作品

概要

作者晩秋 愁詫
作品名長門の護衛
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-11-11 (日) 07:08:52

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

ヤンデレ?注意

 

キョン視点

 

今日は日曜だと言うのにハルヒの「探索の回数を上げれば遭遇率もあがるわ!という訳で明日も集合!」という事で、国民の定休日である日曜日に、外出の用意をしている、やれやれ・・・連日振り回されているおかげで今日もギリギリの起床だ、妹の目覚ましダイブアタックにより本格的な遅刻はまだ無いが、今日も野口英世との涙のお別れのようだ

 

まぁそう愚痴をいいながらも、アイツとの団活を楽しんでいる自分も居るんだがな

 

駅前に何故かロードレーサー並みの高性能を出せるママチャリを飛ばしてみたが、やはり俺が最後のようだ

 

「すまん!」

 

「キョン・・・何時になったら早く来るようになるの!?」

 

やれやれ、まだ集合時間15分前なんだかね
「なんですって?」
しまった!つい声にでてしまったようだ、なんて誤魔化そうかと考えていると

 

「・・・・彼は遅刻していない」
長門が弁護してくれた、なんてこった、また迷惑をかけてしまったな

 

「あら有希?キョンを庇うの?いつもビリから二番目なのに?」

 

「・・・・・・・・」
なんと、長門が集合に4番目というのは以外だ、まぁ、情報なんたらの対有機生命体用インターフェイスもこう毎週休みを返上すれば休む暇も無いだろうに
少し重い空気が流れる、今にも泣きそうな朝比奈さんがこっちを見てる、いいでしょう!任せてもらいましょう!っといっても参った、どうやって場の空気を緩和させようかと考えていると

 

「まぁまぁ、いいじゃないですか、予定よりも早く集合できたのですし、彼の奢りで朝のミーティングを始めましょう」

 

「・・・それもそうね、みんな早く行くわよ!!」

 

古泉、ナイスだ、一触即発のような空気はどこか彼方に行ったが、最後の言葉が余計だ、お前に奢るなんて考えたら無念の涙で枕を絞れるぐらい濡らしてしまいそうだ。
「ひどい、言われようですね・・・」
だから、顔の近くでにやにやするな!喋るな!息をするな!鳥肌が立ったぞ、どうしてくれる!!

 

「あの・・・ほんとに、いつもすみませんキョン君。」
すまなそうに謝る朝比奈さん、いいーんですよー!貴女はまだまだ成長期なんですから、じゃんじゃん食べないと。

 

「・・・・・」
「長門、お前も気にせずに食べろよ、いつも苦労かけてるしな」
「・・・・ありがとう」
こいつも最初会った時より表情が増えた気がする、っと言っても俺しかその微々たる表情変化を確認できないようだが

 

ハルヒを先頭に何時もの喫茶店に入った俺達は、大量の注文を消費していくハルヒと長門を眺めながら各々の注文したコーヒーやらジュースを飲んでいる
なぁハルヒもっとこう女の子らしく食べられないのか?すっかり常連の俺たちと知り合いになった店員の須田さんが苦笑いで見てるだろ。

 

「キョン!そのカフェオレ飲まないなら私が頂くわよ!」

 

「なっ!まだ自分のが残ってるだろ?」

 

「それも飲みたいの!いいからよこしなさい!!」
「まてまて!ぜんぜんよくないぞ!!」
お前は昔の悪代官か、貧しい農民から唯一のドリンクまで奪う気か?

 

「私も飲みたい、そのカフェオレを要求する」
長門ー!!何でお前まで!

 

「あの・・・わたしもいいt・・」
「古泉お前は黙ってろ!!」

 

「はい・・・」

 

「あの〜私のでよければ・・・」
弱々しく自分のコップを差し出す朝比奈さん

 

『みくるちゃんは黙ってる!!』
『貴女は黙ってて』

 

「ふぇ〜ごめんなさいですぅ・・・」
なっ!SOS団の癒しのエンジェルに何てこと言いやがる!
「おい、朝比奈さんになんていい・・・」

 

「団員の物は私の物よ!だからキョンのものは私の物なの!!」
「我々全員にはこの国にで定められた人権がある、それは何者もおかしてはならない、貴女の言い分はただの我がまま」
「なによ!なら有希の物でも無いでしょ?」
「そう、だから私は彼に頼んでいる、山賊のように奪おうとしていない」
「山賊ですって!!」

 

誰か頼む、この騒ぎを止めてくれ他の御客の視線も痛いし、須田さんはますます苦笑いしてるじゃないか、古泉は俺が撃沈して沈んでるし、おろおろしている朝比奈さんに頼むのは酷だろう

 

「おいハルヒ、そろそろやめろ・・・恥ずかしいだろ」

 

「なによ!!有希を庇う気?」

 

「そうじゃない、だいたいなんでこのカフェオレじゃないといけないんだ?注文すればいいだろう?」

 

「そっ、それは・・・」
ハルヒさん?なんで赤くなるんですか?

