#navi(SS集)

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* 作品 [#tf5e8099]

** 概要 [#m9a42646]

|~作者      |Thinks  |
|~作品名    |ふえなが 〜主流派の暴走〜 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2006-07-25 (火) 21:01:24   |

** 登場キャラ [#yc908680]

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|~キョン    |登場    |
|~キョンの妹|不登場  |
|~ハルヒ    |不登場  |
|~みくる    |不登場  |
|~古泉一樹  |不登場 |
|~鶴屋さん  |不登場 |
|~朝倉涼子  |登場 |
|~喜緑江美里|登場|
|~周防九曜  |不登場   |
|~思念体    |不登場  |
|~天蓋領域  |不登場  |
|~阪中      |不登場|
|~谷口      |不登場|
|~ミヨキチ  |不登場    |
|~佐々木    |不登場  |
|~橘京子    |不登場   |

** SS [#v443cdc9]

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#setlinebreak(on)

 それは、いろいろあった直後の、朝からうだるほど暑かった日の事である。

 長門から電話をもらい、今、会いたいとの事だったので、
指定場所の長門のマンションに到着した俺は、前に見た様な光景を見ていた。
 
「朝起きたら、こうなっていた」
「朝起きたら、こうなっていた」
 
 長門が二人になっている。
 
 この間は縮小してたような気がするが、今度は分裂か。これをやったのも、、、。
「情報統合思念体が原因と思われる」
「情報統合思念体が原因と思われる」
 やっぱりか。
 その情報統合思念体ってやつはいったい何なんだ。
「情報統合思念体は、この銀河を統括する情報系の海から発生した、、」
「情報統合思念体は、この銀河を統括する情報系の海から発生した、、」
 わかったわかった。しかし、そんなご大層なものじゃ無いだろう?
 ステレオで言われてみても、俺には長門で遊んでる存在の様にしか思えん。
 正直許せんが、まぁ、良い。俺には情報統合思念体なぞの考えている事は解らん。
 考えるだけ時間の無駄だ。まぁ、もう一度くそったれと伝えといてくれ、二人でな。

 長門たちは不思議そうにお互いを見詰め合ってみたり、顔をぺたぺた触り合ったり、
ほっぺたを引っ張り合ったりしている。
 俺も長門たちも混乱している、この現状を何とかせねばならん。
 まず、二人とも当然ながら、同じ髪型、同じ服、同じ顔に同じ表情、さらに同じ台詞。
 これから何とかならないものか。
「すまん、このままでは俺が混乱する。そうだな、、、おまえはメガネをかけて、
俺に見分けを付けさせてくれ」
 俺はその時に俺から見て右に立っていた長門に注文した。
「了解した」
 右の長門がメガネを(すちゃ)とかけ、わりとあっけなく見分けは付く様になった。
どこから取り出したんだ、それ。
「ま、、まぁ、詳しく聞く前に、俺、朝飯食って無いんだ。なにか食い物はあるか、長門」
 そう言うと二人の長門が同時に立ち上がり冷蔵庫のほうへ向かおうとしたので、
メガネではない長門を引きとめようと思い、
「おまえは良いぞ、長門」
と言ったら二人とも足を止める。やれやれだ。

//////////
 
「これがあった」
 冷蔵庫から長門(メガネ)が持ってきたポッキーを食べようと、
一本取って口に運ぼうとした時、俺を二人が見ているのに気が付いた。
「ああ、すまん。おまえらも腹減ってんだな」
 袋ごと長門たちの方に渡そうとしてみたが、何か寂しそうな顔を向けてきた。
………こう、、か?一本取り出して差し出してみた。
 左の長門が一瞬早くそれを摘んですぐに咥えた。
 ぽりぽりぽり、、。
 あ、わかったわかった、おまえもな。
 右の長門(メガネ)にもう一本取って差し出す。
 ぽりぽりぽりぽり、、。
 この調子が続いた結果、ポッキーはラスト一本となってしまった。
 結局、俺は最初の一本を食っただけだ。
 俺は長門たちの食欲と、その食っている姿に負け、最後の一本も差し出した。
 ほれ、最後だぞ。
 ぱく。
 右の長門(メガネ)がそれを直接咥えてきた。
 そして、左の長門をじーーーーっと見つめている。
 それを見た左の長門は、何を思ったか、
メガネの長門が咥えているポッキーのもう一端を咥えた。
「お、、、おい?」
 俺の視線を知ってか知らずか。
 長門たちは一本のポッキーを咥えてしばらく固まっていたが、
少しづつお互いに齧り始めた。
 そのままじわじわ進んで、、、ついにポッキーゲームの最終目的地点へ、、、。
 
 ちゅ。
 鼻血、噴いた。
 
 
 
