#navi(SS集)

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* 作品 [#ge287aaf]

** 概要 [#s1b982b7]

|~作者      |てとろ  |
|~作品名    |こゆき |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2007-01-19 (金) 22:43:37   |

** 登場キャラ [#k135d1d5]

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|~キョン    |不登場    |
|~キョンの妹|不登場  |
|~ハルヒ    |不登場  |
|~みくる    |不登場  |
|~古泉一樹  |不登場 |
|~鶴屋さん  |不登場 |
|~朝倉涼子  |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜  |不登場   |
|~思念体    |不登場  |
|~天蓋領域  |不登場  |
|~阪中      |不登場|
|~谷口      |不登場|
|~ミヨキチ  |不登場    |
|~佐々木    |不登場  |
|~橘京子    |不登場   |

** SS [#ffe66f4c]

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#setlinebreak(on)

1月中旬。
学校からの帰り道。
今日は朝比奈さんは用事があるらしく休みであり、ハルヒと古泉は俺の数歩前を歩いてなにやらコソコソと話をしていた。
ハルヒはときおり後ろを向いては古泉に耳打ちするように話をして、古泉もその度に俺に向かって笑みを飛ばすのであった。
どうせ二人して春合宿を企ててるんだろうから俺は腫れ物を扱うように二人に話かけなかった。

もうひとりのSOS団員兼文芸部員、長門は俺とハルヒたちの間を歩いていた。
珍しく本を読まず、雲ひとつない夕刻の空を見上げていた。
「どうした、長門」
呼ばれてないもう一人の女が俺のことをものすごい勢いで睨んでる気がするが
俺の勘違いだろう。
呼ばれた本人は首を180°回転させて、俺の二つの目を見てたら吸い込まれそうな瞳で見た。
「・・・・・・」
返事を待っていたがこっちを見ただけで言葉は出てこなかった。
まぁもう慣れたさ。
「そういえば雪って見たことあるか?」
ここ数年は降っていなく(俺の記憶だが)長門が三年前に来たというなら見てないだろうなぁ、と思っていたので聞いてみた。
案の定というべきか、長門は首を横に振った。しかし、目線を外して。
そのときの俺はその小さな動作を確認しておきながら認知することはなく独り言のように言った。
「そうなら・・・雪が降るといいな」




次の日。

今日は一日中ハルヒが静かだった。
物理的に静かだったわけだが、どうも危険で殺意のオーラが後ろから漂っている。何に対して不機嫌なのかは知らないが俺に当たらないで欲しい。

本日最後の授業を不真面目に受けていた俺は窓際の特権、グランドの体育観察をしていたのだが
「ん?!」
最初に気がついたのは体育を受けていた男子生徒だった。なにやら空に向かって指をさしている。
晴れ間の出た空から雪が舞っていた。積もりそうにはなかったが、それが逆に冬景色としてきれいに映った。
今日は2番目に部室入りしないといけないな。
ツイてることに団長殿は掃除当番だ、ついに俺にも運を運ぶ女神様が回ってきたか。


部室についたらやはり2番手だったのだが、いつものように窓際に座っている先着の様子がおかしい。
何がおかしいって体が薄く透き通ってる。こころなしか長門の後ろの景色がぼんやりだが見える。
一瞬だが脳裏に消滅する朝倉が浮かんだ。
「おい、長門なんだそれ」
長門は俺が部室に入ってきたときから俺を見ているのだが、質問には答えずに言った。
「雪」
先程まではその雪についてお前と話そうと思ってたのに今はそれどころではない。
焦る俺は窓際まで近づいて長門の消えかかっている両肩を掴んでもう一回言った。

「長門!どうしっ!」

今度は最後まで言えなかった。

どうして?
何かが俺の唇に触れてるから

何が?
おそらくそれは長門の人差し指。。。



しばらくしてから長門が口を開いた。
「雪を降らした。これはその際に生じた障害の代償。だから、5分以内に私は・・・」
俺の口から指を離し、長門は自分の体を見て言った。俺の位置からは長門がどんな表情をしてどんな感情を持って話をしているのか判断できなかった。
けど自分が消滅することを快く受け入れる奴なんていないだろう。それは人間でなくたって一緒だ。
その場で俺が長門の為にできること、ベタだが抱きしめてやった。
そっと抱きしめたのだが長門は嫌がりも抱き返すわけでもなく、ただ立っていた。

沈黙を破ったのは今度も長門だった。
「そろそろ・・・・」
顔を戻し長門の表情を読み取ろうとしたが、そこには悲しさや寂しさといった負の印象はなく逆に少しうれしそうだった。
一般人にはこの表情の違いがわからないだろうが、今の顔が最高にかわいらしかった。

しかし、俺にはわからなかった。
どうして存在がなくなろうとしている時にうれしそうにしているのか。
その答えは次の長門の言葉によってもたらされた。

「元に戻る」


一瞬にして長門は外見上は普通の人間に戻った。
透けてもいない元の長門だ。
俺は驚きのあまり言葉も出ず長門に抱きついたまま固まっていた。

なんですと。
元に戻るんですか。

と、早とちりして恥ずかしさのあまり心の中で何回も復唱していたら、勢い良く部室の扉が開いた。
そこには当然のように残りのメンバーがいたのだが、各々の反応は以下のようであった気がする。あまり覚えてないし思い出したくもない。

「あぁ、お取り込み中でしたか」
余計なことを言うな。しかも、それは誤解だ。
「キョンくん、、学校ではいけないと思いますう」
朝比奈さん。だからそれは誤解だって・・・
「バカキョーン!!」

「だから、ごかいっ!うごっ!!」

それから記憶がないんだが、古泉から聞いた話によると
ハルヒは自分のカバンを俺のあごめがけてアッパーカットよろしく振り上げたらしく、それをまともにくらった俺は窓のふちに頭をぶつけて今まで気絶していたらしい。
頭がずきずき痛むがハルヒに忠告されていたので我慢するしかない。

「今日のことはあれでチャラにしてあげる。けどね次、有希に変なことやったら凄いことが待ってると思いなさい!!」

まぁ今回は俺が勘違いしたのが悪いからな。

「雪は・・・もうやんだか」
保健室から見える空は快晴。

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