作品

概要

作者YuNA
作品名Sweet night
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-06-02 (月) 22:35:14

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

時計を見れば既に24時を回っていた。
夜中に着信音で起こされた俺は布団から出て携帯を置いた机に向かう。

こんな時間に、誰だ?
少しイライラしつつもディスプレイを確認する。
すると表示される 長門有希 の文字。

長門が俺に?どうしたんだ、それもこんな時間に?
「……来て」
それだけを言うと電話が切れた。

長門の頼みを断れる理由なんて俺にはあるはずも無く、
急いで着替え、自転車で夜中の街へ。
少し肌寒い夜風が心地よい。
しかしこんな夜中に何事だろう?
まあ、本当に力が必要なら古泉とかに頼るだろうから
そこまで重要な事でもないのだろう。
そんな事を考えているうちに通いなれたマンションへ到着。
エントランスから呼び出してドアを開けてもらい、部屋へ向かう。
708号室のドアを開けて顔を出している長門。
「上がって」
長門は小さな声で部屋に入るように促し、早足でキッチンへ向かった。
どうやらお茶を入れてくれているようだ。
とりあえずこたつの前に座って待っているとティーポットとカップを持って戻ってきて
お茶を注いでくれた。
「どうぞ」
お、今日は紅茶か。それにしてもこの時間まで制服なんだな、お前は。
とりあえず少し紅茶を飲んで尋ねてみる。

「それで、何の用だ?」
「………」
ちょっと戸惑った様な顔をして潤んだ瞳で俺のことを見つめてくる。
その反則的なまでに可愛い表情で、長門はとても長い沈黙の後、
とても不安そうに、弱々しい声で呟いた。
「…用がないと……呼んじゃ…だめ?」

理解するまで少し間があった。
つまり、ただ俺に傍にいて欲しくなった、そう解釈してよいのだろう。
「そんな事無いぞ、お前のためならいつでも来てやる」
長門の顔に安堵の表情が浮かぶ。
そして俺の横まで寄ってきて、肩にもたれかかってくる長門。
「こうして…あなたに甘えてみたかった」

ああ、そうか。
長門がこんな事をしてくるなんて思ってもいなかった。

そりゃ、誰だって人に甘えたくなるときもあるよな。
それに気付いてやれなかった自分に、
そして何もしてやれなかった自分にとても腹が立つ。
こんな事言わせてごめんな。
こんな願いでいいのなら、いくらでも叶えてやるさ。
「なあ」
「……」
「もっと甘えたっていいんだぞ」
なんて言うと一瞬ためらいながらも、肩にあたまを擦りつけてきた。
その姿はあまりに愛らしくて、頭を撫でてやった。
くすぐったそうにする仕草が可愛い。
俺は長門の温かさを感じながら心地よい静けさに身をまかせた。

そのまま過ごすうちにどれくらいの時間が経ったのだろうか。
長門は俺が帰るかもしれないということに不安を覚えたのかもしれない。
「…行かないで」
泣きそうな細い声で言いながら、俺の腕を掴んで
今にも泣き出しそうな目で見つめてくる。
おい、そんな顔するなよ。
「長門、俺はどこにも行かないから」
長門の顔がほころぶ。
「今ぐらいはわがまま言ったっていいんだぞ」
それを聞くと、俺の腕をひいて寝室へ向かう長門
そして。
長門が布団に入って俺を招く。
「一緒に寝て」
長門よ、理性がぶっ飛びそうなんだが。
いくらなんでもそれは…。

「…だめ?」
首を傾げて可愛らしく聞いてくる。
そんなことをされて俺が拒否できるわけもなく、
これがこいつの願いなんだ、と自分に言い聞かせ
おずおずと布団に入る俺。
「腕枕…して」
腕を伸ばてやると嬉しそうに頭を乗せてくる。
嬉しそうな長門の表情が嬉しい。
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
いままで見たことのないような幸せそうな顔をして目を閉じる長門。
そういえば親に何も伝えてこなかったな。
まあ、後のことは起きてから考えるとしよう。
目を閉じて半分寝かけていたその時。
「ん…ぅ」
長門の寝言。それをさらけ出せるほどこいつに信頼されてるって思うと嬉しい。
でも、どんな夢見るんだろ?
ぼやけた頭そんなことを考えていたら
「……キョン………すき……だいすき…」
ん?今何かすごいこと言ったような…
思わず目を開ける。そこに写るのは綺麗な長門の寝顔。
俺のこと好きって言ったんだよな。
もう寝言だったとかいうことはどうでもよかった。
とにかく目の前にいるこの少女がたまらなくいとおしかった。

なあ長門、こんな俺を好いてくれて本当にありがとな。
「俺もお前が大好きだ」
そんなことをつぶやきながら
長門の体をぎゅっと抱き寄せて
幸福感に包まれながら
俺は深い眠りに落ちていった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:19 (3088d)