作品

概要

作者せだえんらc
作品名キョン・ジェノサイダー・周防
カテゴリーその他
保管日2008-05-14 (水) 18:40:42

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜登場
思念体登場
天蓋領域登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

※これは440と対になっているお馬鹿な駄文です
 恐縮の極みでございますが先に440をお願い致します

 
 
 

決着はいつだって唐突だ

 

「貴方に−−−決着を−−−申し−−−込む」

 

その日、俺は周防九曜に申し込まれた

 

 

それはある日の昼休みだった

 

俺が長門といつもの通り部室で昼飯を食っていた時、周防が一人でそこを訪れた

 

ハルヒがSOS団の奴隷サークル「コンピ研」に作らせた「射手座の日」の新作

 

あの日、ハルヒが俺を狩ろうとしたあのDiskをなぜか周防が手に持っていた

 

どうやらあのゲームで対決したいらしい、しかしなぜ長門で無く俺と?

 

「話は−−−聞いた−−−条件は−−−あの時と−−−同じ−−−ただし」

 

ただし、と言葉尻に付け加えて周防は俺を見つめる

 

なぜかその目に感情を感じた気がして、俺は胸騒ぎがした

 

「貴方と−−−私の−−−一騎打ち」

 

その直後、長門が周防を見据えて身を硬くする

 

俺の耳にはその後に続いた周防の微かな呟きが届いていなかったのだ

 

「決着を−−−つける−−−男と女の」

 

 

最初から索敵解除とはサービス満点だな

 
 
 
 
 
 

俺は相手の余裕に感嘆の溜息をつきながら画面を眺めた

 

目の前には周防の艦隊、5千隻が展開している

 

相手は5千隻、こちらは1万5千隻、3倍の戦力だ、そして相手の位置もわかっている

 

にもかかわらずこの余裕

 

あの時の長門でさえ包囲完了までは陣形は明らかにしなかったというのに

 

何か策があるのだろう、それとも策を弄さないことこそが策なのか?

 

さあ、どう仕留める?

 

ほんの一時だけ微笑んでくれた運命のチャンスを俺は優柔不断で逃がした

 

判断に迷い出遅れた俺の目の前で周防の艦隊が2つに分裂し逃げ始めた

 

俺はその動きを誘いと知りつつもどちらを先に堕とすか悩んだ

 

   二人のヒロインを追う主人公は一人のヒロインも得ずよ?

 

なぜか天啓のように不可解な言葉が頭に思い浮かんだ

 

だが俺は選べなかった

 

そしてその俺の目の前で周防の艦隊は更に分裂していった・・・

 

 

あの時と同じだ

 
 
 
 
 
 

心を1つに決められず周防を追いつづけていた俺の艦隊は、

 

いつの間にか正確な真円を描いた周防の分艦隊に包囲されていた

 

俺は悔やんだ

 

乙女心のように揺らめく周防の分艦隊の進路を追い続けた結果がこのザマだ

 

周防の分艦隊はある物は俺から逃げ、ある物は俺を誘い、ある物は俺を傍観していた

 

そして気がついた時には俺は周防の手中の真只中に居たのだ

 

「その戦法は推奨できない、既に過去に私が敗退している」

 

周防の傍らに立つ長門が周防に忠告する

 

「大丈夫−−−新たな−−−戦法を−−−考案済み」

 

そして長門に向かって不敵に微笑んだ

 

「そして−−−必ず−−−ゴール−−−する」

 

周防の真意を見抜いた長門の目に暗い感情が篭った

 

 

俺は周防の言葉に頭が冷え切り、そして冴えきった

 

そうだろう

 

彼女達が同じ過ちを繰り返すわけがない

 

戦訓という貴重な情報に耳を貸さない訳が無い

 

例えそれが敵対する者の行った過ちであっても

 

「降伏を−−−勧告する−−−猶予は−−−1分」

 

勝利を確信した周防が俺に告げる

 

