作品

概要

作者ちの たりない人
作品名とある日の前日
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-02-14 (木) 00:20:08

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「いってきまーっす」
玄関から聞こえてきた元気な声に、夢の世界から俺は呼び戻された。
なんだかとても、懐かしい夢を見ていたような気もする。
俺は着替えもそこそこに居間へと足を運び、何気なくカレンダーに目を向ける。
そして、あいつが元気に飛び回っている理由が解った。

 

炬燵に座った俺の前に、音も無く湯飲みが置かれる。
「あいつはホント素直じゃないよな、誰に似たんだか」
そう言いつつ湯飲みに口をつける俺を、ジトっとした目が見つめてくる。
俺は自分自身を指差すと、割合はっきりとした頷きで返された。
「高校の時はそれなりにそうだったかもしれんが」
渋面になった俺を見て、薄い笑みで返される。

 

しかしであるが、確信して言える。そうで無かったら歴史が変わっていた、と。
そう考えれば割りと感慨深いものではあるが……。
「しかしだ、なんで対抗馬がアレだったんだ?」
いや、娘のあいつには大変申し訳ないが、アレを選ぶ位なら朝倉辺りのがマシだろう。
そんな事を思っていると対面に座ったこいつは、首を傾げる。
いまだに、と言うのもすさまじく変な言い方だが、付き合いのある相手ではあるが、俺は意思疎通がまるっきり出来んからな。
面白い奴、と言うのだけは間違いないんだが。

 

「あいつ、今日は帰って来ないって事か?」
頷きを返され、俺は、そう言う意味合いでもあるのかも、となんとなく思った事を口にする。
「どっか出掛けるか?」
キョトンと首を僅かに傾げてきた。
「あいつが泊まり込む場所は心配なんて要らない所だし、たまにはさ」
あの頃を思い出そう、なんて臭い台詞はやめておく。

 

出掛ける用意を済まし、玄関を出て空を見上げ、なんとなく呟く。
「あいつらの未来が変な方向に行かなきゃいいんだがな」
そうすると俺がここでこんな事をしている、ってのも無くなっちまうんだろうか?
「だいじょうぶ」
染み入る声で、懐かしい言葉を言われた。
「『あたし』がさせない」

 

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:11 (3090d)