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#navi(SS集)

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* 作品 [#z7e5c1e5]

** 概要 [#m5275e0e]

|~作者      |G.F  |
|~作品名    |シャボン玉の夢 |
|~カテゴリー|長門SS(一般)|
|~保管日    |2007-02-06 (火) 15:43:17   |

** SS [#o5accb27]

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#BR
高校時代の制服姿の有希とキョン君、涼子と古泉君が…それぞれ透明なシャボン玉みたいな何かに囲まれた空間の中で幸せそうにイチャイチャしている。
それをブロンズ像になった私がじっと眺めている。
私は…喋ることも動くことも何も出来ない。
ただ…幸せそうな四人を眺めているだけ。
「私達…ようやく築けたね…『二人だけの世界』を…」
「そうだな」
は…有希…「二人だけの世界」って何のこと?
この世界には…私もいるし、ハルヒちゃんもいるし、みくるちゃんも鶴屋さんもいるのよ。
「まさか私たちが付き合っていたとは誰も知らなかったみたいね」
「そうみたいですね」
涼子…そりゃ確かにそうだけどさ。
古泉君と涼子の接点って「あってなさそう」だったし…。
「有希、キョン…それ言うならあたしも交えての『三人だけの世界』よね」
おっと、ハルヒちゃん、有希とキョン君の入ってるシャボン玉みたいなものにナイス乱入。
「…そう」
「この幸せは…二人だけじゃもったいないからな」
あれ?あの二人、ハルヒちゃんが乱入したにも関わらずそれが当然のように受け入れてる。
うーん…あれはあれでけっこう幸せそう。
…だったら「ナイス乱入」は撤回させていただくわね。
ところでみくるちゃんと鶴屋さんは…と、視線を落としてみて…びっくり。
…あの二人…童心に返ったように…楽しそうにシャボン玉を作ってるじゃないの。
つまり…時が止まったように動けないのは…私一人だけ…ってわけ。
#BR
#BR
「いったい何なのよ!今の夢は…」
私はガバッと飛び起きた。
「何で…何で私だけが…ブロンズ像になってるのよ!」
髪の毛の色が「緑」だから?いや違うはず。
第一、自分の姿を確認することが出来ないんだもん。
だから身体に緑青が浮かんでいたかどうかは解らない。
場所は広場みたいだったから…緑青が浮かぶブロンズ像だったんだろうな、と想像する。
それにその論理で言うなら…みくるちゃんは「真新しいブロンズ像」になっていてしかるべきはずだし…鶴屋さんは…さしずめ「誰かにいたずらで青ペンキを塗られたブロンズ像」…ってところかしら。
気になる…気になる…どうして…どうして私だけが…どうして私だけが動けないブロンズ像なんだろう?
#BR
「有希、ちょっといい?」
「…私は構わない」
有希の返事で保健室に入るとキョン君もいる。
「ひょっとして…ご夫婦で取り込み中だったの?」
「いえ別に…」
そういうとコーヒーカップを取ってコーヒーをすすりこむキョン君。
「ところでどうしました?喜緑さん、なんか顔色が悪いような気が」
「実は…こういう夢を見たの」
笑われるかと思ったけど、思い切って夢の話をした。
「…そう」
白衣姿の有希はすまし顔だ。
「まさか有希…あんた、夕べ、閉鎖空間に私を閉じ込めるなんて真似は…?」
「してない。それ以前に…私はもう閉鎖空間を作り出すことは出来ない」
出来ないって?
「だって…私の閉鎖空間作成機能はもうないから…」
閉鎖空間作成機能がない?どういうこと?
「去年の…彼にプロポーズされたあの日…人間として生きられるようにと思念体によって取り外されたから…」
その横でその「彼」こと、旦那さんであるキョン君が頷いている。
「有希は…あれさえなければ普通に人間として生きられるんです」
それなら有希が私を閉鎖空間に閉じ込めてブロンズ像に塗り込めて…という線は消えた。
問題は涼子なんだけど…恐らく涼子も同じことかもしれないな。
いや、あの場合、夢という閉鎖空間の中にシャボン玉という閉鎖空間があるわけだけど。
いや、あの場合、「夢」という名の閉鎖空間の中に「シャボン玉のようなもの」という名の閉鎖空間があるわけだけど。
「もしかすると…閉鎖空間どころじゃないかも知れませんよ」
え?キョン君…それどういう意味?
「喜緑さん…その夢は…あなたの心理を表してるんじゃないですか?」
そういえば…キョン君は心理学に興味があったといってたから…恐らくかなり勉強したんだろうな。
じゃ、聞いてみようかな。
「喜緑さん…これから俺が話すことに…決して怒らないでくれると約束してくれますか?」
「ええ…」
怒らないわよ。何でも話して。
「有希と涼子さんの幸せを…見守っているだけしか出来ない自分にいらだってるんじゃないですか?そう見ましたが」
二人の幸せを見守っているだけしか出来ない自分…
「確かに…そうかも」
有希も涼子も…お嫁に行ってしまって…。
…つまり対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース「3人娘」で独身なの、私1人だけになっちゃったから…。
それで…焦りでいらだってしまっていたのかも…私…
「独身なのは朝比奈さんも鶴屋さんも同じです。また、俺たちの方に乱入したとはいえハルヒも戸籍上では独身です」
以下…キョン君の夢診断によると…
…みくるちゃんと鶴屋さんが楽しそうにシャボン玉を飛ばしていたのは…
…私にはあの二人がそれぞれ「独身でのライフ」を愉しんでいるように見えるから、らしい。
そう…私はあの人がホンジュラスから帰ってくるまでお嫁に行けないから…。
…だから有希と涼子に先を越され、ただ二人の幸せを見守るしかないわけで…それでイライラしていたのかも…。
「キョン君…アドバイス、ありがとう」
「いえいえ…こっちこそ恩返しのつもりです」
キョン君のアドバイスのおかげで…少しは気楽になれたかも。
そうよね。独身でいられるうちは独身でいられるうちで愉しまなきゃいけないもんね。
これでもうあの変な夢は見ないかも知れないな。うん…。
#BR
#BR
その夜、私が見た夢は…
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有希とキョン君とハルヒちゃん、涼子と古泉君がそれぞれシャボン玉みたいなものに入っているという点は昨夜と同じ。
違う点は…シャボン玉を作っているのがみくるちゃんと鶴屋さんだけではなかった。
そう…私も一緒にシャボン玉を作っている…という点だった。
#BR
もちろん、快眠できたのは…いうまでもない。
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