作品

概要

作者ID:OJHIrB/l
作品名vs中河戦
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-03 (木) 07:29:35

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

冬休み、某日。することもないので今まで通り文芸室に通う。
しんしんとする冷たい部室の中、無名作家の本を読んでいると、
「よっ」軽く手を上げ構え、彼が部室にやってきた。早い。軽く驚く。
「よう長門。いてくれると思ったぜ」わざわざ言い直す彼。
あなたのためなら私はいつでもここに居ます、待っています。ええ。
彼の台詞がくすぐったくて、思わず眼鏡を抑える仕草を取ってしまう。
自然を装い私の近くへと寄ってくれる彼。そのわざとらしさがたまらない。
自然を装い窓辺からグランドを見やる彼。そのわざとらしさがたまらない。
「長門、ちょっとばかり話がある」何の話だろう。胸が高鳴る。
「お前に惚れたとぬかす奴からの代言をする。聞いてくれるか?」
まったく、素直じゃない。代言じゃなくて本音の間違いだろう。照れ屋さんめ。
「そう」自然を装い彼に返答を向ける。来い来い来い来い。
彼は一枚のルーズリーフを取り出し、その内容を口にする。
延々と語られる愛の告白。その内容は現実的な理想や希望、
それに乗っ取った堅実な実行プラン。それらを交え告げられる恋文。
──ロマンチック、とはこのことを言うのだろうか。
私はその一句ごとに感動し、胸を焦がれ、それに夢を見た。素晴らしい。
彼がこんなにも、まるで星星の煌きの素晴らしさを集約したような文章を書くとは。
そして、それを私に向けてくれるとは。嬉しくて涙が出そうになる。
今すぐにでも承諾したい。恋仲になりたい。むしろコンマ3秒後から夫婦になりたい。
……でも、だめ。メインディッシュは後まで取っておくもの。
それに私は彼を少しヤキモキさせて見たいお年頃。もう三歳だし。
「メッセージは受け取った。しかし応じることはできない」
彼は酷く落ち込んだ様子で(私にはそう見えた)、恋文を丸め窓から放り出す。
安心して。頃合を見計らい、そのプランをスタートさせましょう。うふふ。
すると彼が捨て去った手紙を涼宮ハルヒが拾い上げ、読み、部室に飛び込んできた。
すったもんだの末、あのメッセージが本当に代弁だということは発覚。現実は厳しい。
しかし、彼からあの素晴らしい言葉を向けられていた時、私は幸せだった。
あの文章を考え出した人間に感謝の言葉を述べなければならない。
勘違いの恋文だったのが「少しだけ」残念だ。
だけどいずれ。勘違いではない現実になることを祈りつつ、今日もひと時の夢を見る──。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:15 (2003d)