#navi(SS集)

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* 作品 [#n7af2bc6]

** 概要 [#caacf469]

|~作者      |書き込めない人  |
|~作品名    |長門さんとカレー |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2006-09-01 (金) 18:23:26   |

** 登場キャラ [#u16404fe]

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|~キョン    |登場    |
|~キョンの妹|不登場  |
|~ハルヒ    |登場  |
|~みくる    |不登場  |
|~古泉一樹  |不登場 |
|~鶴屋さん  |不登場 |
|~朝倉涼子  |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜  |不登場   |
|~思念体    |不登場  |
|~天蓋領域  |不登場  |
|~阪中      |不登場|
|~谷口      |不登場|
|~ミヨキチ  |不登場    |
|~佐々木    |不登場  |
|~橘京子    |不登場   |

** SS [#z1516a7a]

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#setlinebreak(on)

「カレーが食べたい」
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長門がそう言ったから今日はカレー記念日……じゃなくて、
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「何だって?」
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「カレーライスが食べたい」
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言い直さなくてもカレーくらいは分かるぞ長門。
俺が聞きたいのは名詞ではなく動機だ。
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「カレーは、この国では一般にカレーライスの略称として……」
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「わかったわかった……とりあえずカレーが食いたいんだな?」
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このまま放っておくとカレーの起源から種類、調理法まで語られそうだ。
カレーは好きだが、そこまでカレーに身を投じる気はないぞ。
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「そう……」
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なんだか嬉しそうな長門。
食べ物を目の前にして嬉しそうになるなんて赤ん坊かお前は……ってまだ3歳か。
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「とりあえず、ハルヒに言ってるみるか。
あいつなら放課後にカレーパーティでも……」
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そう考えてる俺の襟を誰かがつかんだ。
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「私は 今 食べたい」
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ちょっと長門さん?
苦しいんですが……それに今はまだ放課後始まってすぐですよ?
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「な、長門……まだ夕飯には早いぞ?」
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「いい。おやつ」
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おやつにカレーってどこのフードファイターだお前は。
おやつの時間に主食を食べるんじゃありません!!
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「そうは言ってもな、長門。今からカレーを食いに行ったら今日はサボり扱いになっちまう。
そうするとお前には被害がないだろうが、俺は明日一日中ハルヒの暴力に耐えねばならなくなる。
それに放課後まで我慢したら連れてってやるから、わがまま言うんじゃ……」
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ふと気がつくと長門がじーっとこちらを見ている。
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「わがまま言うんじゃ……」
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上目遣いでこちらを見上げている。
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「わがまま……」
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そんな少し潤んだ瞳で上目遣いに見つめられると俺としては……
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「ダメ……?」
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俺たちは今、カレーの材料を買うために電車に乗っている。
あんな目であんなこと言われて篭絡しない男子がいようか、いやいない。
ちなみに最初は長門の家にそのまま向かえばいいかと思っていたが、
あの部屋にはレトルトカレーとキャベツしかないと自信満々に言う長門を見て、
一度こいつに手料理を食わせねばと思った俺は間違ってないはずだ。
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目的地に着きスーパーに入った俺は、とりあえず買うべき物を探した。
じゃがいも、にんじん、たまねぎ……たまねぎってこんな高かったっけ?
俺が天候不順による野菜の高騰を嘆いていると、長門がとてとてと何かを持ってきた。
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「これ……」
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「長門……お前これ……」
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「これがあると簡単にカレーができる……」
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あぁ……そうだろうな……それがあればあっという間にカレーができるな……
でもな……
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「それレトルトじゃねーか!」
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長門さん……料理する気ないんですか……
何のためにここに来たんですか……
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「そう……」
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いや、お前がそれでいいならそれでいいんだが……
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「じゃあ、かごに入れて」
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はいはい……
俺の手作りは食べたくないんですか、そうですか。
まぁ俺もその方が楽なんだけど……
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そうため息をつく俺の声に長門が反応した。
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「手作り……?」
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あぁそうだよ。そうじゃなきゃこんなトコ来ないよ。
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「もしかして……あなたが?」
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まぁ中学の家庭科で作ったことあるしな。
そこそこ出切るだろ。けどレトルトの方がうまそうだし、それで……
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俺が言い終える前に長門はレトルトカレーを元の場所に戻していた。
あれ?レトルトの方がいいんじゃなかったのか?
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「あなたの手作りの方がいい」
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まぁ作るのは俺だから別に構わないけどな……
まぁ期待に添えれるかどうか知らんが、頑張ることにしよう。
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さて……ここで問題が1つある。
一体何カレーを作ればいいかという問題だ。
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「なぁ長門……」
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ここは本人に聞いてみるのが一番だ。
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「お前は何カレーがいいんだ?」
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「くm」
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「先に言っておくが、肉は牛か豚か鶏しかないぞ。猪も蛙も勘弁だ」
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なにやら黙り込む長門。『くま』とか聞こえたけど気のせいだよな?
