作品

概要

作者ちの たりない人
作品名鏡の国に降る雪 後
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-06-27 (金) 16:10:52

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 


そろそろ休憩時間終りだな、舞台もセット終了と。
ハルヒ、そろそろ台本返してもらいたいんだが。
「はい」
……落書きなんかしてないだろうな。
「するわけないでしょ、そんな子供じみた事。確認してただけよ、か・く・に・ん」
一体何を確認してたんだか。

 

あ、長門。少しは休めたか?
「ええ、ばっちりと」
お前には聞いてないぞ、古泉。
そうか、朝比奈さんが持って来てたクッキー食べてたのか。口の周りは、ついて無いな、よしよし。
なに? それ位は確認済み? いや、まぁお前なら大丈夫だろうが、一応な。
そう言えば朝比奈さんは?
へ? 人の字をかいて飲んでいる?
ハルヒ……じゃあ逆に緊張するか……
「みくるっちは緊張して固まっちゃってるのかいっ?」
ああ、丁度良い所に鶴屋さん。どうもそうらしいんですが、俺はここ離れるわけにはいかないもので。
「あたしの出番はもうちょろっと後だし、からかいがてら見てくるっさっ」
お願いします。

 

ん? 長門も緊張しているか?
大丈夫? まぁ、お前の言葉を信じないわけではないが、主役が大コケは避けてくれよ。
小コケ程度ならフォローは入れれるわけだしな。
おし、そろそろだな……

 

『鏡の国に降る雪』第二幕、開演いたします。っと。

 
 
 


さてはてさてはて、トカゲを豪快に蹴り飛ばしたアリスは……軽く蹴っただけ? なんか、泣いてたぞ、た…トカゲ。
白兎の包囲網を突破して、探索を続行しておりました……そこ、どう突破したかなんて野暮な事聞かないように。
「きっと、僕も蹴り飛ばされたと、言う事では無いのでしょうか」
本当に蹴られてみるか? 経験した事はあるが、割と痛くは無かったぞ?
「へぇ…有希に蹴られるような事をしたんだ、キョン…後でその話はじっくり聞かせてもらうわ」
何、大した事は無い、なぁ長、じゃないアリス。
ほら、頷いてるだろ、気にするな。

 

トコトコとアリスが歩いていると、ひとつのテーブルとそれを囲む4つの椅子、そして、そこでお茶を飲んでいるカエルと子犬が居りました。
「見かけない人だね。どこから来たの?」
「どこから来たのか、おわかりにならないんですかぁ?」
ふたり、かっこ、はてな、かっこ閉じるの問いかけに首を傾げるアリスに、のんびり屋のカエルは言いました。
「取り合えず、座ってお茶でもいかがですか?」
頷いて座るアリス、しかし、いつまで待ってもお茶が……いや、ティーカップを幾ら睨んでもないものは無いぞ。
俺を睨んでも出ないものは出ない。そう書いたのはお前だろう……だから、寂しそうにするな。
よく見ると、飲んでいると思っていた二人、かっこ、はてな、かっこ閉じる…面倒だから、次から省略な、のティーカップも空っぽ。
「えーっとですね、あたし達もその」
「お茶が運ばれてくるのを待っているんだよね。でも、誰が運んでくるんだろ?」
もちろん、アリスがそれを知っているわけも…だから俺は違うから、そんなモノ欲しそうに見ないように。
「いつもだと、あたしが淹れるんですけど、もしかして、本当はそうだったりしますかぁ?」
いえ、違いますから……そんな泣かないでください。

 
 
 


