作品

概要

作者ちの たりない人
作品名守ってあげたい 第四話〜トジラレタセカイ〜
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-07-06 (日) 09:52:12

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子登場

SS

 

しかし、と思い当る。
俺は隣に立つ、当社比5割減の無害スマイルに問いかけた。
「古泉、こう言っちゃなんだが、良いのか?」
「何がです?」
「閉鎖空間とか神人は、現在も拡大中なんだろ?」
ああ、その事ですか、と前置きにし
「現状を見てみますか?」
と言って来た。
ハルヒの閉鎖空間に入る、か。
「近場から入れるのか?」
「ええ。と言いますか……そうですね、日本のほとんどはとっくに、埋まっていますから」
とんでもない事を言いやがった。

 

そして古泉と、忌々しいが手をつなぎ、ある意味こうしてまともな…いや、閉鎖空間自体まともじゃないんだろうが、ああややこしい。
通常的な閉鎖空間へと足を踏み入れ、いや、そこは通常的ハルヒの閉鎖空間ではなかった。
「微妙に、明るくないか?」
「おや? お気づきになられましたか」
朝靄と言うべきか、微妙に薄明るい。
これって、『あいつ』の閉鎖空間の色合いにも、近いような気もするんだが……。
「当たり前です。佐々木さんの閉鎖空間でもあるんですから」
と、背後から快活な女の声…………って
「橘? なんでって、え!?」
そこには、朝比奈さん誘拐犯にして、佐々木の閉鎖空間限定超能力者、の橘京子が立っていた。

 

「こんなだから、佐々木さんに力を譲歩した方が良い、と言っていたんです」
今はそんな事を言っている場合じゃないですけど、と付け加え、俺を睨みつけてくる。
「あー……スマン、説明してくれ」
「共同戦線よ」
「共同戦線です」
お前ら、本当は仲いいんじゃないのか?
「そんな事はないですけど。世界が破滅しちゃったら、佐々木さんが神になる事も何もなくなっちゃいますから」
その辺りは納得できる、しかし……どういう事だ?
「拡大する涼宮さんの閉鎖空間を、佐々木さんの閉鎖空間で押し留めている、とでも言いましょうか」
そんな事が出来たのか?
「僕達だけでは無理でしたし、そんな事思いつきもしませんでしたが」
「九曜さんよ」
何?
「彼女、と言いますか、今回の件に関してはそうですね、情報思念体にせよ九曜さんの親元にせよ、破滅する可能性があると言う点で、僕達と立場が同じようなんです」
ハルヒには誰も勝てないって事……か。
「そうですね。涼宮さんが望む望まないに関わらず、このままにしておけば、いずれ滅びます。死はそれこそ、全ての存在に平等だった、そんな所でしょう」
滅びるよりは、か。
喜緑さんも『緊急事態』と言っていたが…………。

 

「で、戦況はどうなんだ?」
「絶望的ね」
「絶望的ですね」
やっぱり、仲良いだろう。
「食い止めるのが精一杯。あのでっかいのも今ん所、無制限に沸いてきてるし」
「長門さんの安否、いえ、健在を涼宮さんが確認するまで、止まらないでしょうね」
そういいつつ溜息をこぼす。
「どした? まぁ、こんな状況じゃ疲れもするだろうが」
「いえ、なんと言えばいいんでしょうね……多分、僕は嫉妬しているんだと思います」
「嫉妬?」
「ええ」
古泉の言葉に首を傾げて見せた俺に、空、とは呼べない天井を見上げて、こう言った。
「この閉鎖空間の大きさ、そのものが、涼宮さんが長門さんを想っている大きさ、と言えるからですよ」
日本はとっくに埋まっている、そんな事を古泉が言ったのを思い出す。
しかし、限度ぐらい知って欲しいものだ、ハルヒよ。
「僕がもし今の長門さんの立場でも、こんな閉鎖空間を発生してくれるかどうか」
「されても困るだろうが」
「ですね」
苦笑いのイケメン面に
「ま、同じじゃないのか」
長門にせよ、朝比奈さんにせよ、古泉にせよ。
あいつにとっちゃ、大事なSOS団員なんだからさ。
「そう思いたいですけどね」
この広さをみると、と付け加え
「取り合えず、出ましょうか。この閉鎖空間を消滅させる為にも、長門さんを助け出さなければいけませんし」

 

と、二人で出て来たはいいが、手詰まりの状態なのは間違いない。
「TFEIの方ですら、長門さんの所在が解らない以上、一般的な情報網では……」
と、俺と古泉、二人ともの携帯が一斉に鳴った。
て、ハルヒ?
「僕の方は朝比奈さんです、おそらくですが、用件は同じだと思えますね」
その古泉の予見は的中していた。

 
 

「あたしが囮になれば良いと思うのよね」
再度、いつもの喫茶店に集合した俺達に対し、いきなりとんでもない事を言い出しやがった。
「おい!」
「涼宮さん?」
俺と古泉が驚きの声を上げたのを、なぜだか満足そうに見回す。
「相手が何考えてんだか解んない以上、待ってなんかられないわ」
その気持ちは解るが、しかしだ、
「あなたまで危険な目にあわせるわけには……」
古泉が代弁してくれたが、その言葉はハルヒと言う火に、油を注ぐだけだった。
「すでにあってるわ。それに今、有希がどんな目にあっているのか考える方が嫌なのよ」
「しかしだな……と、すみませ……」
水を持ってきたウェイトレスに挨拶しようとして、俺は固まった。
喜緑さん……?
と、言いそうになった俺に、唇に人差し指を当てたポーズで、頷いて見せた。
ハルヒの言う事を実行して良いって事…なのか?
やれやれ。
「解った」
「キョン君?」
「……」
朝比奈さんと古泉の視線を受けてから、俺はハルヒにこう言った。
「ただしお前に、危険が及びそうになったら、断固止めるからな」

 
 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:24 (3090d)