#navi(SS集)

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* 作品 [#x4bae176]

** 概要 [#za1b5dec]

|~作者      |Thinks  |
|~作品名    |キョンの動揺 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2006-08-16 (水) 00:39:19   |

** 登場キャラ [#vf6f2dd7]

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|~キョン    |登場    |
|~キョンの妹|不登場  |
|~ハルヒ    |不登場  |
|~みくる    |不登場  |
|~古泉一樹  |不登場 |
|~鶴屋さん  |不登場 |
|~朝倉涼子  |不登場 |
|~喜緑江美里|不登場|
|~周防九曜  |不登場   |
|~思念体    |不登場  |
|~天蓋領域  |不登場  |
|~阪中      |不登場|
|~谷口      |不登場|
|~ミヨキチ  |不登場    |
|~佐々木    |不登場  |
|~橘京子    |不登場   |

** SS [#ncf536a2]

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#setlinebreak(on)

 最初からなんなんだがなぁ。
 この状況を誰か解明してもらえないだろうか。いや、説明は俺がする。
 どう言う状況なのかと言うと、
 長門が俺の胸を枕にして寝息を立てているんだ、これが。
 
 いや、他人を頼るべきではないよな。では、すごく顔が近い長門有希さん。
 説明していただけますか?
 
 「くー……すー……むにゅ…」
 
 何属性な方でも喜べそうなお答え、ありがとうございましたぁ、、、。
 って、ちがうっ!
 とにかく思い出せ、俺。ここはどこだ。
 
 とある山の中の、鶏飯みたいな名前の街のホテルじゃないかい?
 
 そう、そうなのだ。俺はこの街に、長門に連れられてきたんだった。
 では、なぜ決して怪しいホテルではないこのホテルに泊まっているのか?
 
 今、ほんとに目の前にいるお方が、我侭言ったから、だろ。
 
 ああ、そうだ、そうだった。ようやく思い出したが、現状は現状のまま、だな。
 どうせこのままじゃ眠れないんだ。回想でもしていよう。
 左肩に長門がいるから、腕時計が見られない。ベッドの横にあった時計を見てみようか。
 
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 時計が合ってればの話だが、昨日の朝のことになる。
 長門が朝から、携帯に電話をくれたんだ。
 時計は七時前を指していたが、俺は喜んでその電話を取ったさ。そしたら、だな、
「付いて来て欲しいところがある」
 なんてことを言うんだ。「そりゃまた、何処へ」と訊く俺に、
「後で、教える」
 なんてことを言って焦らしてくれる長門に、ちょっと期待したね、俺は。
 待ち合わせ場所の公園に着いたら、いきなり封筒を渡してくる長門。
 これはお手紙ですか?やっぱり期待して良いのか?と思ったら、
 中から出てきたのは、今、俺らがいる街への切符だった。
「国立図書館関西館に付いて来てもらう」
 なんだ、図書館か、って強制かい!国立図書館?それは首都にあるんじゃないのか。
「関西館。K府。行きたい」
「いつもの図書館じゃだめなのか?」
「だめ。一部蔵書は開架されている。あなたも、もっと本を読むべき」
 そう言うと長門は、えらく積極的なことに俺の手を握り、駅まで連行し始めたわけだ。
 正確に言うと、手ではなく袖なので、駅に着くころには左右の長さが変わってたんだけどな。
 
 そんなこんなで電車を乗り継いで二時間弱。ぴったり開館時間に到着したわけだ。
 電車の中でも、長門はネットで検索したらしい蔵書リストをじーっと読んでた。楽しいのかね?
 
 グラスカーテンに覆われたその建物は、傍見にはどう見ても図書館って雰囲気じゃなかったが、
カードを作らないと中に入れないってことで、逢瀬のままに作って入ってみたら、
図書館以外の何物でもなかったね。地下にある書庫では、ロボットが本を出してくる。そんな規模の図書館だ。
 長門はそのロボットをしげしげと眺めていたなぁ。
 閲覧室でひたすら難しそうな洋書に目を通す長門。何の本なんだそれは?と訊いてみた。
「結晶学」
 けっしょうがく?
「結晶の特徴、物理的、光学的な性質等を研究すること」
 長門は水の結晶、、、即ちそれは雪のことなんだが、それを徹底的に調べているようであった。
 俺には全く意味が解らん上に、長門には悪いが興味も湧かない始末で、適当な雑誌を持ってきて隣の席で読むことにした。特に面白い雑誌もないんだがな。
 ところで、電話帳がごっそりと並んでいるんだが、これは何か意味があるのか?
 