と、そこにお茶の入っている、と多分、思われるティーポットを持った狐がやってきました。
「は〜い、お茶……って、ひぃふぅみぃ……」
って……ちょっと待て。なんでお前が居るんだ?
「一時帰国でもしてきてたのかしら? カナダってどういう所か、後で聞く必要性がありそうね」
聞いても答えてくれんと思うが、何? 大丈夫だから詮索不要? 取り合えず『禁則事項』が『禁則事項』で『禁則事項』なんだな?
「あたしの台詞がとられてますぅ」
いえ、著作権は朝比……カエルさんに……っと、話が続かんな。
「細かい事気にしちゃダメよ。と言いたい所だけど、あたしも細かい事言う必要性があるのよね。お茶は確か三人分で、今はあたし入れて4人」
「一人分が少なくなっちゃうね」
その位気にしたら負けだと思うんだが……と言うか、俺が気にした事以上にと言うか、滅茶苦茶細かいぞ、それ。
「そうですねぇ、でも三人より四人の方が、ほら、楽しくないですか?」
さすが朝比…のんびり屋のカエルさんは話が解る。
アリスもそれでいいんだよな? 飲めるのなら良いって感じだが、頷いてるな、よしよし。
「それじゃあダメよ」
「それはまたどうして?」
「どうしてですか?」
「あたしが全部飲みたいから、だからね、お願い……死んで」
待て待て待て……これはほのぼのファンタジーだったはずだろう? その光っているものはなんだ? おい、さっさとしまえ。
「うん、それ無理」
「ひえぇぇ〜!」
国……じゃない子犬、いつの間にここまで逃げたんだ?
「キョンの『待て』、の辺りかな」
はやっ。

 

おろおろと逃げ惑うカエルさん、追い掛け回す朝…狐さん、これは解る……おーい、アリス、何やってんだ?
紅茶だったって? 美味しいか、そうか……じゃなくて!
ピタリと止まる、追いかけっこ二人組み。
じっとアリスを見つめています。
アリスは……あ〜全部飲んじまったのか、親指立てて、美味かったの合図?
「漁夫の利って奴だね」
お前も飲めなかったんだが、いいのか? 子犬。
「まぁ、後で奥においてあった麦茶でももらうよ」
まぁ、それならいいんだが……。
「長…………コホンっ」
とちったな、狐。
「アリスの意地悪〜」
とちって赤面しつつ走り去る狐さん……後でナイフで刺すとかだけは勘弁してくれよ。
まぁ、なんだ、いつアリスの名前知ったんだろうな、なんて突っ込みも勘弁な。

 

それに……手をふっておくり帰すのか、アリスは。
「あーやっぱりね」
どうした? 子犬。落としていったナイフだな……あー!
「うん、ゴムで出来たおもちゃだね」
「ふえぇ〜良く出来てますねぇ」

 
 
 


と、なんだか解らないお茶会も……待て、戻ってくるのかよ狐。
「四人分、きっちり淹れてきた、だけよ」
アリスがそれ以上飲むとやばそうに思うんだが、……後ポット5杯は余裕? あーーー……さすがアリスだな、と言っておこう。
拗ねるな、お前が言い出したんだろう……。

 

「取り合えず、自己紹介はうやむやになっちゃったけど、しなくていいよね」
「そうね。建設的にやらないと、予想以上にさっきの場面取っちゃったみたいだし」
ほとんどアドリブだからな。
「えーっとですねぇ、アリスさんはどうしてここにこられたんですか?」
その問いかけに、アリスはこれまでのいきさつを話します。
いや、ほら、これ全部本当に説明したら長いだろ?
「んー、でもあなたはひとつ、勘違いをしてるわ」
「だね」
「え〜、何をですかぁ?」
いえいえ、あなたじゃありませんから。
と言うか朝比、カエルさん、そこから説明するのはあなたの役目だったはずですよ?
「だね」
子犬よ、お前はそれしか、台詞が無いのか?
「だね」
「取り合えず、カエルさんの説明、聞いてみない?」
「だね」
…………頷くとアリス含む三人は、じっとカエルさんを見つめました。

 

「えーっとですねぇ、ここは『不思議の国』じゃなくて、『鏡の国』なんですよ」
え!? そうなの?
「題名からして、怪しいとは思ってた」
え? どこに鏡があるのか? って。
いや、そもそもアリス、ここに来てからこっち、鏡なんて一個もなかったはずだろ?
家に入った時はどうだったか? だって?
その辺どうなんだ? 白兎?
「はて、そもそも僕も聞くべき事がありますね」
む? なんだ?
「『鏡』とは一体どういったものなのでしょうか?」
な? お前、鏡の国の住人じゃないのか?
「そうですよ? ですが、我々は鏡と言うものを実際、見た事はありません」
『な、なんだってぇ〜!!』

