着のままで出来るという点から、 
非常にやりやすい運動といえる。 
しかも今日の様な太陽が輝き、気温も高い日には、 
程よく汗もかくし、帰ってシャワーを浴びれば気持ちよく昼寝が出来るとあって、 
中々の時間つぶしといえるだろう。 
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というわけで、俺は近所の公園をぶらついていた。 
親子連れや、犬の散歩など、休日だけあって多種多様な…… 
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「こんにちは……」 
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「うわ!?」 
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背後から声をかけられて俺は一気に背筋が冷えた。 
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「こんなところで奇遇ね……」 
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「な、長門?」
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俺の背後にいたのは、 
紛れもなく我らが万能宇宙人だった。 
珍しく涼しげなワンピースを着て、 
小さな鞄を持っている……のだが、どうにも様子がおかしい。 
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「今日はいい天気……ね……」 
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そう言ってぎこちなく空を見上げるポーズをする長門。 
何だろう……違和感は感じるのだが、 
前にもこんな長門を一度ならず見たような…… 
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「お日様ぽっかぽかで、気持ちいい、なー……」 
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この棒読みっぷりや、ぎくしゃくっぷりは、 
映画撮影や阪中家のルソーを治してやったときに見たような…… 
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その時、ふと長門の鞄に目をやった俺は、 
異様なものを目撃した。 
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「……」 
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これは俺の3点リーダだ。 
ちなみに長門は今も何やら棒読みで喋っている。 
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「なぁ、長門……」 
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「何だか歌いだしt……なに?」 
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「それ、なんだ?」 
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俺が指差す方……空いた鞄からはみ出ている丸められた薄緑色の冊子を見て、 
長門は小さくこぼした。 
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「……あ」 
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一部隠れていたが、その冊子にははっきりと、 
『台本』と書かれていた…… 
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「これは……」 
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俺に分かる程度に慌てる長門。 
どうやら本人は今まで演技をしていたようだ。 
だが、誰がこの大こn……ちょっと演技が苦手な女の子を 
主演女優にしたのだろう。 
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「また、ハルヒの悪巧みか?」 
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「違う……」 
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「じゃあ、一体だr……」 
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その時、背後から別の声が聞こえてきた…… 
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「あら、長門さんじゃないですか」 
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「!?」 
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その声に今度こそ危機感を感じた俺は、 
勢いよく振り返る。 
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「喜緑さん!?」 
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突如現れた先輩に思わず驚きの声をあげる俺。 
というかなんだかこの人も様子が…… 
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「あらあら、横にいるのは長門有希ちゃんの憧れの男性、 
キョン君じゃありませんか?」 
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「はぁ!?」 
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いきなりの謎の言葉に、 
思考がストライキを決めこもうとする。 
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そんな俺の横で、更に慌てた様子の長門が、 
目の前のおかしなワカメさんに口出しする。 
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「そんなセリフは無かt」 
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「あら?長門さん、なんですか? 
なんだかいつもよりおめかししてるようですけど……」 
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「ち、違う。これはあなたが無理やり……」 
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あくまで学芸会の様な芝居を続ける謎の上級生は、 
更に意味の分からないことを言い出した。 
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「えぇ!?今からキョン君と二人でデートですか!?」 
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「へ!?ちょ、喜緑さん、何を……」 
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「そうですか、今日は夜まで帰らないから、 
部屋の留守番お願いします、ということですね?」 
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「そ、そんなこと言ってn」 
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完全に動揺を隠せない長門。 
そんな無口少女の反応を楽しむように、 
にこやかな生徒会役員は言葉を続けた。 
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「わかりました、どうぞ楽しんできてくださいね……」 
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そう言って、呆然とする俺たちをよそに、 
悠然と喜緑さんは帰っていった…… 
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「……で、今のは何だったんだ?長門」 
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「……」
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俺の質問に困ったように顔を伏せる長門。 
しかし、諦めたように鞄から例の薄緑色の冊子を取り出して、 
俺に差し出し、こう言った。 
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「わからない。ただ、昨日喜緑江美里が……」 
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少し泣きそうな様子で長門が白状したところによると、 
昨夜部屋で一人で晩御飯を食べていると、 
喜緑さんから連絡があったらしい。 
#br
何でも、『明日演劇をしませんか』という内容で、 
何のことか分からないうちに、台本と衣装を渡され、 
先ほど連絡があったとおりに、ここで待っていたそうだ。 
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「彼女は、あなたも演じてくれる、と言った……」 
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上目遣いでそう呟かれても、 
俺としては見に覚えが無いのだが…… 
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「でも、ここに……」 
#br
そう言って、手元の台本を見せる長門。 
その『喜緑江美里プロデュース 楽しい演劇 台本』には、 
何故かしっかりと俺の名前が主演男優の欄に刻印されていた。 
