作品

概要

作者ながといっく
作品名長門さんの昇格
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-12-28 (日) 03:21:07

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「おいキョン喜べ!この度谷口様の美的ランキングが更新されたぞ!」
 昼休みに大声でこんなことをのたまいながら俺の席に向かってくるのはアホの谷口。
 お前、新学期早々学校中うろついて何やってるかと思ったら、まだそんなくだらないことやってたのか。
 そういうわけで、甚だ不本意ではあるが、今日の昼食の話題は谷口の美的ランキング講義と相成った。

 

「しかし今年の1年は不作だな。今のところAランク以上はゼロだ」
 不満そうに呟く谷口。安心しろ。AだろうがBだろうがお前と親しくなる女などいない。
 だいたいそのランキングとやらはどういう基準で決めてるんだ。
「顔、体系、性格、他者の評判等々を考慮に入れて、俺様が総合的に判断してるぜ」
「そうかい」
「聞いておいてその返事はなくないか!?」
 全く持ってどうでもいい。
 大体そんなもの、お前の好みが最大限反映されるだろう。客観性の欠片もないランキングに何の価値があるというんだ。
「ふうん、参考までに今のランキング状況ってのはどうなってるんだい?」
 国木田は俺よりは若干優しいらしく、聞いてやろうという気はあるようだ。
「良くぞ聞いてくれた!まずはAAランクだが、前年に引き続き3年の朝比奈さんだけだな。容姿、性格ともに最高レベルだ。同姓人気も異性人気も高いしな」
 まぁ、それには納得せざるを得ないな。朝比奈さんはいつ見ても誰が見ても美しい。
「AAランクと言えば、今になっても朝倉の転校は惜しいぜ。おかげでこのクラスにはろくな女が残っちゃいねえからな」
 そんなことを大声でしゃべるな。女子たちが白い目で見てるぞ。
 それにあの殺人鬼がAAランクというのは納得できかねる。性格を考慮に入れてるなんて嘘っぱちじゃないか。
「続いてAランクプラスだが、3年の鶴屋さんと喜緑さんがランクインだ。これも前回と同ランクだな。
 鶴屋さんは元気系美女、喜緑さんはおっとり系美女だな。性格は正反対と言ってもいいだろうが、両者とも評判は上々だ。
 スタイルでは朝比奈さんに一歩劣るが、二人とも北高が誇る美女と言って差し支えないだろう」

 

「Aランクマイナーだが……」
 そこまで言うと谷口はキョロキョロと辺りを見渡す。
「どうした」
「いや、本人に聞かれたら面倒だからな。Aランクマイナーは涼宮だ。ルックス面は朝比奈さんとタメ張れるが、いかんせん性格がな……」
「ふむ、あとでハルヒに報告しておこう」
「お、おい!勘弁してくれよキョン!!」
 本気で焦る谷口。
「冗談だ」
 そんなことを伝えたら俺もとばっちり喰らいかねんしな。
 それに、正直なところ、谷口の性格に難アリという評価に俺も同意だ。
 もちろん優しいところもあるのだが、それを差し引いても迷惑極まりない面が多いことは否めない。ましてや谷口なんぞ嫌な思いしかしていないだろうしな。

 

 そこでふと思い出す。Aマイナーと言えば…
「谷口よ、長門はどうなったんだ?いつだかAマイナーだとか抜かしてたが」
 こいつは長門が眼鏡を外した時残念がってたからな。もしかしたら降格したのかもしれん。
 ……だとしたら断固抗議だな。誰が何と言おうと長門は眼鏡が無い方が可愛い。
 そんなことを考えていた俺の耳に届いたのは、予想外の解答だった。
「おお忘れてたな。長門有希はAランクプラスに昇格だ。つまり俺達の学年ではナンバーワン美女ってことになるな」
「へぇ、長門さんがねぇ〜。それって何でなの?」
 ナイスだ国木田。それは俺も知りたい。
 解答によってはハルヒにその内容を伝えることになるぞ。
 ――なんで俺は気に食わないんだ?谷口の長門評価が高くても低くても俺は気に食わないのか?
 そんな俺の心の内を知る由もなく、谷口は得意げに語り始めた。

