作品

概要

作者ちの たりない人
作品名鏡の国に降る雪 前
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-06-27 (金) 16:09:02

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 


原案・不思議の国のアリス
脚本・長門有希+SOS団
超舞台監督・涼宮ハルヒ

 

キャスト
アリス・長門有希
女の子・涼宮ハルヒ
白兎・古泉一樹
カエル・朝比奈みくる
女王・鶴屋さん
トカゲ・谷口
子犬・国木田
狐・?

 

ナレーション・キョン

 

って、俺はまた、あだ名のままかよ?
「細かい事いちいち気にしないの、ちゃっちゃか始めなさい!」

 

SOS団アンド有志数人による演目
『鏡の国に降る雪』
開演します。

 
 


今は昔の物語。小さな小さな国であったお話です。
そこに、アリスと言う女の子が住んでいました。
アリスは、本を読むのが大好きな女の子でした。

 

その日もアリスは、庭にある木の根元に座り、大好きな本に夢中でした。
「いやぁ、これは大変です。時間が全然ありませんね」
そう言いつつ、とてもそうは見えないゆったりした、顔には余計なスマイルまで浮かべて真っ白い兎が現れました。
と、言うかお前、時計すら見ずに何で時間が解るんだ?
「さて、それこそ時間が無いという証拠なのではありませんか? 僕は忙しく、時間が切羽詰っている。そう、時計をみると言う時間も惜しい位にですね」
それにしては、何でゆっくりと、しかも無駄に笑顔なんだ?
「『急がば回れ』と言うではありませんか? 急いで何か事故を起こしては、それこそ元も子もありません。また『笑う角には福来る』と」
あぁ、もういい、解った解った。さっさと急いで消えてしまえ。
「それは確かにそうですね、と。これは困りました。僕は裾を引かれているではありませんか」
長……じゃない、アリスよ。そいつは急いでるらしいから、ほっておいてやるのが一番だぞ?
ん、何? 何をそんなに急いでいるのか、だって?
と言うわけだ、そこのにやけた兎、説明してやれ。
「えーっと、ですね。困りました」
何がだ?
「いえ、簡単な事です」
だから何がだ?
「急いでいた理由を、すっかり忘れてしまっているのです」
ちょっと待て、おい。
ん? どうしたアリス?
行き先はわかっているのか? だって?
「その心配には及びません。先ほどあなたが本を読んでおられた木、その洞。そこに入ろうと思っていましたから」
じゃあ、さっさと入ればいいんじゃないか……待て待てアリス。何故お前が入ろうとしているんだ?
何? こんな所に洞があるのは興味深い? 知的好奇心はいいがだな、そのエプロンドレスじゃ動きにくいと思うぞ。
問題無い? まぁ、お前がそう言うんだから多分そうなんだろうけど、と、入っちまいやがった。
どうでもいいが、おい。
「はい、なんでしょうか?」
お前は入らなくていいのか?
「おおっと、これはいけません。ではでは取り急ぎ、入らせていただきましょう」
さてはて、洞に入り込んだ兎とアリスの先に待ち受けるのはなんなのか?
場面転換しないといけないわけだが、そして、その役は俺も何故か含まれているんだが、ナレーションと同時って無理が無いか?
「文句言う暇あったらさっさとやりなさい」
お前は座って指示してるだけだろーが。

 
 


長い長い洞を進むと、それは下へ下へと方向を変え、仕舞いには完全に落下していたりする。
まぁ、ファンタジーなわけであり、主人公がいきなり墜落死なんてありはせず、アリスがゆっくりと落下した先はちょっとしたホールになっていた。
と、言うかだな、何故後から入ったはずのお前が見えなくなるくらい遠くまで行っているんだ?
「急いでいるからに決まっているではありませんか?」
ああ、もういい解った解った。
何? ここは何処だ?
いや、そう聞かれてもだな長、じゃないアリス。
ホールと言うかなんかの部屋っぽいって事しか解らんわけだ。
上から降ってきたわけだから、もちろん、そっから這い上がるなんて出来てもやっちゃダメだからな。
お兄さんとの約束だ。

 

俺を睨んでもどうしようもないぞ、とりあえず、その部屋を見てみたらどうだ?
扉がいくつかに、真ん中に台がこれ見よがしにあるな。
うん? 扉が描いてあるだけだって?
仕方ないだろう、そんなのいちいち作ってたら時間足りなかったんだから。
台の上に鍵があっても絶対あかないんだから意味ないとか、そういう事言っちゃいけません。
第一、台の上には他のものもあるだろう?
そう、その瓶。
いや、朝比奈さんが昨日に準備してた麦茶だとか、そういう解説は良いから……喉が乾いていて丁度いいだろう?
喉が渇くとしたら俺の方って? 気にするな、慣れているから。

 

よし、飲んだな。ライト消さないとダメなんだ。
さすがに大中小と、全部の舞台セットなんて作れるわけ無いだろう?
いや、長…アリスが大きくなれば良いとか言い出すなよ?
お前が今着ているのはエプロンドレス、スカートだ。
で、舞台は観客席より高いわけだからして…だから、何故俺を睨むんだ?