 

「まったく・・・すみません注文いいですか?」
「あっ・・・」
「・・・・・」
程なくして二つのカフェ・オレか来た、ふくれっ面で飲むハルヒと淡々と飲む長門
やれやれ・・・かんべんしてほしい

 

各々は注文した品を食べ終わり恒例のくじ引きになり
結果は北を俺とハルヒ、南を、長門、朝比奈、古泉となった。
昼の集合は何時ものようにこの喫茶店となって勘定を済ました後、一時捜索のため解散だ・・・長門そんな目で見ないでくれ、離れられないだろ

 

午前中はやはり何の成果も上げられなかったが、上機嫌のハルヒにあちこち連れられて少々疲れたが、少し照れた顔で手を引っ張るハルヒが可愛かった、まったくいつもこうならいいんだか

 

お昼の集合になり
またハルヒと長門が衝突しないかとハラハラしながら昼食を食べた後、午後のくじ引きだ

 

「はい、キョン」
「おう・・・赤だ」
「印ありね、いいのを引いたわねキョン!」
満面の笑みだな、まったく。

 

「じゃあ次はみくるちゃん」
「えっと・・・印なしですぅ」

 

「じゃあ次は古泉君」
「でわ・・・白ですね」

 

「次は有希はい、引いて」
「・・・・・・・・」
からんっと小さな音で長門の手から爪楊枝が落ちた、どうやら印無しのようだが、長門がものを落すのは珍しい
「じゃあ、午後の班もこのままね、私達は東を捜すから古泉君たちは西を・・・」

 

「まって・・・」
我先に席を立ったハルヒを止めたのは、長門だった

 

「何かしらー有希?」

 

「そっちのくじも見せてほしい」
「どうしてかしら?」

 

「・・・見せてほしい」

 

「ふーん、この私を疑うの?まぁいいわ、はい」
そうしてハルヒは赤い印のついた爪楊枝を長門に渡した
「っ・・・」
「これで文句は無いわね?さぁキョン行くわよ!不思議は待ってはくれないわ!!じゃあ4時にここに集合ね!」
俺の手を掴んでズンズンと玄関に向うハルヒ
「おいっ、ハルヒ!」
長門たちの姿がどんどん小さくなっていくと思ってらもう外にいた、まったく素晴らしい早業だ
取り残された長門のことが気になったが、古泉たちもついている事だし大丈夫だろう、だが何で長門はあのくじに執着したんだろうか?なにか事件でもあったのだろうか、あいつは人知れず背負い込む癖がある、何かあるのなら力にならないと・・・

 

「ちょっとキョン!聞いているの!?」
「あっ、すまんなんだ?」
「なんだ?じゃないわよ!だいたいキョンは・・・」
やれやれ・・・考える時間もくれないのか、っと思いながらハルヒを宥めるのに苦労した俺は今度一日荷物もちをするという条件を呑むことになった、さて・・・今度の大寒波をどう乗り越えるか。

 

午前のようにハルヒに連れられて彼方此方に行った後、程なく集合の時間になり、集合した、この時には二日にわたる不思議探査での疲労がピークになりすぐさま解散となった
ハルヒはまだまた元気そうだが、古泉と朝比奈さんがとくに疲れた表情をしていたのでハルヒも遠慮をしてくれたのだろう

 

団員に別れをつげたあと、俺はすぐに帰り明日に備え早めに寝た、やれやれ今日はいい夢が見れそうだ。

 
 

長門視点

 

今日の彼の就寝時間は平均より2時間12分43秒早い、昼間、涼宮ハルヒに不思議探索を名目に散々連れ回されたおかげで疲労したのだろう、自立進化の可能性を監視するのが私の任務だが、あの雌犬につきあわせられた彼はとても不幸で見ていられない、作り笑いを強要され、無計画に行動を強制し、彼の金銭を無駄に浪費させる、あの雌犬はやはり有害な存在、情報の分析が終れば直ちに生命活動を停止させるつもりだ

 

「すぅ・・・すぅ・・・」
愛しい彼が気持よさそうに眠っている
私はいつのまにか手を伸ばし、彼の頬に触れた後前髪を撫でてる、指の間を彼の髪の毛が滑る感触がとても心地いい
「すぅ・・・すぅ・・・」