 
 


「え〜っとですね、ここは『鏡の内側にある国』なんです」
む、そう言う方向性できたか。いや、しかし待て。
アリスもおかしいと思っているよな、内側とかなら、自分が良く知る世界の逆転だものな。
「普通、鏡を見ると何が映りますか?」
そりゃ、見ている自分だよな。
「あたしが鏡を覗いて、中に長門さんが映っていたら、さすがに困るわ」
アリスは、困らないって?……それはそれで楽しいと?
「だから長門さ……アリスは、もっと身だしなみとか気をつけなきゃって言ってるじゃない。自分の顔見れなくちゃ、寝癖だって気がつけないわよ? ほら」
気にしないって……老婆心ながら言うが、気にした方がいいぞ、絶対。
「きちんと身だしなみとか気にした方が『可愛い』、って言わなきゃダメじゃない♪」
ウィンクしても言わんからな……そんな恥ずかしい事。

 

「えーっと…………」
ほら、カエルさんも困っているから、先を促そうな?
「つまりですね、あなたの心に鏡を当てて、覗き込んだ世界、なんです」
いきなり核心ついて、いいんですか?
「いいんです!」
やけに、なってないですよね?
「だっ大丈夫です!」
いつに無く真剣なカエルさん。
「ズバリ、長……アリスさんはここに『自分』を探しに来た筈なんです!」
小首傾げられても……俺もよく解らんが、どうやらそう言う事らしいぞ。
「けど、一人と三匹って、鬼退治に行くんじゃないよね?」
どうせ退治するなら……以下自粛しよう。

 

「どうせ、あたしが鬼だって言うんでしょ? いいわ、だったら鬼になってあげる!」
高らかと響く声。っつか、そんな台詞は無いはずだろうが……

 
 
 


お茶会の席に現れたのは、アリスと同い年位の女の子と、そして、先ほどの白兎でした。
「勝負よ、アリス!」
いきなり何を言い出すんだ、お前は?
「そうかしら、面倒くさいわね。白兎君、説明してあげて」
「はい、承知しました」
いや、それ位自分で説明したらどうなんだ?
「イヤよ」
即答かよ?
「まあまあ、その為に僕がいるわけですし」
まあいい、説明しろ。
「では」
ってスポットライトでなんか、誰かが照らされてるな? コレは……女王ってプラカード持っている鶴……女王なんですね。
「この国を治められている女王さまが、次期女王としてこちらの方」
白兎は女の子…………ってか、ハルヒ。
「何よ?」
お前の役名って『女の子』だけなのか?
「そうよ」
「でも、そうですね、名前があったほうがしっくり来る。ですね?」
解ってるじゃないか、白兎。
「しょうがないわね、……"はるひ"でいいんじゃない?」
平仮名にしただけかよ……面倒だからそれで行くぞ。
「はるひさんと、あなた……アリスさんを指名したんです」

 

そりゃ、変に思うよな。ここに来て見たらいきなり、女王候補と言われても。
辞退は出来ないのか? だって?
「辞退された場合は、コレ……ですね」
首をかききる仕草……ってハルヒ以上に横暴だな。
「何か言ったかしら? キョン」
何も言ってない何も言ってない。
負けた場合もそうなのかって? まぁ、普通に気になるな……
「いいえ、敗者はただ、この国を去らなければなりません」
つまり、勝てばこの国で女王になって、負けたら元の世界に帰れるってお話、でいいのか? コレは?
「多分そうだろう、としか現状では」
なんだ、コレで帰れるぞ……ってアリス、勝つ気満々か?
「それでこそアリスよ!」
いや、はるひよ、初対面だろ? 多分。

 
 
 