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「……なんで俺が?」 
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「彼女は『泣いて私に出演させてくださいと請いに来ましたよ』と言っていた」 
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何故俺がそんなことをせねばならんのだ。 
というか言いたい放題だな、あの人…… 
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「でも、何故か途中から台本にない事を……」 
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「ちょっとその台本見せてくれないか?」 
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小さく頷いて俺に小冊子を渡す長門。 
それを受け取ってページをめくってみると、 
そこにはごく平凡な日常会話が並んでいるだけだった。 
少なくとも先ほどのおかしなセリフはどこにも無い。 
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#br
そこで俺はようやく確信を持って、 
ある結論に至った。 
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「なぁ、長門……」 
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「なに?」 
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「お前もしかして……」 
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「?」
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怪訝な顔つきで俺のほうを見る長門。 
そんな文学少女に、俺は思い至ったことをそのまま口に出してみた。 
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「喜緑さんに謀られたんじゃないのか?」 
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「!!?」 
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俺の一言に分かりやすくショックを受ける長門。 
というかなんだ? 
お前はその可能性に気付かなかったのか? 
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「まさか……」 
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いや、まさかでなくて。 
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「そんな……」 
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そんなでもない。
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そんな感じで丸々10分ほど、 
長門は呆然としていた…… 
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「まぁ、その、なんだ……」 
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「……?」 
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ようやくショックから立ち直った長門に、 
俺は自分が悪いわけでもないのに、 
罪滅ぼしのようにこう言った。 
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「騙されたとはいえ、せっかくこんな下手な寸劇したんだ。 
どうせなら最後までやらないか?」 
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「最後、まで?」 
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きょとんとする少女に、 
先ほどの上級生の『セリフ』を思い出しながら、 
俺は提案を述べた…… 
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「ほら、デート……とまではいかんだろうが、 
一緒に歩くくらいはしないか? 
飯くらいなら奢ってやるし……」 
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「!!」 
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俺の提案に明らかな喜色の色を見せる長門。 
どうやら『奢り』という言葉に反応したらしい。 
いや、それともまさか…… 
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いやいや、そんな自意識過剰はよくないぞ、俺。 
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「イヤならいいんだが……」 
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「行く」 
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「そ、そうか?じゃあ、どこに食いに……」 
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さっそく希望を聞こうとする俺の言葉を遮って、 
長門はこう答えた。 
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「食事はいい……」 
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「へ?じゃあ、一体……」 
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疑問詞を頭に浮かべる俺に、 
小柄で物静かな少女は少し笑いながら口を開いた。 
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「あなたとデートがしたい……」 
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先ほどのぎこちなさも無く、 
長門ははっきりとそう言った…… 
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結局、その日は二人とも夜遅くに帰ることとなったのはまた別の話。 
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P.S. 
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後日、部室で長門と二人と、 
不意に扉がノックされた。 
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「?開いてますよ?」 
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その俺の答えに呼応するように、 
ドアがゆっくり開くと…… 
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「こんにちは」 
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「!?喜緑さん!?一体何の用で……」 
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「実はこの間の『演劇』の続きの台本が出来まして……」 
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視界の隅であの日のことを思い出して、 
長門が恥ずかしそうに少しだけ俯く。 
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俺も同じ気持ちなので、お引取り願うつもりで答える。 
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「もうそれはご遠慮願いたいんですが……」 
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「あら、そうですか?でも折角ですから目を通すだけでも……」 
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「は、はぁ……」 
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まぁ、それでこの人の気が済むならいいだろう。 
そう思った俺は台本を受け取りページをめくった。 
どうやら長門も興味あるらしく、横から覗いてくる。 
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数分後…… 
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「あ、あの〜喜緑さん?」 
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「はい、なんでしょう?」 
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「これは一体……」 
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長門の顔があり得ないほど赤くなっている。 
おそらく俺も同じだろう。 
なぜならそこには、どこかで見た……いや、体験したような、 
ラブロマンスが綴られていたからだ。 
というかこれ、あの日の…… 
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「ふふ、私言いましたよ? 
この間の『続き』だって……」 
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