作品

概要

作者ちの たりない人
作品名守ってあげたい 第二話〜ウシナワレルセカイ〜
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-07-06 (日) 09:49:04

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

古泉とは、放課後に会う約束を交わし、その場は別れた。
そして俺は、一人の上級生に話を聞きにいくべきか、と思案する。
もちろん、朝比奈さん……ではない。
あの麗しの天使は、おそらく何も知らない上に、ただオロオロとするばかりになるだろう。
こう言うとなんだが、朝比奈さんが精神的ダメージを負う、ただそれだけになる。

 

そう、俺が訪ねるべきか思案しているのは、この学校に居るもう一人の有機アンドロイドのあの方だ。
だが、彼女は俺たちに対しそう名乗ったわけではなく、ただの推測に過ぎない。
ほぼ間違いないとは言え、ぶしつけに長門の事を尋ねるのは、間違いのような気もした。
「長門さんの事でしたら、こちらも状況がつかめていません」
いきなりそう、声をかけられる。
「喜緑さん……?」
「緊急事態ですので、人間が行うだろう段階は省かせていただきますね。あなたの方はもう、おおよそ予測はついているようですし」
穏やかな表情で話すその上級生に、俺はなぜだか軽い寒気がした。
「こちらが解っている状況を説明します。本日、午前四時十二分をもって、長門有希の存在位置をロストしました」
「ロスト……?」
鸚鵡返しで問い返した俺に、頷きで答え、
「その前後二分の間、長門さんの個体情報及び、その周辺情報にノイズのようなものを確認しています。何らかの情報操作があった事は間違いはありませんが、長門さん本人に起因するものではありませんでした」
「つまり……長門は……」
喜緑さんは首をふり
「長門さんが現存しているかどうかも、不明としか言えません。何か解り次第、ご連絡は差し上げます」
そんな言葉を告げ、歩き去った。

 
 

昼休み後の授業は、もはや俺の記憶になかった。
さらに言えば、ハルヒの奴はいつの間にか早退しており、朝にどういった形で長門が休む事を知ったのかと、問いただす事も出来なかった。
全ての授業を終え、帰り支度を始めた俺の元に古泉と、そして朝比奈さんが真っ青な顔でやって来た。
「キョ、キョンく〜ん……」
そのまま泣き崩れそうな朝比奈さんから古泉に視線を移し
「話したのか」
と睨みつける。
「遅かれ早かれ、気がつかれる事ですし」
事後に、でもいいんじゃないか? などとも思ったが、今は、そんな事を言っている場合でもない。
部室は閉まっているという事もあり、俺たちは歩きながら話をする事にした。

 

校門を出た辺りで、俺は取り合えず、喜緑さんから聞いた事を二人に告げる。
古泉は古泉で機関が得た情報とやらを告げたが、昼休みの再確認、いや悪化した現状を認識するだけだった。
そして、もちろんわがSOS団の女神様は……オロオロしているだけだった。
俺も実際の所、朝比奈さんと一緒にオロオロとしていたい位だ。
ただひとつだけ、そこまで悲観しなくてもいいだろう、そんな要因がある。
ハルヒだ。

 

ハルヒは長門本人かこの件の犯人、もしくはそれに近しい奴から何かを聞いている。
ようするに、少なくともハルヒに用事があり、その為のカードが長門なのだろう。
そして、ハルヒは閉鎖空間を生み出し、絶賛拡大中なわけだ。
大丈夫なのか? 世界。
「拡大中、ではありますが、今は今朝ほどの進攻速度ではなくなってはいます」
ハルヒが少しは落ち着いたって事か。
と言っても「何の解決にもなってないがな」
「ですね。涼宮さんに聞いた所で、答えてくれるとは思えませんし……」
その言葉の途中、古泉の携帯がなった。
「失礼」
携帯に出てほどなく、古泉の眉根が跳ね上がる。
古泉は相槌をうっているだけだが、どうやらまた、何かがあったらしい事は容易に想像できた。

 

携帯をきった古泉に、俺や朝比奈さんが問いかけるその前に、
「涼宮さんが攫われかけたそうです」
そんな言葉を吐きやがった。
「す、涼宮さんが、ですか!?」
「お、落ち着いてください、どうやら未遂で済んでいるようですし……だよな、古泉?」
「ええ、今は安全な所で保護されてます」
「しかし、誘拐未遂って……また、あいつらの仕業か?」
橘とか言う女の顔が思い浮かぶが、古泉が次に言った言葉に俺はまた、困惑するしかなかった。
曰く
「いえ、涼宮さん保護の際に……彼女らの助力があった、という事ですので……」
つまり、あいつらは今回の件では敵対していない?
「断定は出来ませんが……」

 

情報が少なすぎる。
もうこうなったら、ハルヒを締め上げてでも、はかせるしかないんじゃないか?

 

一体何を知っているのかを。
「聞いて、答えていただけるなら、おそらくですが、あなたには話しているかとも思えますね」
なぜ俺にはなのかは解らんが、あいつは長門が用事で休み、としか言わなかったぞ。
「あの〜」
「どうしました?」
おずおずと、右手を上げて発言権を所望する朝比奈さん。
話を促した俺たちに、SOS団専属女神はぽつぽつと、こう言った
「あたしが、涼宮さんに聞いてみちゃ……ダメですか?」

 
 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:24 (2729d)