作品

概要

作者ちの たりない人
作品名観察者〜T〜
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2008-01-14 (月) 09:32:35

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

まともに自己紹介をしておくべきなのかどうなのか、多分にもってそれは必要と思えない。
取り合えず、私自身の個人名義をTとしておこうと思う。
あくまで便宜上なので、こっから本名だの、誰か?だのを推測しない事。
と言うかするだけ無意味な時間になると断言しておく。

私Tはとある"機関"に所属している。
ショッ○ーだとか秘○戦隊とかじゃないけれど。
ある意味においては、この世界を守っている方にはなる。大きな声じゃ言えないし、信じてもらえるわきゃないし。
第一において、周りに居る方々がある意味、胡散臭すぎるのもどうかとは思ってるけれど。

ただ、私自身末端も末端。つうか、つい最近入った新人新米炊き立ての味。…いや、お米じゃないけど。
んで、今日はなんだか良く解らない任務を受けてここに来た。
いやまぁ一応において、なんとなく意味合いは解るんですが、私達の主任務を避ける為だと言う事は。
某御大の"憂鬱"を未然に防ぐ為の何かって言うのは、これを言って来た人の口ぶりからして解るんですが。

『Tさん、そちらの様子はどうですか?』
携帯電話の向こうでこの"機関"での先輩で、たっしか同い年の男性が聞いてきた。
「あ、はい。今現地に着いたところです。ところで、"観察せよ"ってどーゆー事なんです?」
指示を受けてからこっち、ずっと頭を跳ね回っていたクエスチョンマークを、この際だから聞いてみる。
『文字通りの意味ですよ。簡潔に言えば、見ていてもらえればいいんです』
無駄に爽やかな0円スマイルが思い浮かぶ。うん、胡散臭い。
『多分、そろそろその辺りに着く頃です。後はよろしくお願いしますよ』
そう告げられ、電話は終了。私は頭に入れたターゲットのデータをもう一度反芻する。

っと、ターゲットが来た。
ここは駅前で、今もそれなりの人通りがある。普通にしている分には気が付かれる心配は……
うん、無理だ。諦めた。つかさじ投げた。
ターゲットはもう一人の、多分同じ年位?の女性と歩いている。
ターゲットに近付く率のある女性データはもちろんもらっていたし、その中にある人物に違いはないんだけど。
御大とか未来人とかは割と鈍感だとデータにあるんですが…なんでよりにもよってTFEIですか?
と、携帯が鳴る。どうやらさっきの先輩からだ。

私は素早くとると、小声で捲し立てる。
「TFEIの方が傍に居るんですが、どうやったら悟られないように観察なんて出来るんです?私、幾らなんでも情報操作だとか無理だし、私、隠密スキルはマイナスで多分挑発ついてますよ?」
『隠密スキルがどうとかはともかくですね』
苦笑。その表情が容易に脳裏に浮かぶ。
『長…TFEIの彼女なら多分大丈夫です。本人やターゲットなどに危害を加える、と言った場合でない限り、彼女自身も"観察"に徹すると思われます』
「いきなり解剖されたりしたり…そう言う場合はちゃんと責任とってくださいよ?」
『ははははは…まぁ、とにかくがんばってください。とにかく、ターゲットの"彼"が、気づかなければ成功ですから』
それで携帯は切れる。どうやら、TFEIは無視出来ると言いたかったんだろうけど。
っつかその、TFEIからガン見されて無いか?私?

「ん?どした長門?」
「……」
TFEI…面倒なのでターゲットが呼んだ名前で言うと、長門さんはターゲット…たしか資料には"キョン"とか変な名前が書いてあったっけ…の方を向く。
「なにも」
キョンさん…この名称では非常に呼びにくいので敬称略そう、うん…キョンは一瞬考えるような顔はしたものの、
「ま、長門がそういうなら、そうなんだろうけどな」と、歩き始めた。
追尾開始追尾開始っと。
しかし…私はいつから浮気調査する探偵になったんだっけ?
いや、まぁキョン=ターゲットのこれが浮気かどうかとかは私にはさっぱり解らんわけだが。

進行方向はっと、て…ちょっと待て。
別段、変なホテル街へ〜だとかじゃなく、単に図書館へ向かっているのは明白なれど…人通りが少ないんですが。
つか、私と彼らしか居なくなっていってるんですが。
どーするか…
取り合えず平常平常心。私だって一応立派に高校生だ、図書館に行く事に何処に不思議があろうか、いや無い。
と、私のではない携帯がなっている。
「誰だ?古泉〜?何か緊急の用事とかじゃないだろうな?」
キョンはポケットから携帯を取り出し、そう呟いてから出た。

どっかで聞いたような名前が今聞こえたような…と
「なに」
「ぐげぺ?」
目の前に長門さんが居た。ちなみに、悲鳴と言うのは文字にしにくいなぁと痛感もした。
「大丈夫」
顔、無表情。声、淡々。初めて間近で見るけど、そういう部分取っ払っても人間にしか見え…って感心してる場合じゃなくて。
「大丈夫?」
鸚鵡返しに問い返した私に、長門さんは表情ひとつ…少なくとも私から見たら…変えずに続けた。
「彼は今電話中。小声なら聞こえない」
聞こえなくても見えたら駄目だと思うけど、そこら辺はどうなんでしょうか?