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「今はやりのスープカレーか?それとも焼きカレーか?」
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「焼きカレーは器がない。スープカレーは……邪道」
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まぁ俺も作れないと思うが……
ってスープカレー邪道なのか?北海道の人が怒るぞ?
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「普通のビーフカレーでいい。でももし作れるならくm」
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「わかった普通のビーフカレーだな」
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続きを聞くと大変なことになりそうな気がするので、
先に決めてしまう。『くま』とか聞こえてないぞ。
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しかし、材料もこれで合ってるのか分からない……
なんせ中学の家庭科の授業以来作ってないからな〜
その家庭科の授業も国木田の意外な料理センスくらいしか覚えが……
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……そうだ!国木田に聞けばいいじゃねーか!
そう思った俺は携帯を取り出し国木田に電話を掛ける。
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『もしもし?キョンどうしたの?』
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「国木田か。いま大丈夫か?」
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『大丈夫。丁度一人になったトコ』
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「何だ……誰かいたのか?」
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『うん、まぁね。そういえば涼宮さんがさっきキョンのこと探してたよ』
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何ですとー!!?いつの間にか俺に死亡フラグが立ってたなんて……
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『大丈夫。うまくごまかしといたから』
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ありがとう心の友よ。今度ジュース奢ってやるぞ。
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『ははは、ありがとう。ところで何の用だい?』
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「あぁ実は……え〜と、そう、妹がカレーが食いたいって言い出してな」
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『へ〜』
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「それでカレーを作ってやろうと思ったんだが、なにぶん普段料理しないから
材料や手順が分からん」
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『カレーくらいは料理できないとダメだよ?キョン』
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「あぁ……それは今後の課題としておくから、とりあえず今は俺にご教授願えんか?」
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『いいよ』
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どうみても心の友です。ほんとうにありがとうございます。
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『それでどんなのを作るんだい?』
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「いや、普通のカレーを作ろうと思ってるんだが……」
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『肉は?長門さんは何肉がいいって言ってるの』
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「あぁ長門はビーフカレーがいいらし……え?」
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『やっぱり長門さんと一緒か〜』
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……この野郎。何で分かった?
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『涼宮さんが長門さんもいないって言ってたからね。カマかけさせてもらったよ。
妹ちゃんに作るってのは嘘かい?』
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「……あぁそうだ。すまんな。特にいい言い訳が浮かばなかった。」
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『まぁキョンの嘘はすぐわかるからね。これでも中学からの付き合いだし。
あぁビーフカレーの材料と作り方だね。え〜とキョンでもできるものなら……』
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国木田のアドバイスを必死に心の中でメモリながら、俺は思った。
やっぱり持つべきものは友達だな……
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『とりあえず、ざっとこんな所じゃない?』
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「あぁありがとな。今度ジュース5本くらい奢ってやるよ」
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『ははっ、ありがとう。また分からないところがあれば聞いてよ』
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「分かった。じゃあな」
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『うん。ごゆっくり』
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一言多い……が、まぁいい。
材料もそろったし、あとは長門の部屋で料理するだけだな。
当の本人はさっきからキャベツコーナーをチラチラ見てるが……
サラダの作り方も国木田に教えてもらったから大丈夫だぞ長門。
ていうかこれ以上キャベツいらないぞ。
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材料を買い込んだ俺たちは長門の部屋に向かった。
この角を曲がってまっすぐ行けば長門のマンションだ。
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「待って」
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どうした長門?もうすぐ着くぞ?早く食いたいんじゃなかったのか?
疑問符を頭の上に並べる俺をよそに長門はただ一言だけ言った。
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「先に行く……15分くらい待ってて……」
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一体なんだ?先に行って部屋の掃除でもするのか?
あの部屋なら掃除しなくてもよさそうだが……
まさか秘密のポエム帳!?……ありえんな。
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俺がそんなことを考えていると長門はさっさと行ってしまった。
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「おい、長門……」
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「ちょっと有希!?どこ行ってたのよ!!?」
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反射的に身を隠す。
何故だ!何故奴がここにいる!?
その声を俺が聞き間違えるわけがない。
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  涼  宮  ハ  ル  ヒ
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こっそり覗くとマンションの前にハルヒと長門と朝比奈さんがいた。
古泉がいないのは多分例のバイトだろう。いつもすまんな古泉。
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「何で今日SOS団の会議に出席しなかったの?」
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そんなもんあったのか?相変わらず事後告知なのはどうにかならんのか。
二人はしばらく口論していた……といっても騒いでいたのはハルヒだけだったが。
おろおろしている朝比奈さんが不憫で仕方ない。
やがて長門がハルヒに何か耳打ちするとハルヒが突然おとなしくなった。
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「そ、それは……仕方ないわね。でも今度からはちゃんと言ってよね!」
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そういってハルヒは朝比奈さんを連れて帰っていった。
長門の手招きに応じて俺はこっそりと身を出す。
一体どんな魔法を使ったんだ?俺に教えてくれないか?
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「あなたでは通用しない。教えても無意味」
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そうですか。
