#navi(SS集)

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* 作品 [#iecb339a]

** 概要 [#u79fda43]

|~作者      |ありがとう  |
|~作品名    |『有希のネコみみ』 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2007-03-27 (火) 19:06:43   |

** SS [#adda9ff7]

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『有希のネコみみ』
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「…まずは話を聞いてニャン」
「そうだな。できるだけ詳しく頼む」
「…私がこのようニャ状態に陥っているのは涼宮ハルヒの言動が原因ニャン…」
俺は長門のマンションに来ている。牛乳を持ってな。
「さっきの部活で言ってた事か?たしか…」
長門はテーブルに置かれた皿を両手で抑えつつ、
タップリと注がれた牛乳を舐めながらそう言った。
ああ、間違ってはないぞ。
少なくとも今の長門には相応しい飲み方なのは確実だ。
オカワリを求められる前に思い出しておこうか。
長門の頭に猫耳が生える原因を作った放課後の出来事を。
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「あたし的には有希はネコね!そーよピッタリよ!」
ハルヒの話にも我関せずを貫き通し、窓際で静かに本を読む長門は確かに猫っぽい。
「俺が犬なのはどういう訳だ?」
「ただの犬じゃないわ。そこらに居る雑種ね!」
まぁいいさ。
SOS団の中で唯一なんの力も無い俺が、何処にでも居そうな存在なのは確かだろう。
朝比奈さんをウサギに例えたのにも文句は無い。だが古泉は?
「うーん…難しいわね。なんて言うんだっけ?オスメス関係無い動物って感じね」
「なかなか鋭いですね。驚きです」
敗戦確実となったオセロ対決に最後の悪あがきをしながら俺を見る。
こっち見んな!気持ち悪い。
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何の事はない、俺たちを動物に例えただけの話さ。
ハルヒの意味の無い思い付きにもすっかり慣れたな。
ちなみにハルヒはライオンだが。
「有希メガネ外しちゃったもんね。次はネコミミはどう?」
やめとけハルヒ。おとなしい猫だって邪魔されれば引っ掻く時もあるんだぞ。
「ね?決まり!明日持ってくるから付けてよねっ!」
マタタビよりも効果抜群な笑顔で告げた後、部室から飛び出していった。
さっそく買いに行ったんだろ。
だが長門に猫耳か。それはそれで見てみたい気もする。
俺の中の秘められた属性に気付かせてもらえそうだな。
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てな事が有ったわけだ。何となく解ってきたな。
「ハルヒが望んだ結果がこれか?」
牛乳を飲み干し、今は壁をカリカリする事に夢中になってる猫耳に問い掛けた。
「…そう。涼宮ハルヒが『ねこ』と呼ばれる生物属性を私に求めた事が原因。
介入不可能ニャ情報制御により行動が制限されている……ニャン」
「その何とも言い難い語尾もその影響か?」
とりあえず話す時はカリカリをやめてもらえるか。
「…そう。今の状態を通俗的ニャ言語で説明すると…にゃがとモード…ニャン」
今更これぐらいの事件で驚きはしないが疑問が残る。
座布団の上で丸くなるのはさぞ気持ちがいいだろうが教えてくれ。
「俺は何で呼ばれたんだ?それに何時までその状態なんだ?」
「…おそらく長くは続かニャい。あなたに来てもらったのは『ねこ』を飼っているからニャン」
にゃがとの話は簡単だ。
猫としての欲求を抑える事ができない。元の長門に戻るまでの間、
猫の扱いに慣れている俺に面倒を見てくれ…と言うのだ。
「それはかまわんが…」
長門はユルユルと立ち上がり台所からハシを一本持ってきた。
毎度お馴染みの早口言葉を唱えると、いびつな形をした筆が現われた。
いや、猫ジャラシだな。
「………」
輝く瞳の中からは絶大な期待の色が溢れだしている。
やれやれだ。
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「一つ一つの挙動が甘い。フェイントも甘い。だから私に気づかれる。捕獲を許すニャン」
「そうは言ってもだな、お前の予想不可能なジャラシテクを持った飼い主はそうそう居ないぞ」
期待はずれなテクに不満げな表情で応えた後、俺の胸に頭をスリスリしてきた。
「お、おい長門!ちょっと待…」
「………フーッ!」
我慢しよう。引っ掻き傷は増やしたくない。
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今度は背後に廻り抱きついてくる。だけならまだしも
「ニャア……ニャッ…クンクン」
もうやりたい放題だ。
体全体を俺に擦りつけたり、首の辺りのにおいを嗅いだり完全に猫になっちまった。
背中のフニフニとした感触に耐える俺の身にもなってくれ。
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「…迷惑をかけた。謝罪する」
日付が換わる頃、以外にもあっさりと元の長門に戻っていた。
「気にするな。だが少しもったいないな。にゃがと有希もなかなか可愛かったぞ」
「……そう」
玄関まで見送りに来た長門は俺の目を見つめ、
「…気を付けて帰って……ニャン」
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新たに目覚めた属性に少々困惑しつつも
ハルヒが明日の朝、荷物チェックを怠らない事を祈りながら家路に着いた。
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END
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