そして場面は、お城の中。
多分庭かなんかだと思われる、一同がそこに会した。
でた、えーっと女王様。勝負って何をなさるつもりなんでしょうか?
「いや〜それなんだけどね、少年」
はい?
「人間トランプしようにも、人間チェスやろうにも人数が足らないっさっ」
普通にトランプとかチェスじゃダメなんですかね?
「それじゃっ、観客には見えないっしさっ」
まぁ、言われてみれば確かに……他だとどう言ったものがありますかね?
「提案なんですが、ここは、気品を競うという事で、ダンスとかはいかがでしょう?」
そういった曖昧なのでいいのか? 白兎。第一誰が判定するんだ?
「ここにいる人全員が、でいかがでしょうか?」
……なかなか、考えてるじゃないか。
「ダンスねぇ。まあいいわ、それで行きましょう」
アリスもそれでいいのか? いい? じゃあ決まりだが
って、いきなりなんか音楽流れ始めるし……って喜緑さん?
「社交ダンスの音楽って、こういうのでよろしかったんですよね?」
よくは解りませんが、多分、そうなんじゃないかとは……なんか聴いた事あるようなないような……

 

「こうねっ!」
最初に踊りだしたのは、はるひ。
「さすが涼……はるひさんですね。情熱的といいましょうか躍動的です」
アリスは…どう躍ったら良いか悩んでるって、わけでもない? え?
喜緑さん、なんか、長……アリスは別の曲が用意してあるとか?
「はい」
まぁ、順番にってので良いかもか。
くるくるスタン、くるくるスタン。
本当、こいつなんでマトモに何かしようとしないのか、不思議になるよな。
決めポーズも、華麗にきめやがったぜ。

 
 


さて、次はアリスの番だが、どんな曲なんです?
えーっとコレ何語? え? フランス語なのか……
「長……アリス、しっかり見てるわよ」
狐の声援に頷いて踊り始めるアリス。
どちらかと言うとゆったりしたメロディーだな。
くるっ……くるっ
と、はるひの見せた踊りとは違い、静かに踊るアリス。
躍動的というよりも情緒的と言うべきなのか、コレは。
「静か、ですが、それでいて力強いですね」
本心から言ってるか?
「もちろん」
……ほう。
「ここは基本アドリブではないですか? つまり、そう言うことです」
解った、そう言う事にしておいてやる。
そして、アリスは静かに決めのポーズ。

 

惜しみない拍手が送られてるわけだが、さて、甲乙付けがたいが…どっ
「最後はあたしがおどるっさ」
へ? えーっと……なんで?
「有希っこ、アリスやはるにゃんの踊り見てたら踊りたくなってきたっさっ。景気の良いのかけて欲しいにょろ」
で、何でここで盆踊りの音楽かけますか?
「景気いいのといわれましたから」
微笑まれても困ります!

 
 


ドンちゃん騒ぎがフェードアウトしたそこは……
アリスが最初に居た、木の根元。
読書に疲れたのか眠っているアリスと、その傍らに座るのはカエルさん…ではなく
「アリスは眠っちゃいましたかぁ」
おっとりとした声でそう言いながら、アリスの頭を撫ぜる、アリスのお姉さん。
身動ぎし、目を覚ますアリス……ん? いきなりここに居るのはどうしてだ?
いや、それはほら……アレだ……
「禁則事項です」
だ、そうだ。不満そうな顔するな、頼むから。

 

「そうそう、結論を急いでも仕方ないじゃないですか。『急がば回れ』ですよ」
と、白兎ではなく……なんの役だった?
「二人の伯父、と言う設定ですね、今の僕は。だからヒゲがついてます」
すさまじく似合わないな。
「……同感です」

 

