作品

概要

作者見守るヒト
作品名違和感
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-01-29 (火) 22:31:42

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

此処はSOS団室。今日も今日とてハルヒのうるさい声を聞きながらも、意外と平穏な毎日が続くこの頃。
パラリ
「どうしたんです?長考ですか?」
「ああ、すまん」
パチッ
「あ、っと。そこに来ますか。…」
そう言って古泉はまた長考に入ったようだ。
現在俺は古泉と将棋の真っ最中。
朝比奈さんは今お茶を淹れてるところでポットとにらめっこしている。
んでもってハルヒは興味を引かれるもんでもあったのか、ネットでウェブサイトの閲覧に夢中になっているようだ。
長門といえば相変わらず読書一辺倒で黙々と書籍を消化中。
そんな訳でここでは珍しい、外の喧騒が聞こえてくるほどの静かな時間が流れているのだが…
パラリ
なぜだろう、先ほどから凄まじいまでの違和感を俺は感じている。
これは一体なんだ?今日は特別変わったことも無くおかしな事も起きてない。
パラリ
ふと、長門が本のページをめくる音が耳に飛び込んでくる。
パラリ
なんとなく、古泉が考え込んでいる間の暇つぶしにとその音に耳を傾ける。
パラリ
ん?
パラリ
ん〜?
パラリ
んん〜?
もしかして違和感の正体はこれか?
「長門」
俺が長門に声をかけると、アイツはスイッと本から目を放して俺を見る。そして『1センチ程』首をかしげ
「・・何」
と、三点リーダ一つにはびみょ〜に満たないであろう間をおいて返事をした。
こちらを向くあいつの瞳と真正面からかち合う。
そのまま見詰め合うこと十数秒。
やっぱり。こいつ、いや、この人は…
なるほど、それならこの違和感にも納得がいく。逆に疑問が増えてはしまったが。
自分の中である程度の解決がなされ長門から目を離そうとする、が
「キョン〜?な〜にを有希と見つめあったりしちゃってるのかしら?」
しまったことに、我らが団長殿にその現場を目撃されていたようだ。なんだハルヒ、お前サイトを見てたんじゃなかったのか?
「ふん、話を逸らそうったって無駄よ。わたしの前で有希を視姦しようなんていい度胸じゃない。覚悟はいい?」
なに言ってやがる、そんなこと俺がいつしたってんだ。
「言い訳は見苦しいわよキョン!大人しく罰を受けなさい!」
こうなったハルヒを俺程度が止められるはずも無く、静かだった雰囲気は一変、騒々しいままにその日の団活は終わりを迎えた。

 
 

「よう、待ったか?」
「・・・・・別に」
帰り際、ハルヒにばれないよう長門に「今日、一緒に帰らないか?」と伝えたところ、「かまわない」との返事がもらえたのでハルヒが帰るのを見計らい俺たちは合流した。
「それじゃあ、帰るか」と俺が言うとコクリと一つ頷いて歩き出した俺の後ろをついてくる。
道すがらたわいの無い話を長門に振る。するといつもどおり「そう」とか「いい」といった簡単な返事が返ってくるのだが、やはり違和感を感じられずにはいられない。まあ、俺の推測が正しければそれは仕方ないのだが。
「そういえば今日は生徒会のほうはいいのか?」
何気なく、自然でありながら明らかに不自然なその俺の台詞に長門は
「大丈夫」
と答えた。俺はそうかと一言だけ答える。
「………あら?」
しばらくそのまま歩いていた長門がそういった。いや、長門ではなく…
「あらあら、やっぱり気付かれていたんですね」
「それは、まあ。流石にわかりますって。なんでそんな姿してるんですか『喜緑』さん」
そう、長門と同じ、対有機生命体コミュニケート用ヒューマノイドインターフェースである喜緑江美里さんである。
「長門はどうしたんですか?」
「長門さんはお休みです」
俺の質問にあっさりと答える喜緑さん
「お休みって…あいつに何かあったんですか?」
「ふふ、心配ですか?」
そういって何やら悪戯っぽく笑う喜緑さん。中身が喜緑さんとわかっているとはいえその顔で笑うのはよしてください。正直、心臓に悪いです。
そりゃあ心配するさ。あいつが病気にならないのは先刻承知だし、怪我だってすぐに治せるのもしってるし。
なのにその長門が休むってのはそれ相応のことがあったってことで…
「そんな顔をなさらなくても大丈夫ですよ。長門さんは…わかりやすく言えばメンテナンス中です」
「メンテナンス?」
それはまた何というか、機械チックな理由だな。
「実際には少し違いますが近い意味でということです。長門さんはその役割上どうしても扱う情報量が大きくなりますから。本来なら簡単なもので一晩あれば終わるんですが、今回は少しばかり大掛かりなものなものになってしまって。今日一日はかかると思います。」
「そうですか、長門が休んだ理由はわかりました。じゃあ何で喜緑さんが長門のふりをしてるんです?」
「あなたに心配をかけたくなかったそうです」
はい?
「自分が休むことであなたに余計な心配をかけたくなかったそうですわ。放っておくと今にも飛び出していきそうだったので、わたしが身代わりえおすることにしてどうにか抑えてきたんです。その時の長門さんを思い出すと…ふふ」
長門よ、その気持ちはひじょう〜にありがたいが自分のカラダぐらいは大切にしてくれ。
「それよりもよく気付きましたわね。わたしなりに自信はあったつもりなんですけれど」
「まあ確かに姿はそっくりですよ。俺だって最初はわかりませんでしたし。でも失敗しましたね」
「何がです?」
「本を読むスピードです」
「はい?」
「早い時と遅い時のタイムラグがありすぎですよ。長くて4、5秒の差がありますし。あいつは常に一定なんです。本の内容にかかわらず」
ん?何故か喜緑さんが目を丸くしている。長門の顔でそんな表情をするものだから非常に貴重だ。カメラを持っていないのが悔やまれるな。
「あと、首を傾けすぎです。あいつの場合髪が揺れるというか、それすらも怪しい程度しか動きませんし。極めつけは目です」
「目、ですか」
「そうです。あいつは俺を、俺たちをまるで遠くから観察対象を眺めるような目で見ることはありませんよ」
少なくとも今は、な。
「……ふふふ。何となく、長門さんがあそこまで変わった理由がわかるきがしますわ。あなたは本当に面白い人ですわね」
「そうですか?」
俺としてはそんなつもりは毛頭無いんだがな。
「そうです。…少しだけ、長門さんが羨ましいですわ」
「何か言いましたか?」
「いえ、なんでもありませんわ」
そういった喜緑さんの顔がなんだか物悲しそうに見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。
それからは特に会話も無く、俺は公園のところで喜緑さんと別れた。
明日は長門の元気な顔を見られるかね。
一日会わなかっただけなのに、やけに明日が待ち遠しく思っている自分がなんだかおかしかった。

 
 
 
 

「…と、いう具合でした。本当、彼はあなたの事をよくみてますわね。」
「……」
「照れなくてもよろしいですのよ?」
「別に照れていない」
「あらあら」
「……」
「でも、彼に見つめられた時少しだけ血圧が上がってしまいましたわ。不思議と心拍も上がったきもしますし」
「!」
「一体なんなんでしょうね?フフフフ」
「……」

 
 
 

その翌日。何故か長門が素っ気無く、話しかけても返事をしてくれなかった。俺、何かしたか?

 

「…ばか」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:09 (3084d)