 長門はその後も、CD−ROM検索やらオンライン検索やらも駆使して、情報をひたすら溜め込んでいる。
 何冊かの本を机に並べ、無表情ながらも夢中の感が伺えるのが、俺も付いて来て良かったかなと思うところであった。
 めっちゃくちゃ暇だったけどな。
 
 そんなこんなで閉館時間直前となり、俺は長門に一言かけてみた。
「おい、長門。もう閉まっちまうぜ、ここ」
「………」
「、、、長門?」
「……いや」
……いや、って、おい。無茶を言うなよ。
 そんなことを言ってもだな、貸し出しをしてくれる図書館でもないんだぞ、ここは。
「……帰りたくない」
 我侭炸裂状態の長門だった。ここで寝るつもりですか。
「本望」
 おいおい。
 ぶ厚い本の山を目の前に、梃子でも動きませんよ、と言わんばかりに俺の顔を見つめてた。
 んじゃ、また明日来れば良いじゃないか。また付き合うぜ?
「……いや。できるだけ、この子たちから近いところでの宿泊を希望する」
 この子って、、、。
 
 いくら本が好きって言っても限度というものがある訳で、
何ぼなんでも我侭が過ぎるぞと説教モードに入ろうとしたんだが、本の背表紙をなでなでしはじめた長門を見るに当たって、俺は観念した。
「解った解った。じゃぁ、その本の山。明日、すぐに見られるように取り置きしてもらおう」
 そんなわけで俺は、返却カウンターで、翌日、長門が即見られるように取り置きサービスを頼んだんだった。
 司書さんが唖然としていた事は、思い出しちまったが、今すぐに忘れよう。
 それでもまだ後ろ髪惹かれがちな長門を、今度は俺が引っ張って、何とか一番近くのホテルに連れて行き、チェックインしようかと思ったら、
「あいにく、本日はダブルルームしか空きがありませんが、如何いたしましょうか」
 なんってな事を言われて、それじゃしょうがないから帰るか、と言おうと思って長門のほうを見たら、今まで見たことが無いほど大きく頷いて、
「いっしょで、いい」
 そんなことを言ってがま口を差し出してきたわけで。
 
 そんなこんなで二人で一部屋に泊まることになって、
しかし、まぁ、わりと気疲れしていた俺は、こんなシチュエーションなのに先に眠っちまって、、、
 
 
 夜中に目が覚めたらこんな状況、ってことか。
 
 回想長げぇよ。やれやれだ。
 
 いやいや、いま、竦める肩は無い。
 なにせ俺の予想をはるかに超える愛を本に注ぐ、長門有希様専用枕になっているのだからな。
 はるかってどれくらいだよといわれりゃ多分、オリオン座のM78星雲あたりだろう。
 春の香りで春香ちゃんではないぞ、遙かだからな。
 いかん、マンガばっかり読んでるのがばれる、でも名作なんだ、いや、そうでなくて!
 いいかげんに起きてくれませんか、長門姫。俺はもう、この状況でじっとしてられませんよ、、。
 
--------------
 
 この際だ、じっくり観察してみようじゃないか!もう自棄だ。
 まず、俺は昼に着てた私服のまま、って、ほんとにどうでも良いわ。
 いい加減アップになっている長門の顔。あいも変わらず可愛らしいことで、、、。
 寝顔は見たこと無かったが、こりゃ絶品だ。
 唇を伸ばせば届きそうな距離で寝息を立てている長門の顔から、ちょっと向こう側。
 肩口を見ると、、、それはブラ、、いや、下着の肩ひもですか。
 その形状からしてスポーツタイプですね。いやいや、想像どお、、落ち着け、俺。
 では、少し布団を上げてみます、、か、、、。
 あわっ、上も下も下着姿ですか。寝るときは下着なのですか。正直、たまりません。
 敬語になってしまうところは許して欲しいのですよ。
 それにしても、、、青いラインの入ったスポーツタイプ、、、、、、、
 
「ん……」
 
 おわぁっ!
 向こうのほうを凝視していて気が付かなかったが、いつの間にか長門が目を開いていた、、、!
 ……何とか声には出なかったが、枕が相当揺れたかもしれん。
 二十歳にもなってないのに、生涯最大のピンチを迎えたか、俺。
 
「………ふみゅ……くー…」
 
 良かった、、、眠ってくれたか、、。
 いかんいかん。俺は、この無防備で、かつ実年齢四歳の宇宙人に何をしてるんだっ!
 俺は、この娘を守ろうと思ってるんだ、その俺が何をしようとした!
 白鳥座にあるペリカン星雲ってくらい理由が解らんことを考えていたな、だめだぞ、俺。
 寝ろ!!寝るんだ。その、肩の感触を味わいつつ幸せに寝るんだ!
 
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 一睡もできるわけ、無いよな。
 結局、七時半位だったかな。長門が目を覚ましたのは。
 
 俺は六時間ほど、天使と悪魔を戦わせてたんだが、
最後のほうは行列的と言うか母体的と言うか、まぁ、敵は多かったな。
 なんで俺のベッドに入ってきたのかと訊いてみたら、
「比較的、気持ち良さそうだった」
との長門の回答を得る俺であった。
 そうか、で、どうだったよ、俺の枕、、、。
 
 なんとなしに訊いたことだったんだが、長門はこう答えた。
 
「とても……幸せ……だった」
 
 ああ、俺は耐えたよ。最後まで、な。耐えた、と言うか、絶えた。
 
 またガラス張りの入り口をくぐり、昨日、取り置きしてもらってた山のような本を抱えて、やっとこさ座った閲覧室の机で、昨日と同じく本に夢中な長門。
 俺は本を読もうって気にはならんぞ、今日は。
 左肩の辺りに残った感触で、気が散ってしょうがないからな。
 
 俺は改めて思ったさ。
  
 こいつにはおイタできねぇ、って、ね。
 
 
                               って、俺、おイタしてた!すまん!
 
 
Sprecial Thanks to 長門有希に萌えるスレ37 >>237>>240>>241

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