「飲んで」
「飲んで」
 鼻にティッシュを突っ込んだ間抜け面で、同時に出てきた二つの湯飲みの茶を
出来るだけ平等にすすりつつ、俺は長門が二人になった理由を考えようとしていたのだが、
どうもさっきの「ちゅ。」とか、直後にお互いが微妙に顎を引いたために、
おでこをこつんとぶつけた光景が頭を過ぎり、
全く思考にならなかったので、素直に直接長門たちに訊いてみることにした。
 まずだな、えーと、右の長門(メガネ)。
 なぜ二人になってしまったのか説明を、だな。今、解っている所から解り易く頼む。
「昨夜、情報統合思念体急進派により、情報収集用インターフェースが作成された」
「情報収集用?」
「そう。わたしには急進派への情報伝達能力が無い。急進派は情報収集用インターフェースを作成し、わたしに直接コンタクトする事によって、強制的に情報収集を行おうとした」
 長門から情報を奪うために、長門のそっくりさんを作っちまったってのか。
「有機生命体に対する、カムフラージュと思われる」
・・・・・・・・・確かにな。長門が長門の部屋に入って行った所で何も問題は無い。
 それで、だ。今度は左の長門。
それじゃなぜ、見た目だけじゃなく全く同じになってしまったのかを教えてくれるか?
「主流派は急進派の行動を事前に察知し、インターフェースの制御を奪うよう、わたしに指示した。わたしは、該当インターフェースの思考プログラムをわたしのプログラムで上書きした」
「そうか、それで二人とも全く一緒、なんだな」
「そう」
「そう」
 ん、まてよ。朝起きたらこうなってた、って言ったよな。おかしくないか?
「この状況は、想定外」
 左の長門が話し始めた。
「わたしは、該当インターフェースの制御を奪った後、情報連結の解除を行った」
 右の長門(メガネ)が付け加える。
「それにより、対象インターフェースは消滅したはずだった。しかし、目を覚ました時、」
「このインターフェースが、隣に、寝ていた」
「このインターフェースが、隣に、寝ていた」
 
 事情は解かった。特に二人が言っている事に差異は無いようだ。
 ああ、もう良いから、その指し合いしている指を下ろして、睨み合うのも止めてくれ。
 なぜかこの長門たちは、お互いをライバル視するような仕草を取り続けている。
 まぁ、突然、俺の前に俺が現れたら俺はどうするかって言うとそうするかも知れんが。
 
 そんな事を考えつつ、二杯の茶を飲み終えた俺に、急転直下の事態が訪れた。
 
 
 ぴんぽーん。

 玄関のチャイムが鳴った。
 メガネじゃない長門がふわっと立ち上がり、インターフォンの所へ歩いていく。
 何かしらインターフォンで喋って、、ドアを開けたようだ。
「おじさま?」
 おじさま?俺には確かに妹がいるけども、ありゃぁまだ娘が出来るような年ではないぞ。
「駄目ですよ、勝手に降りてきては、、、もう大騒ぎなんですよ?」
 そこに現れたのは、SOS団にとっての初めてのお客様、そして謎の生徒会書記。
 喜緑江美里、その人だった。
 いや、誰に言っている?そうツッコもうと思った俺は、
 長門(メガネ)の様子が妙なのに気がついた。
 何かに脅えて、、いや明らかに今入ってきた少女に脅えている。
 なんだ、その、部室に鍵をかけられた朝比奈さんの様なビビリ方は。
 
 俺はいまさら気が付いた。こいつ、長門じゃねぇ。
「てめぇ、、誰だ?」
 その俺の質問に、長門(メガネ)、、、いや、長門もどきは返答しない。
 そのかわり、このくそ暑いのに全くかかないやつが汗をかいている様に見える。
 確実に長門じゃねぇ。
 俺は長門を探すために、立ち上がった。
 すぐに見つかった、玄関に突っ立って俯いている長門に向かって、俺は訊いた。
「長門、長門だよな?」
 長門が淡々と、ゆっくりと、俺を上目で見ながら答えた。
「そう、わたしは、長門有希」
 言い終わると、ふっと首を上げ、俺の目を見てこう続けた。
「あなたを、守る」
 その瞬間。
 長門は俺を見つめたまま高速詠唱を開始し、俺の目の前に移動して、左手を上げた。
 その先にあったのは、メガネをかけ、目の色を変えた長門もどきの爪先だった。
「あなた、ここは危険になるわよ。それでもここにいるの?」
 爪先を止めたのは長門だけではなかった。長い蒼髪、整った顔立ち、そして太い眉。
「………朝倉!」
 まぎれも無く、朝倉涼子だ。俺を刺しやがった女の登場に、背筋に冷たい物が走る。
「お久しぶり。あたしは、涼宮さんとお幸せに、って言ったはずだけどなぁ?」
……余計なお世話だ。
「ふふっ、そう。でもね、ここは本当に危険な場所になる。怪我したくなかったら、
江美里と一緒に外で待ってて。あの子はここじゃ役に立たないの。、、、あなたもね」
 何が始まるんだか少し、いや、相当興味はあるが、、、明らかにバトル、だよな?
「そう。あなたには、見せたくない」
 長門が、長門もどきの踝を左手で固定したまま、言った。
「そう言うわけです、外で待っていましょうか?」
 喜緑が、いつの間にか隣にいて、俺に呼びかけた。