 

「まず容姿に関してだが、長門有希は非常に高水準だ。俺様の厳しい目から見ても、朝比奈さんや涼宮に勝るとも劣らないな」
「おい、さっきはスタイルが云々とか言ってたじゃねえか。こう言っちゃなんだが、長門はそこまで色気がある体つきはしてないぞ」
そう言う俺を、谷口は俺を可哀想な子供を見るような憐みの目で見て、
「確かにスタイルは物足りないが、元々のジャンルが文系少女だから大してマイナスにはならんな。
 整った顔、白い肌、綺麗な指先、華奢な身体、あれはあれでベストバランスなんだよ。お前、長身で巨乳の長門有希なんか考えられるか?毎日会ってるくせに何を見てるんだお前は」
 ぐ…悔しいが反論できない。
 というか谷口よ、お前がそこまで長門を観察してたとは知らなかったぞ。返す言葉のない俺に代わり国木田が、
「じゃあなんで今まではAマイナーだったんだい?」
「性格だよ。入学したころの長門有希は、悪く言えば根暗だっただろ?
 誰とも接点持ちたがらなくて、クラスでも孤立してたらしいからな。無口で無表情で、何考えてるかわからないから不気味って話をよく聞いたもんだぜ」
 ふむ。少々口が過ぎるとは思うがそれもそうだろう。
 入学当初のあいつは今よりさらに輪をかけて無口だったからな。
「で、今の評判は違うのか?」
「おう、涼宮の団でお前らがやってる活動で目立ってるのもあるし、体育祭や文化祭ではクラスの主力として貢献したりでなかなかの人気者だ。
 今でも自分から積極的に何かを話すことはないらしいが、話し掛ければちゃんと答えてくれるし、博識だから何を聞いても即答だ。なんでも某百科事典をもじって"yukipedia"とかいうあだ名がつくほどらしいぞ」
 あいつがそんなに慕われているなんて知らなかったな。
 まぁ、長門がいろんな奴らと仲良くするのは俺としても嬉しい。
 人間味が出てきた証拠だしな。…まぁ、ちょっと寂しい気もするが。
「まぁそんなこんなで、長門有希の評判はかなりいいんだよ。コンピ研の連中や6組の男どもにも、あいつにぞっこんってのが結構いるらしいぞ。でも告白されたって話は聞かないな…まぁ大方涼宮が出しゃばってくるのを恐れてるんだろうが…」
「ハルヒ様様だな」
 つい口を出てしまった言葉に後悔する間もなく国木田が口を挟む。
「ふうん。キョンって長門さんが好きなの?僕はてっきり涼宮さんかと思ってたのに」
 しまった、墓穴を掘ったか。さらに谷口が容赦なく追撃をかける。
「甘いぞ国木田。こう見えてキョンは抜け目ないんだ。こいつは周りが魅力に気付く前に、長門有希に早々と目を付けてアタックしてたからな」
「言われなき中傷はやめろ。俺と長門はそんなんじゃない」
「言い訳無用だ。放課後の教室で抱き合ってたくせによぉ。大方あれからお楽しみだったんだろ?それに、お前が長門有希とどこぞのマンションに入っていくとこを見たって証言もあるんだぜ?」
 だからそれは誤解だと……
「キョン、ちょっとその話聞かせてもらえないかしら?く・わ・し・く」

 

 後ろから聞こえる声が誰のものであるかなど、もはや言う必要はあるまい。
 諸悪の根源である谷口は目の前で知らん顔をしている。

 

 ああ、殺人罪の教唆犯って、こういう場合にも適用されるんだっけ?
 教えてくれyukipedia!!

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:29 (1984d)