「よっこいしょういち」
そう言うのは、女の子が言うから寒さが紛れるんだぞ谷トカゲ。
「へっ今の俺様はトカゲじゃなくて、アリスの学校の友達だぜ」
どうでもいいが、人様の家の壁によじ登るのはどうかと思うぞ?
「まあまあ、谷口はいたずら少年って設定らしいからさ」
そう言うお前も学校の友達設定なわけか?
「そうだよ」
そして、狐や女王様もやってくる……女王様もか?
「あたしは違うっさっ。二人の伯母らしいっさね」
従姉妹とかで通りそうですが、伯母でよかったんですか?
「気にはしないっさっ」
そして、壁によじのぼ……はるひは何時からそんな御転婆になったんだ? 父さんそんな子に育てた覚えはないぞ?
「あんたに育てられた覚えはないわよ」
て、長、アリスに恨みでもあるようになんで睨むんだ?
「それは、アリスがよく解ってるのよ」
そう、なのか?

 
 
 


「この二人は、いつも喧嘩してたんだよね」
それは初耳だな。観ているほうもそうだろ?
「それは当然です。今初めて、観客のみなさんに伝えているわけですからね」
「喧嘩っつってもあれだ。なんつーんだ、ソリが合わないとかそんな感じなだけで、殴りあったりしてたわけじゃないぜ?」
それは、そんな事になってたらそれこそ、この中で止めれそうなのは鶴…伯母さん位のもんじゃないか?
「そうなんですよぉ。他のみんなとは仲良くできる子なのに」
よよよと泣き崩れるお姉さん。
ダメじゃないか、アリス。そんな良いお姉さんを泣かせたりしたら。
え? 自分にそのつもりは無い?
「そう、あたしにもそんなつもりは無かった」
「二人とも、自己表現が苦手ってだけなのよ」
そう言う設定なのか?
「どうだろうねっ。取り合えず、アリスっちとこのはるにゃんはそうらっしいっさっ」

 

「だからね、あたしは」
言って手を差し出すはるひ。
多分だが、握手を求められてると思うぞ、うん。
アリスによって握り返されたはるひは百ワットの笑みを浮かべてこう告げた。
「アリスと勝負をするの!」
ちょっと待て? 何だそれは?
「簡単な話よ。あたし達はお互いを良く知らない、だから知るのよ」
それが勝負って、何か間違ってないか?
いや、そもそも何の勝負なんだ?
「そう言えば……何の勝負なのか書いてなかったわね。まぁ、別になんでもいいけど。有……アリスが相手でも手加減はしないから!」
言って手をつないだまま走り出す二人。いいのか? こんなオチで?

 
 


暗転。
シメはアリスとはるひがデュオで歌うんだったな。
どうでもいいけど、雪が全然関係無かったような気がするんだが……この詩だって桜舞うなんちゃらだし。
「あったじゃない?」
「ありましたねぇ」
「ええ、ありました」
そうなのか? アリス?
何?
アリスが踊った曲の題名?
それだけ?
詐欺行為だな、ホント。

 

なんてな。
あの踊りは確かに『雪』だったな。

 

シメの歌も終り、舞台から降りてくる面々に、俺は取りあえずのねぎらいの言葉をかける。
「お疲れさん」と。
何? 言うほど疲れて無いから気にするな?
こういう場合は、お互いそう言い合うのが礼儀ってもんだぞ? それ位は知っているよな?
「キョン、ずっと気になってたんだけど」
どした? 何かとちってたか?
「違うわ。……有希、一言も喋ってないわよね?」
そう言う劇にしてあるからな。それがどうした?
「ナレーションの台本にはほとんど"アドリブで"って書いてあったんだけど、何で有希が思っていた事が解ったわけ?」
ん? いや、結構適当だったと思ったが?
「そうは思えませんでしたね」
「ええ、的確でしたから。あたしもやりやすかったです」
「ほら」
んー……長門、何とか言ってやってくれ。
「……わたしも不思議に思っていた。何故あなたは的確にわたしの考えを見抜くのか」
ちょっと待て……
「以心伝心」
「以心伝心ですね」
「さて、その辺りをじっくり聞いてあげましょうか?」
まて、何故指を鳴らす?

 

「15-0(フィフティーンラブ)」
長門のそんな言葉が、消え逝く意識の端に聞こえた気がした

 

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:23 (3088d)