 その時、長門もどきが二人がかりで掴まれていた右足を輝かせ、一瞬、消した。
 その右足は、呪縛を離れ、間合いを取ったと思うとまた、一瞬で元に戻っている。
 三人の宇宙人に睨まれていると言うのに、戦闘体勢を解く様子は、全く無い。
 何物だ、あいつ。
「あの状況で、部分的に情報解除と再構成をするなんて、やっぱりすごいわね」
 喜緑が、ぼそ、、っと呟いた。緊張が、走る。
「あ、でも、全然問題無いと思います♪」
 ひと指し指を立てての発言に、せっかく走らせた緊張は空の彼方へ離陸してしまった。
 
「主流派、パパス!あんたは、規約を犯し、自ら作成したインターフェースの下に降り立ったばかりで無く、その制御をも奪った。その際、使用したインターフェースの処分を、今から行うわ。」
 突然、笑顔を嗤い顔に変えた朝倉が長門もどきを指差して、罪状の様な台詞を述べた。
 長門がそれに続き、判決を読み上げる。
「コードネーム、パパスを敵性と判定。当該対象の、情報連結の解除を申請する」
「急進派所属、朝倉涼子!」
 朝倉の手から、不気味に光るかつて見た物が飛び出ている。
「………主流派所属、長門有希………」
 長門から大きくオーラが噴出している、様に見える。
「穏健派所属、喜緑江美里ぃ!」
 なんか、傍から見てるだけなのに楽しそうだな、こいつ。
「情報統合思念体主流派、パパス。たった今、申請が受理されたわ。、、、いくわよ!」
 朝倉と長門が、長門もどきに襲いかかった。
 
 俺はそのまま、黄緑に襟首を引っ張られて部屋の外に連れ出された。
 ちくしょう、これは続きが見たかった、、、。ただでは済まんかも知れんが、、、。
 いや、あのままだと、もどきとは言え長門がサラサラと消えていく所を見る事になるか。
 それは勘弁してもらいたい。朝倉、せめて楽に消してやってくれ。
 気持ちは解からんでもないがな。
 
 刑執行の待ち時間、部屋の前で少し話を聞く事になった。
「びっくりしました?」
 そりゃそう、、でしょ?
「もう一人の長門さん、見たいな人、は、情報統合思念体主流派が制御していたんです。
その制御しているインターフェースを使って、自らの欲望、あ、そうですね。」
 喜緑江美里は「解る様に言わなきゃね?」と言わんばかりの顔で、
「好きな事やりたくなってやっちゃった、って言う事なんですよ。」
 解りやすく一行でまとめてくれた。そう言うわけで、制裁を受けている、、んだな。
「いくら主流派とは言っても、勝手な行動は許されませんから。あ、そろそろ、ですね。」
 喜緑が腕時計を見ながら言った。
「お昼、取ってきますね♪」
 喜緑江美里が何かを持って帰ってくると同時に、708号室のドアは再び開いて、
俺は朝倉の笑顔と長門の無表情と共に、中に引き入れられた。
 
 で、何だこの鍋は。
「どうせだから、一緒にお昼たべないかなぁ、って思って」
 朝倉が、屈託の無い笑顔でそう言いながら土鍋の蓋を開けると、
いい色になったおでんがほこほこと湯気を上げ始めた。
 このくそ暑いのにか。俺は今まで表にいたんだぞ。
っていうかおまえらの主食はキャラに対して一種類だけなのか。
「食べたくないのなら、食べなくても良いわよ?あたしのお手製なんだけどなぁ?」
 すまん、いただく事にする。
 そのおでんは、、、正直めちゃくちゃウマかった。あの味を覚えている俺には懐かしくもある。
 目の前に宇宙人が三人もいて、その中でおでん食ってる俺って、いったい何なんだろうか。
 などとも思いつつ、もう俺は、ひたすら食う事に徹する。
 後に流れているのは三人の会話だ、俺の知ったこっちゃ無い。
 
 
「そうだよねぇ、やっぱり主流派って独断専行、っていうか、わがままだよね?」
「……迷惑をかけている、と思う」
「いえいえ、有希ちゃんが悪いんじゃないですよ?」
「………」
「何黙ってんの、有希?もっと食べてよ、有希らしくないなぁ」
「……責任を感じる」
「何言ってるのよ?いつぞかとっちめてやるって言ってたの有希じゃない」
「…それは言わない約束…」
「あは、大丈夫ですよ、しばらくは大人しくしているでしょう」
「そうそう。有希のビンタが相当効いてたみたいだしね〜♪」
「……あれは卑怯」
「そうそう、有希を直接制御するなんてね。それで、やったことがポッキーゲームなんて、、、」
「うん、、、やっぱりちょっと迷惑ですかねぇ」
「……ちょっと、じゃない」
「しかも、よりによって有希ちゃんと一緒の格好で、だもんね。」
「……あのインターフェースは、急進派が」
「え、、で、でも、あたしは何も口出ししてないし。あんな悪趣味な事しないわ」
「………」
「………」
「な、、何が言いたいの!」
「何も」
「何も」
 
 
 あの、俺、ここにいて良いんですか?で、何で呼ばれたんですか?
 
 
                          会話は続くかもしれないけれども、おわり。

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