 
 


なんだか解らない……こらこら、麦茶だったとか言うんじゃありません、瓶の中身を飲んだアリスは、ぐんぐん大きくなっていきました。
大きくなったから、上の穴に届くなんて言うのはよしなさい。
届いたとしてもホラ、アレだ。
穴の大きさってモノもあるだろう?
まぁ、そういう訳でと言うかだ、普通いきなり大きくなったら驚いたり、困ったりするもんだぞ?
何故? とか言って首を傾げるんじゃありません。
少なくとも、その部屋より大きくなったらどうする? 部屋か自分が壊れちまうぞ?
それは困るだろ? じゃあどうする?
へ? またそれを飲むのか?
いや、それで大きくなったんじゃないのか?
何々、大きくなる薬じゃない可能性がある?
で、また飲んでみたアリスは……今度は縮むのか……なんだって? 不思議の国のアリスだと小さくなるのが先だった?
細かい事をよく覚えてる奴だな、さすが長……読書好きなアリスだけはあるな。
まぁ、なんだ、尺の都合上とかそういう奴だから、あまり気にするな。
第一、それは原案で、この演劇はまるっきり別物だからな。
それにお前、基礎の脚本は長……お前がしたんだろうに。

 

と、無駄話しているうちに縮んだな、よしよし。
結局あの麦……じゃなくて瓶の中身はなんだったんだろうな……こら、人のミス見て笑うんじゃない。
小さくなったアリスはまた困るわけだ。
困らない、とか言うのは無しにしてくれよ。頼むから。
むしろ都合がいい、とかそう言うのも無しだ。
排水用の溝が、扉の横に開いてるからこの部屋から出れるとか、そう言うのに気が付いてから、そう言う事は言おうな。
そうそう、その溝を歩くんだ。
安心していい、今は水なんてたまってないから。
よしよし、そこからトコトコ出てくれれば良い。
出たな、場面切り替えるぞ。
次は外の場面だったかな……

 
 
 


家……だな。
そうそう、そっち半分が内部で、こっち側が外側って事になっている。
で、アリスは中に入り込んでいるわけだ。
そうだな、不思議の国のアリスだと白兎の持ち物を探して、入っていたんだったな?
今のアリスはどうしてだって?
そう脚本でなってたからだが……なに? 確かその手前もちゃんと原案通り書いたはずだって?
「あ、そこ長くなるから変えたわよ?」
じゃあ何で家の中にいるんだよ?
「さっきの溝からそのまま続いてただけよ」
と、言う事らしいぞ長、アリス。

 

「そして、僕の出番……と言う訳ですね」
忌々しい事にな。
「さて、僕は先ほどはめていた手袋と、持っていた扇子を探しにきたわけです」
まて、さっき持ってたか? 扇子。
「いえ」
おい。
「まー、良いじゃないですか。取り合えずその二つの品をここに取りに来た、それだけは事実なんですから」
じゃあとって来たらどうだ?
「そうしたいのは山々ですが。さて、ここで問題が発生しています。この家には今、鍵がかかっていまして、外からは開ける事が出来ないんですよ」
中に居るアリスなら開けれるんじゃないか?
「基本的に今の僕、つまり白兎は中に人が居るとは思っておりません。さらにこう言った場合、アリスは不法侵入しているわけですから、自分から中に居るという事を知らせる可能性は、かなり低いと言わざるをえないでしょうね」
じゃあ、鍵を使って開ければ良いじゃないのか?
「それがそうもいかない、これがこの状況のミソでして。先ほどの部屋の台の上にあった鍵が、実はここの鍵だったと」
取ってくれば良いじゃないか。
「白兎は急いでいて、とてもそれでは間に合いそうもありません」
どうするつもりだ?
「俺が煙突から入って、取ってくるって寸法さ」
谷……じゃ無くてトカゲが煙突から入るわけだな。
「おう、こうスルスルっとだな……」
脚本にはこう書いてあるな。『アリスは、入って来たトカゲを、思いっきり蹴りとばし、追い出す』
あ〜っと、長……じゃないアリス、手加減はしてやれよ。
よし、了解したみたいだな……まて、今物凄い音がしたが……
お〜いトカゲ〜生きてるか〜?
息はあるな、よしOK
「『よしOK』じゃね〜……まぁいいもん見れ……、ってちょっと待て、……誰だ? ………ぎゃーーーーーー!!」
…………まぁ、あいつなら殺しても死にはしないだろうから、大丈夫だな。
「んなわけ、あるかぁ〜〜!!」
元気じゃないか。

 
 


と、ここで一旦休憩に入りますっと。
劇をしている方もだが、見ている方だって疲れもする。
生理現象もあれば、飲食をしたくもなるしな。
「あ、キョン。ちょっとナレーション用の台本見せて」
と、何か考えつつ告げるハルヒに、まあ休憩の間だけならと台本を渡す事にする。
「と言っても、ハルヒ。その台本……」
「いいから、さっさとよこしなさい」
俺は「ほらよ」とハルヒに台本を渡し、舞台から戻ってきた長門とついでに古泉に声をかける。
「疲れて無いか? 長門……と、ついでに古泉」
「ついで、ですか」
ついででも、言ってやるだけありがたく思え。
谷口には言う気なんて無いんだぞ。
何か、あっちの方から睨まれた気がするが、気にはしないでおく。
ん? 少しは疲れてるだろ? あっちの椅子で少し座っていれば良い。
長門はほとんど立ちっぱなしになるからな、後半も。
肯定の仕草をして、並べてあったパイプ椅子のひとつに、ぽつんと長門は座った。

 

「まあ、長門さんも僕も、あなたよりは疲れていないとは思いますよ」
そりゃな…ナレーションの上に舞台の設置の手伝いまでやらされるとは思わなかったが。
あーけどだ、お前らは観客の目があるから緊張も多いだろ。俺はその点に関しては、顔出ししていないわけだし。
「まあ、そう言われればそうですが、あなたもなかなかのものですよ」
お前に褒められても嬉しくない、いや、裏がありそうで逆に怖いぞ。
「裏なんてありませんよ」
そう言う事にしておいてやる。
と、俺はそろそろ後半の舞台設置の手伝いだな。
古泉、お前もほどほどに休憩しておけよ。無駄に出番は多いんだからな。
「ええ、そうさせてもらいます」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:23 (2710d)