「あなたは彼を注視し、私にも注意を払っていた」
そんなにマジマジ見た記憶は欠片ほどしかないんですが。やっぱし、私にはマイナススキルの挑発でも発動してるんだろうか?
「遠目とは言え、彼の視界にあなたは間違い無く入っていた。しかし、彼はあなたに対して関心を一切しめしていない。また、わたしの記憶にもあなたと言う女性に対してのものは無い」
それはそうでしょ。私だってあなた達を見るのは初めてなわけだし。
「え〜っと…」
言い訳模造中。こう言う時、かの先輩はすらすらと嘘を並べるんだろうなぁ、うん、胡散臭い。
私はと言えば、そう言うのが得意なわけでもないわけであり、出てくるのは「その〜」だの「あの〜」だの。
いやいや、先輩は何で私にこの任を言い渡したのか、理由を400字詰め原稿用紙に書いてもらいたいなぁと。

目の前の長門さんは、多分考え込んだんだと思う。でないとこの間は無い。この間が基本だったら、私の前に一瞬で来れる筈はない…主観ほどあてにならないものは無いけども。
ちなみに、キョン氏はいまだ電話中。キョンシーに似てる言い回しになったなぁとか、あほな事を考えていると、長門さんは口を開いた。
「あなたは彼に興味があり、それと同等にわたしにも興味を抱いたと推測される」
うん、半分ハズレ。単に見ろって言われただけ。なんだけど、なんだかすごく迫力あって何もいえません。
「ライバル?」
そう告げた長門さんをしばし凝視…単語が頭に入っていきませんけども。なんと仰られました?
「はい?」
しばらく放心したように…と言っても無表情なんで、なんか考えてるのかどう思ったのかなんて、さっぱり私には解りませんが、した後、こう告げた。
「訂正。今のは失言。忘れる事を強く推奨する」
私、きっとあほな子のような顔をしてました。
まぁ、それは兎にも角にも、なんと言いますか、無表情だけど凄んでませんか?
なんか、忘れなかったらとんでもない事されそうな、殺気と言うか危機と言うかそんなものをヒシヒシ感じるわけですが。

キョンシー…うん、これで良いやもう、はチラリとこちらを見はするものの、電話が忙しい様子である。
「あなたは古泉一樹と同じ能力を保持していると思われる。あなたがわたし達に注視するのは、ソレ、及び古泉一樹の所属する機関に基づくものと推測する」
正解です。賞品は何もありません。っつか、先輩、観察に徹してくれませんよこのお方。
もう任務失敗は確定事項なわけなんだけど、私はどうして良いか思いつきもしないので、取り合えず笑う事にした。
「あ…あはははははははは」
ほら、よく言うじゃない。苦しい時こそニヤリと笑え、と。
ほんとに苦しい時笑ってたら単なる変な奴だけどさ…

「古泉の奴一体なんの用だったんだか。スマン長門、そろそろいくか」
キョンシーさんが電話を終えてやって来た。なんだか彼の名称が原型を崩し始めているが、気にしたら負けだと思う。多分大丈夫、ゾンビさんとは呼ばないから。
「大丈夫」
言ってキョンシーさんの方へ振り向く長門さん。うん、もちろん彼の視線は私を捉えている。
はい、任務失敗もはやこれまで、さようなら。
「えっと…誰だ?」
キョンシーさんは長門さんに問いかける。誰ってのはもちろん私の事である。
ってか、私達3人しかこの場に居ないんで、他の誰かなんて言う都合のいい事はありえません。
「…」無言無表情無感情の三無主義な顔がこっちを向く。
私は視線で(言わないで〜)と込めて見つめてみる。
あ、しまった。何を〜の部分を込めてない。
せめて機関がどうのが出なければ、まだ救いがあるんじゃなかろうかと、思ったり思わなかったりしますんで。

「知り合い」
すみません、それ単純すぎます。いや、本当の事言われるよりかは助かりましたが。
「クラスの?」
「違う」
とまたこっちを向く長門さん。
つか、そこで私に振りやがりますか?
私は何とかかんとか、長門さんのデータを頭から引っ張り出す。んで、そこから知り合えそーな部分を出してくる。
「き、近所に住んでて、その、コンビニとかであうから…」
あ、あはははは。……我ながら、こういう芝居は下手だ。
「へぇ」
アレ?今のド下手糞な嘘信じました?
と言うか、私のさっきの一言にどこか安堵した様子なキョンシーさん。どことなーく、優しい目で長門さん見たりしてるし、うーむ。

「と、取り合えず、デートの邪魔あんまりしちゃ悪いから、私はもう行くね」
デートと言う単語にキョンシーさんは「そう言うわけじゃなくてだな」とか言っている。ただ、その表情は否定し切れていない。
ちなみに、長門さんはキョンシーさんを無表情見つめしている。
「てなわけで、それじゃ!」
言って来た道を走り去る私。風に乗って聞こえる長門さんの声「不思議な人」…うん、あなたに言われたくない。

『なるほどなるほど』
私は、彼らが見えなくなって即、携帯で報告をした。
失敗の一言だけではなく、何故だか携帯の向こうのお方は詳細まで聞きました。
『あなたが観察に失敗するという事は、言ってしまえば予定の内なので何の問題もありません』
ちょっと待てコラ。
『あなたのその行動自体は、想定された成功の範疇に入ります。今日はお疲れ様でした』
無料スマイルの顔が余裕で想像できる言い方に、私は思わず口を滑らせた。
「今度あったとき、殴って良いですか?」
『せっかくですが、遠慮しておく事にしますね、それでは』
そこで電話は途切れた。
なんて言うか…うん、胡散臭い。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:07 (2704d)