作品

概要

作者ID:g5hsdrE6
作品名長門分
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-05-05 (月) 15:56:32

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 朝。
 カーテンの隙間から漏れる光が心地良い。
 今日も良い日になりそうだ、と思える、それはもう最高の目覚めである。
 何故かって?
 手を繋いだまま一緒に寝ていた、有希が隣にいるからな。

 

「おはよう、有希」
「……」
 俺と有希は同時に目を覚ます。
 それが手を繋いだまま寝ているからなのか、それとも愛の力ゆえなのかは分からない。
 それでいいのさ。一緒に起きる事で、俺は有希の、有希は俺の寝起きを見れるからな。

 

 最近は妹に起こされることも無くなっていた。
 朝、有希との時間を邪魔されたくなんかないからな。
「……」
 その有希は顔をこちらに向け、目を閉じている。ああ、忘れていた。
「おはよう、有希」
 おはようのキス。まさか俺がこんな事をする日が来るとは思ってもいなかった。
 運命ってヤツだな、きっと。
「……おはよう」

 
 

 一緒に朝食を取り、一緒に登校する。
 有希が俺の家に居る事に対し、母親は最初何かを言っていたが
 今はそれが当然であるかのように接している。
 どうやら嫁・姑の関係は良好なようだ。さすが有希。俺も安心出来るってもんだ。

 
 

 自分のクラスに到着した後は、ホームルーム開始のチャイムが鳴るまで有希と共に過ごす。
 有希と手を繋いだまま、取り留めの無いことを話したり。
 有希が俺の膝の上に座ってきて、俺はそんな有希を抱きしめたり。
 そんな感じだ。
 俺と有希のクラスが違うせいで、授業中には有希に会えないからな。クラス分けめ。忌々しい。

 

 俺達の仲を引き裂く実に忌々しいチャイムが鳴り、岡部がやってくる。
「…………」
 有希、そんな悲しそうな顔をするなよ。俺まで寂しくなってくるだろ?
 俺は有希に口付けをする。しばしお別れのキス。

 

 それを見た岡部が何も言わないのも、すでに日常。

 
 

 授業が終わるのは、思っているよりも早い。

 

 俺が有希の事を思い、
 ハルヒが俺をシャーペンで突き、
 俺が有希の事を考え、
 ハルヒが俺をシャーペンで突き、
 俺が有希の事を想像し、
 ハルヒが俺をシャーペンで刺し。
 いつもはそんな風に授業は終わっているのだが、ふと廊下を見ると

 

「……」
 有希が居た。黒い瞳に寂しさが浮かんで見えるから焦ったね。

 

 トイレに行くフリをして廊下に出る。
「どうしたんだ、有希?」
「緊急事態。このままではわたしの活動に影響を及ぼす可能性が高い」
 緊急事態だって?
 俺の有希が緊急事態と言うからには、それはもう大変な事態なんだろう。
 なんだ。俺はどうすれば良い?
「あなたはそのままで構わない。わたしがなんとかする」
 焦る俺。そんな俺に抱きついて来る有希。
「あなた分が不足した。このままでは危険。補う必要がある」
「ああ、それは緊急事態だな」
「そう。緊急事態」
 抱きしめた有希のやわらかさと、鼻腔をくすぐる甘い香りが最高だね。
 俺もしっかりと有希分を補い、有希を堪能し、さらに有希分を補ってから授業へと戻った。

 
 
 

「とまあ、こんな感じではないでしょうか」
「それで?それで??」
 喜緑さん、何ですかその妄想は。何が「こんな感じ」なんですか。
 朝倉、目を輝かすな。机に身を乗り出すな。

 

 その間にも喜緑さんはけったいな妄想話を続け、朝倉は赤面しながらも実に楽しそうに聞いている。
 ……長門、頼むからふたりを何とかしてくれ。
「……」
 長門?
 見れば長門は何処かぼんやりとしていた。その姿は冬合宿の時のそれに似ていて―――
 くそっ。なんで気がつかなかったんだ。

 

 長門は口を開き、少し熱を持った視線で
「あなた分が不足した」

 

 やれやれ。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:15 (1744d)