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#navi(SS集) #br * 作品 [#o75c49dc] ** 概要 [#vb508e03] |~作者 |De lorean | |~作品名 |続・長門書店 | |~カテゴリー|長門SS(一般)| |~保管日 |2006-08-07 (月) 16:50:13 | ** 登場キャラ [#j367cb12] ////////// |~キョン |登場 | |~キョンの妹|不登場 | |~ハルヒ |不登場 | |~みくる |登場 | |~古泉一樹 |不登場 | |~鶴屋さん |不登場 | |~朝倉涼子 |不登場 | |~喜緑江美里|不登場| |~周防九曜 |不登場 | |~思念体 |不登場 | |~天蓋領域 |不登場 | |~阪中 |不登場| |~谷口 |不登場| |~ミヨキチ |不登場 | |~佐々木 |不登場 | |~橘京子 |不登場 | ** SS [#o97586b1] ////////// #br #setlinebreak(on) #br #br #br えーと、このあたりでよかったのかなぁ・・・。 あの通りから、一本入った裏路地だって、キョン君言ってたけど・・・。 #br ・・・あぁ。 #br 「長門さぁーん。」 「・・・・・(顔をこちらに向ける)」 「こ、こんにちは。」 「・・・・・(わずかにうなずく)」 「よかったあ・・・迷子になったかと思いました・・・。 すごぉい・・・立派なお店ですね。」 「・・・・・・・・・・」 「・・・えーと・・・」 #br とってもおしゃれなおうちでした。長門書店って書かれた看板がかかってます。 私の時代にも、クラシカルな物を愛好する文化があるけれど、 このお店は形だけじゃなくって、本当に歴史があるんだろうなぁ。 きっと、ずっとむかしから、この場所にあったんだぁ・・・。 #br 「・・・・・・・・・・」 「・・・えーと、えーと・・・」 #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br 「お、お天気がいい、ですね!」 「そう。」 「あ、暑くて暑くて・・・なんだか、ふわーって、なりませんか?」 「別に。」 「そ、そうなんですかぁー。長門さんは、暑いのは平気なんですねー。」 「・・・・・」 「で、でも、こんな日に、こんなふうに日陰で読書するのも、気持ちいいですよね!」 「・・・・・(うなずく)」 「・・・えーと・・・」 #br そ、そうだっ! 用件を、言わなきゃ。ちゃんと・・・。 お、落ち着いて・・・みくる、落ち着きなさい・・・よ、よおし・・・。 #br 「あ、あのっ! 長門さんっ!」 「何?」 「き、きょう、このお店を、訪ねたのは・・・ですね・・・」 「・・・・・」 「・・・えーと・・・えーと・・・」 #br ・・・だ、大丈夫だよー。みくる、怖くないよ、怖くなーい・・・! #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br 「ほ、本を、探してるんです!」 #br 「・・・・・・・・・・」 #br ふえっ? #br 「・・・・・・・・・・(じっと見つめる)」 #br ふええっ! ど、どうしてそんなに、み、見つめるんですかぁ! わわ、わたしなにかわるいこと、い、いっちゃったんですかぁ? ・・・わわわるいことを・・・どうし、どうしよ・・・ #br 「・・・・・わかった。」 #br ・・・えっ? #br 「待ってて。」 #br ・・・・・・・・・・ #br ・・・ふぅ〜ぅ・・・(涙) #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br お店の中もすごい・・・。 本棚が奥までずらーっと並んでて・・・本がぎっしりと置いてあります。 あ、長門さん戻ってきた・・・。 #br 「これ。」 #br ―「夏への扉」― #br 「うわぁ・・・確かにこの本です。なんで分かったんですかぁ?」 #br 何も言わなくても、長門さんが欲しい本を探してきてくれるって、キョン君言ってたけど・・・ これだけの本の中から、あっという間に探し出してしまうなんて・・・さすが、長門さん。 #br 「えっと、御代はいくらですか?」 「いらない。」 「ええっ? そ、それはいけません。申し訳ないですし・・・」 「受け取って。サービス。」 「ほ、ほんとにいいんですかぁ・・・?」 「・・・・・(うなづく)」 「あ、ありがとう・・・」 「座って。今、お茶を用意する。」 #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br 「懐かしいなー。この本は、私がこのお仕事に就こうと思ったきっかけなんです。」 #br 私は、教養家の両親の影響もあって、幼いころから本が大好きでした。 日記や短編小説も、少しだけ、書いたりしていたんです。 あ、内容は・・・禁則事項ということにしておいて。 #br この本とは、いわゆる「中学校」の図書室で出会いました。 #br 「過去、そして未来の改変と、その行為の倫理について。私は夢中になりました。 あ、内容に関しては、むしろ長門さんのほうが、よくご存知ですよね。」 「・・・・・(うなずく)」 #br その後、タイムマシン―航時機が、すでに実用化されていることを知りました。 小説の中のフィクションが、現実の世界に再現されたことを知って、私は・・・ ・・・私は少しだけ迷って、この道を志願しました。 #br そして、奇跡的にも採用されて、今に至ります。 学校の成績には、正直、自信がなかったんだけれど・・・ #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br ―ボクは、未来を創り出してる過去へと向かいさかのぼる。 #br 「そしてピートと・・・連れ立って・・・君を迎えに、戻るだろう・・・」 「その歌は何?」 「あ、えっと、この本をテーマにした歌なんです。」 「そう。」 #br そっか・・・長門さんは、この曲のことまでは、さすがに知らなかったんだ。 #br 「・・・」 「・・・・・・・・・・」 「・・・えーと・・・」 「いい歌。」 「な、長門さんも、そう思いますか?」 「ぜひ、音源を購入したい。」 「そ、そうですかー。曲名は、本とおんなじで・・・」 #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br 「では、私はそろそろ、おいとまさせていただきますね。」 「そう。」 「今日はありがとうございました。お茶までごちそうになって・・・」 #br 「こちらこそ、感謝する。」 #br えっ? #br 「通常、私とあなたが会話する機会は、それほど多くない。 たとえ顔を会わせても、あなたは私に対して、積極的に会話しようとしない。」 #br ご、ごめんなさい。 #br 「あなたの感情や思考は、各種の情報から予想することができる。 しかし、今回は、あなた自身の口から、それらの一端を聞くことができた。」 #br 「 楽 し か っ た 。 」 #br 「この書店は、書籍を愛好するすべてのモノのために開業した。 あなたは書籍を愛している。だから私は、あなたの再びの来店を望む。」 #br ・・・わかりました。また、お邪魔させていただきますね。 #br 「どうぞ。いつでも。」 #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br ・・・今日は、とりとめの無いことを、たくさん話してしまいました。 #br 私は、やっぱりまだ、長門さんのことが苦手です。でも・・・ #br ・・・私も、楽しかったですよ。 #br 「だ か ら、リッキー ティッキー タビー♪ その 日 まで♪」 #br 「・・・リッキー ティッキー タビー・・・その日まで・・・」 #br 「「おやすみ・・・」」 #br #br #br ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #br #br #br 「こんばんは、朝比奈さん。」 #br あっ、キョンくーん。 #br 「方向からして、長門の本屋ですか?」 「うん。キョン君の言ったとおりでした。 ・・・ほら。本も選んでもらったんですよ。」 #br ハラリ #br 「あら?」 #br なんだろう、この紙。本に挟まってたけど・・・ #br 「なんでしょうね。」 #br ─────────────────────────── #br ・あなたのいらなくなった本 買い取り 引き取りいたします 古書 珍しい本でも大丈夫 お掃除 お片付けの際にはぜひどうぞ #br ・希少 良状態の古書 数多く取り扱っております 掘り出し物がみつかるかも 立ち読み歓迎 ティーサービスあり 心行くまでお探しください #br ・ブッククリーニングサービス実施中 古くから読まれてきたあなたの本を 新品同様に蘇らせます 一冊につき\100 お気軽にご利用ください #br 長門書店 電話番号(×××) ××× ×××× #br ─────────────────────────── #br な、長門さん・・・ #br 「ははっ、けっこう真面目に商売してるんだな。」 #br や、やっぱり、きちんとお代を払ったほうがよかったのかなぁ・・・ #br #br #br 完 #br #br #br ////////// #setlinebreak(default) #br ----