だが俺は猛然とあるマクロを組み立て打ち込んでいた

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

覚えておくがいい、俺が男というものを教えてやる

 

奇跡は起きるものじゃない起すものだということを

 

追い詰められた主人公が、何をするか、見せてやる

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

俺は賭けた

 

あとは周防の選択がどちらになるか?だけだ

 

それで全てが決まる

 

俺は周防の傍らに立つ長門をそっと見つめた

 

周防が長門の対称存在ならば・・・

 

      それなら

 

     それなら・・・

 

   俺の本当の選択は・・・

 

猶予が終わった

 

周防の指先が微かに動いた

 

 

「やはり−−−彼が−−−選んだのは−−−貴女」

 

そう長門に呟いて周防は部室を後にした

 

画面の中では周防の艦隊が全滅し「YOU LOSE」の文字が浮かんでいた

 

周防の分艦隊は同士討ちを避けるため、円周を描きながら砲撃を加えてきていた

 

その瞬間、俺の艦隊も10個に分裂した

 

周防の射線をすり抜けるように

 

俺はそのようにマクロを打ち込んでおいた、そしてもう1つも

 

しかし、そのままでは旋回する周防の射線に薙ぎ払われる

 

それを避け、周防を自滅させるたった一つの冴えたやり方

 
 
 
 
 
 

同じ方向に旋回すること

 
 
 
 
 
 

その選択は2つに1つ、二者択一、生き残れるのは片方だけ

 

ならば俺はどちらを選ぶ?

 

クリックしようとする指が止まる

 

その瞬間、初めてPCに触れた長門の姿が目に浮かんだ

 

まるで何かを俺に伝えようとマウスを廻していた長門の姿が

 

      それなら

 

     それなら・・・

 

   俺の本当の選択は・・・

 

俺の指先が微かに動いた

 

 

出会いはいつだって唐突だ

 
 
 
 
 
 

俺が周防の親玉から一方的な接触を受けたのはその日、自分の部屋に寝転んだ瞬間だった

 

<我、天覆領域のイントルーダー・周防九曜が一時的に未知なる存在の支配下に置かれた>

 

いきなり前振りなしで要件だけが俺の脳裏に浮かび上がった

 

俺は絶句した、まさか天覆領域が俺に意思疎通を求めてくるとは・・・

 

だがその直後に伝わってきた想念に俺はそれ以上に驚愕した

 

≪我々、情報統合思念体もその未知存在の干渉を捉えた≫

 

長門の親玉までもが俺に接触してきていた

 

敵対しているはずの両者が、俺を軸として触れ合っていた

 

≪我々は今回の事件を世界の外側からの干渉ではないかと考えている≫

 

  世界の外側?異世界のことか?

 

しかし俺の問いは無視された

 

<相手が支配を行う際に使用したHNの1部だけは判明している>

 

≪しかしそれを追撃することは両者の協力ですら不可能であった≫

 

  なんだそれは?

 

問い返す俺に両者は1つになってただ一言、ある返事をよこした

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【____・ジェノサイダー・nayuki】

 

 

「あらあら・・・、やっぱりかなわないわね」

 

リビングで娘のノートPCを拝借していた女性はなぜか嬉しそうに呟いた

 

「どうしたんですか?」

 

コーヒーを片手にリビングを通りかかった彼女の甥が話しかける

 

「面白そうな”端末”があったから勝手に借りてゲームで遊んでたんだけど・・・負けちゃったの」

 

その答にその少年は不思議そうに小首をかしげた

 

「そうですか・・・でも負けたのにどうしてそんなに嬉しそうなんですか?」

 

そう、その女性はなぜか嬉しそうにしていた

 

少年にはその乙女心がわからないのだった

 

「うふふ、だって相手は・・・・・・・・・異世界の貴方ですもの」

 

左手を頬に当て、聖母のような微笑のまま微かな声で答える

 

水無瀬秋子の呟きは木目シ尺ネ右一の耳には届かなかった

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:16 (2710d)