作品

概要

作者ちの たりない人
作品名守ってあげたい 第五話〜ハジマリノハジマリ〜
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-07-06 (日) 09:53:42

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里登場
周防九曜登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木登場
橘京子登場

SS

 

即断即決即実行、のハルヒを「俺たちだけでは無茶だ」と何とかかんとかなだめすかし、囮作戦は明日と言う事にして解散となった。
もっとも、昼間だから、人が居るから等とは無縁の奴らが相手である。
ハルヒに気がつかれないようにだが、古泉の機関員やそれに、九曜がガードには当たっている。
俺たちSOS団だけ、ではない事が、心底ありがたかった。

 

「相手の正体が解ったんですか?」
そして、俺の目の前には先ほどのウェイトレス、喜緑さんが現れた。
ゆっくり頷く穏やかな表情……長門の感情は多少なら読めると自負する俺だが、この方の場合はもっと難解に感じる。
「情報統合思念体は便宜上、当該対象に対し『破滅存在』と呼称する事にしました」
「破滅……存在?」
物騒極まりない名称だが、それは一体?
「天蓋領域及び情報統合思念体と同じく、その根本は情報のみの存在です」
統合思念体の亜種とかそんな感じの?
「起源は同じもの、と推測は出来ますが、断定は出来ません」
「それで、そいつらの目的は? 今、長門は無事なんですか?」
「彼らの目的は……」
ゆっくりと告げた喜緑さんの言葉に、俺は一瞬、何を言われたのかが解らなかった。

 

「長門さんは、今はおそらく無事です。破滅存在の目的は涼宮さんに、長門さんの"死"を見せる事にあると思われます、それも、目の前で」
「それじゃあ、ハルヒが捕まっちまったらやばいんじゃないですか?」
「ええ」
ええって………
「天蓋領域側の処置のおかげで、即時に危険性が無くなったとは言え、涼宮さんの閉鎖空間拡大は、放置できない状態になっています」
それは解る。日本全土を覆うほどの大きさ、それでも一応、食い止めているって段階らしいからな。
「涼宮さんが捕らえられた際、間違いなく長門さんが現在捕らわれている空間との接点が開くはず、そこを狙います」
「賭け、みたいなモノじゃないですか?」
そう告げた俺に、喜緑さんは否定の意を示した。
「あなた達人間のみなら、そう考えてしまうでしょうね」

 

今回の件に関してのみ、情報統合思念体と天蓋領域、古泉達の『機関』と橘達の組織、そしておそらく、朝比奈さん達と藤原達も……俺達の、SOS団の味方だろう。
「長門と、ハルヒの事、お願いします」
何も出来ない凡人の俺には、頼むしかなかった。
いや、ジョーカーは確かに持っているが……それが今なのか?
「こちらがどうにかするのは『破滅存在』……逆に、その二人の事は、あなた方にお任せする事になると思います」
「えっ?」

 

穏やかな表情のままお辞儀し歩き去る背中を、俺はただ、ぼんやりと見つめていた。

 
 
 

七月六日 日曜日

 

「ハルヒ、それは一体なんなんだ?」
「武器よ」
俺、古泉、朝比奈さん、ついでに言うと橘も、見てはいけないものを見たという顔でハルヒを見ていた。
武蔵坊弁慶か、それは?
まあ、武器と言っても持っているものは全部、『武器』にカテゴライズされないものばっかりだが、背負いすぎだ背負いすぎ。
「幾らなんでもその姿では、相手側に無用の警戒を煽るものと思いますよ」
相手が相手でもあるし、そんな程度は大丈夫ではあるだろう。ハルヒ自身が歩き回れるかの方がよっぽど、疑問だが。
笑ってないで、お前も何か言ってやってくれ、佐々木。
「いや、正直うらやましくてね」
うらやましい?
「損得勘定抜きに、誰かに対してここまで想えるというのがね。ただ、涼宮さん、それらは狭い場所では武器になりえないんじゃないのかい?」
「そうね、やっぱりバットが手ごろかしら?」
こらこら、危ないから振り回すんじゃない。

 

しかし、こんだけ集まってて良いのか?
一応なんだかんだいって、ハルヒを囮にって作戦だったような……。
「ご安心ください。現在ここは一種の『閉鎖空間』になっています」
俺にだけ聞こえる声で、喜緑さんが呟く。
なんか、色々すみません。
「いえ、こちらの不手際の部分もありますから。それに、この集まりがなんであるか、という事を知られたとしても、大丈夫だと思います」
それはまた、なぜ?
「破滅存在側の概念として、その事の意義がなんなのかを推し量れないと思えます。情報統合思念体や天蓋領域とは違い、あなた達に解りやすく言えば、もっと『本能的』な存在のようですから」

 
 

手順はそれほどややこしくは無い。
ハルヒは単独行動。
俺たちは何班かに別れ、相手に気がつかれないように……つまるところ、少し離れて結界とかそう言ったものの中から監視する。
ま、確かに、まっとうな人間だけじゃあ無理がある作戦だ。

 

しかし、こんなので簡単に引っかかってくれるものなのか?
まぁ、さっきの喜緑さんの話が本当なら、防壁が識(み)えないなら、捕りに来る可能性は高いか。
「――――来る……」
しかし、俺と古泉は、なんでこっちの班なんだろうな?
「僕にそれを言われても困りますが」
「――不満……?」
「いや」
そもそも、こいつを本当に信頼すべきかも問題だが、もっと根本的に、会話が成り立つのかという大問題がある。
「――長門有希……」
「……長門がどうかしたか?」
「――――涼宮ハルヒを……破滅存在から、隠した」
長門が? しかし、現にハルヒは……
「もしかしてですが、長門さんが連れ去られた事によって、その力が時間を置き消滅、その時に涼宮さんは、と、そう言うことですか?」
多分、肯定の意を示す九曜。
そう言えば、長門の存在位置をロストしたとか、長門の親玉の力も届かない所に行けば、確かに消えるか……
って
「そんな状態で、長門は本当に無事なのか?」
待て九曜、それはおそらく多分だが、困っていないか? おい。
「二日、三日目……と言う所ですし、僕達でも死ぬと言う事は、ほぼ無いとは思いますが」
腹はすかして……いきなり九曜に引っ張られる。
「動きがあったようですよ」
それは予想はつくんだが、なぜ俺だけ引き摺られねばならん?
「――運命……」
ちょっと待て。

 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:24 (3092d)