作品

概要

作者ちの たりない人
作品名ある春の日に
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-03-16 (日) 15:36:32

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

わたしがここに居ると言う事実は、わたしが最初に生み出された時には予想すらされていなかった事なのだろうか?
この事に関する機能は、当初のわたしには無かった筈である。
もしこれが予定調和であるとしたなら、情報統合思念体に対する認識を、わたしは改める必要性があるだろう。
もう、改めていると言えなくも無いが。

 

季節は春。この窓から見える桜は、五分ほどを葉に変えている。
荷物をまとめていた彼が、思い出したように呟く。
「古泉には、一応感謝しないといけないな」
古泉一樹の所属する機関、ここも確かにその息のかかった施設である。
故に、わたし達は細かい事を気にする必要性が無く、普通の事のようにここに居る事が出来た。
わたしは小さな頷きで答える。

 

今日の午前のうちに彼ら、涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹はここに来ると言っていた。
彼にはすでに話してあるものの、わたし達だけで決めてしまうには問題があったし、丁度良いと思えた。
彼女、涼宮ハルヒに問わなければならない事があった。

 

午前、と言ってもそろそろ昼になろうかと言う辺りで、三人が揃ってやってきた。
他愛の無い会話。ある種、懐かしい空気がこの部屋を満たす。
朝比奈みくるはすでに、自分の時間平面へと帰還はしており、去年の六月のあの日と今日の二度、この場に戻って来ているに過ぎない。

 

感傷に浸りかけるものの、今、聞いておかねばならない。
この事は私が言う事を、彼とは決めてある。
わたしは涼宮ハルヒの顔をじっと見つめた。
「どうかした?有希」
「あなたにお願いしたい事がある」
彼女はキョトンとし、首を少し傾けたが「いいわ、何でも言ってみなさい」と、胸を張って見せた。

 

「あなたの名前をもらいたい」
何を言いたいのか解らない、と言った顔を一度したが、涼宮ハルヒは窓の外を眺め、何か、を納得してくれたようだった。
「けど、いいの?」
「いい」
涼宮ハルヒは彼の顔を一瞥し、彼が頷くのを確認すると、
「じゃあ」
と、私が居るベッドの脇にある小さなもうひとつのベッド、そこに眠る小さな命に話しかけた。
「この子は今日から春日ちゃん」と。

 

 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:14 (3090d)