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紆余曲折を経て今俺は長門の部屋の台所に立っている。
料理なんて久しぶりだが長門のために頑張れ俺!
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で、当の長門はどこかって?
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長門なら米を6合程といで炊飯器のスイッチを押したあと、
スプーンと皿を用意してコタツに座っている。
スプーン片手にヨダレをたらしそうになっているが、見えないフリをしてくれ。
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「こんなもんか……あとはコトコトするまで待つだけだな」
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「できた?」
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うおっ、ながとっ!?
一体いつの間に後ろに……
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「あぁもう少しだ」
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「そう……」
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待ちきれないって顔してるな……実際もうご飯入れちゃってるしな。
あと、俺の皿にはそんなにご飯入れなくていいぞ?
塔みたいじゃねーか。
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「よ〜しできた。お〜い長門」
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「了解」
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ちょっ、いつの間に鍋の前に!?
それ能力の無駄遣いじゃないですか?
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……まぁこの幸せそうな長門の顔が見れたら俺の苦労も報われるか……
たまねぎが目に染みたり、包丁で指切ったり、鍋で少し火傷したり……
あれ?笑顔一つじゃ足りないんじゃないか?
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「どうしたの?」
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長門が下からのぞき見る。
正直たまりません。
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「あなたの分も……」
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そういって長門は俺の皿を持ってカレーを入れる。
長門さん……ご飯はそれで充分です。というか自分で入れます。
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「そう……」
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心なしか残念そうな長門。
しかし、お前のカレーマウンテンみたいにされると困る。
一体お前の胃袋はどうなってるんだ?
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そして今コタツの上にはカレーライスとカレーマウンテンがある。
サラダもちゃんと作ったしな。
もちろんキャベツ以外の野菜たっぷりだ。
あとは食うだけだ。後片付けは……長門に任せよう。
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「じゃあいただきま……」
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「待って」
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何だ、長門?
俺はもう腹ペコだぞ?料理ってのは意外と疲れるんだぞ?
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「足りない……」
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足りないって何が?量か?
ご飯もルーもまだ残ってるぞ?
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「違う……」
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長門は少し怒ったように言う。
なんでもいいから早く食べたいんだが……
そんな俺をよそに長門は俺の疑問に答えてくれた。
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「福神漬けがない……」
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へ?
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「福神漬けがないとカレーとはいえない。」
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あ〜そういえば俺も国木田も福神漬けはあまり好きじゃないからな。
すっかり材料から外しちまってた。
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「どうして?」
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いや、だから福神漬け入れる習慣が俺には……
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「どうして福神漬けがないの?」
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あの、だから……
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「どうして福神漬けがないの?どうシて福神漬けがなイの?」
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長門さん?目が怖いです……オーラも怖いですよ?
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「どウしてふクじんづケがなイの?どうしテ買っテきてナいの?
どうシて冷ゾう庫カら出さナかッたの?」
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な、長門?わかったから落ち着いてくれ。
福神漬けもってきてやるから、な?
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「そう……」
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どうやら長門は落ち着いたようだ……
俺は急いで冷蔵庫を探す。あった!これだ!
なかったら真剣にどうしようかと思ったぜ。
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俺は長門の皿に福神漬けをたっぷり乗せた。
俺の皿にはなくていいんだぞ?お前が好きなだけ食え。
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「ありがとう。もしこれがなかったらまた世界改……なんでもない」
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さらっと世界の危機!?
俺は今かなりの修羅場をくぐっていたらしい。
たく……俺ここの所、割に合わないことばっかやってるな。
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そう愚痴りたくもなったが、目の前で
キラキラした目をした長門の顔を見ればどうでも良くなった。
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「じゃあ、食うか」
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「食う」
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「「いただきます!!」」
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……カレーの出来栄えはどうだったかって?
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……まぁ月並みだけど、今まで食った中で一番うまいカレーだったのは言うまでもないだろ……
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オマケ
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まさか有希が『あの日』だったとは……
それじゃあ休んでも仕方ないわね。
別にキョンといたわけじゃなさそうだし。
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それにしてもキョンは何でサボってんのかしら?
罰金よ罰金!!
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っと、忘れるところだった。
国木田につけた盗聴器の録音回収しなきゃ。
あいつ『キョンと有希がいない』って言ったら一瞬考え込んでたからね。
多分キョンの場所を知ってるんでしょ?
まぁずいぶん信憑性のある言い訳してたけど……私は騙せないからね!
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さてさて……録音再生っと。
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……何よこれ、阪中とのノロケばっかりじゃない…
聞くの止めようかしら…あっ、一人になったようね!
さぁキョンの所に行きなさい……どうせ居場所知ってるんでしょ?
……あら、電話?ったくこんなときに……放って置きなさいよ!!
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……えっ、今『キョン』って言った?
キョンとの電話?それならそうと言ってよ!内容ばっちり聞かせてもらうわよ〜♪
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