作品

概要

作者ちの たりない人
作品名シナリオ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-05-15 (木) 08:40:38

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

雨が降り始めたのは、昼休みに入って少し経った辺りだった。
わたしは読んでいた本を閉じ、窓の外へと視線を向ける。

 

ここに至った経緯をわたしは語る術を持たない。
それは、確かにわたしが経験し、私が記憶し、わたしが過ごしてきた時間ではあるが。
ただ、それにわたしの意思が関与した事はほとんど無かった。
行動した、と言う点においては私は確かにそうしてきた。
それは朝比奈みくるもそうであるし、古泉一樹もまたそうであるのと同じように。

 

おそらく、これまでの経緯のほとんどがわたしにとっては、ただの物語と同じなのだと思われる。
そう、今手元にあるこの本と同じ。
荒筋と結末は書かれる前から決まっていたような……。

 

わたしは本を棚に戻すと部室を後にする。
雨足はさらにはやまりつつあり、季節の変わり目が来た事を告げているかのようだ。

 

「あ、長門さん。また部室行ってたの?」
呼び止められて振り向いた先には、クラスメイトの女子一名。
肯定の意を示すわたしに彼女はさらに尋ねてきた。
「誰かと一緒とか?」
わたしは首を傾げて見せる。
何らかの事象が起きた際などに、SOS団の誰かが訪ねてくる可能性は確かにある。
また、気まぐれに"彼"などが昼の時間を過ごしに来る可能性もある。
ただし、基本は一人で居る事の方が多い。
こう言った場合は、どう答えるのが彼女の質問の真意にそえるのかと、思案していたわたしに彼女はこう問いかけてきた。
「いつもってわけじゃないって事?」
的確な質問であり、わたしは肯定の意を示す。
「なるほど。それじゃあ…………」

 

日記、と言うものがある。
日々起こった事を徒然なるままに書き記すそれは、決まった筋道も決まった結末も無い。
ここに至った経緯を語る資格は無いわたしではあったが、これからの事を語る資格はあるように思う。

 

『五月××日 曇りのち雨
 クラスメイト女子より、これから先、共に昼食をとろうと、告げられた』

 

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:16 (2711d)