 

・・・やはり彼には私が必要、一番無防備な睡眠時に触れられたと言うのに身体活動に全く変化が見られない、もしこのとき朝倉涼子のようにナイフで襲われても、きっと無抵抗のまま死んでしまうだろう、彼を外敵から守るそして幸福に出来るは私だけ
「・・・私がついている、いつまでも・・・どこまでも」

 

彼の寝顔を眺めているといつの間にか窓の外が明るくなって来た、愛しい人との時間はあっと言う間に過ぎると本に書いてあったがまったくそのとおりだ

 

――とっとっとっ、ガチャ
「キョンくーん!朝!!」
彼の妹が部屋に入ってきた、私の姿が可視光に頼る肉眼に映らないようしているが二人の時間を邪魔するのは無粋

 

「ほらっ!おーきーてー!キョンくん」

 

「んっ・・・あと五分・・・」

 

「だめー!おきるのー!」
揺すっても起きない彼に妹はいろいろする・・・私もあんなふうに彼を触りたい、だがまだ権限が下りない
妹は今回も彼を起こす決定打を持っていないことが分かったらしく、結局彼をベットから引きずり出して起こしたようだ

 

「キョン君おはよう!」

 

「んー・・・おはよう」

 
 

「・・・おはよう・・・・」

 
 

「んっ?・・・今何か言ったか?」

 

「えー?わたしなにもいってないよー」

 

「ふーん・・・疲れてるのか?」

 

つい彼の耳元で声を出してしまった、あまりにも迂闊「ステルスモード時は声を出さない」と何度もプロテクトをかけたのに彼の言葉は一瞬でそのプロテクトを崩壊させてしまう
・・・やはり彼という存在はとても重要、いかなる状況にも対応できるよう、彼を私の情報統制下に隔離ができるセキュリティーレベルAA+を統合思念体に申請

 

――・・・否許可

 

現状のレベルA+で彼を護衛し涼宮ハルヒを観察せよ、と1215回目の否決
どうして?彼の周りには幾百の危険な存在が確認できるのに、幸せに出来るのに、なぜ?どうして?なぜ?どうして?なぜ?どうして?なぜ?どうして?なぜ?どうして?・・・

 

彼は妹と顔を洗い、美味しそうに食事をし、トイレに入った後、学校の準備を始める
私は護衛のため片時もはなれない、ずっと見守り続ける
玄関を出た後、自転車を押しながら妹と話している

 

「でねーミヨキチがね・・・」

 

「そうか、それは楽しそうだな」

 

・・・うらやましい
どうして私は会話能力が高くないのだろうか、観測特化型とは言えスムーズに彼との会話をしたい

 

「あっ!みっちゃん!キョンくんいってきまーす!」

 

「走ったら危ないぞ」
妹を少し見送った後、彼は学校に向うため自転車に跨るそれと同時に私も荷台に座る、彼が自転車扱ぎ始め、風が私達をなでる・・・きもちいい

 

「この自転車、異様に軽いんだよな・・・」
しばらく走っていると彼がもらした、そう私はこの自転車に私が乗ることで彼が負担を感じないようブースト強化をしている、だが彼がそれを不満とするなら・・・少しだけ強化数値を下げてみた

 

「あれっ?なんか重くなったな」

 

「・・・・・・」
やはり強化値を元に戻した、やはり負担になりたくない

 

「・・・?」
彼は首をかしげながら自転車を進め続け、やがて何時もの駐輪場に到着する
自転車に施錠して学校へと歩く彼に合わせて私も歩く

 

―――スタ、スタ、スタ・・・
  ―――すた、すた、すた・・・

 

手を繋ぎたい、今すぐにステルスモードを解除して私に向けられた「おはよう」の声を聞きたい、でも後54メートルの我慢、そうしたら私達の待ち合わせの十字路

 

―――スタ、スタ、スタ・・・
  ―――すた、すた、すた・・・

 

後32メートル、私はこの時が一日で一番長い時間に感じる

 

―――スタ、スタ、スタ・・・
  ―――すた、すた、すた・・・

 

早く、早く、早く早く早く早く早く
後6メートル、ここで始めて彼を追い越す
角にいち早く曲がって、ステルスモードを解除、彼を待つ、到達予想時間、4.35秒
・・・・来た

 

「よう長門、おはよう」

 

「・・・・・・おはよう」

 

「今日はいい天気だな、調子はどうだ?」

 

「・・・わりと」

 

「そうか」

 

私達は学校へと歩く、とても幸せでずっとこうしていたい
「あなたは・・・」

 

「んっ?」

 

「あなたは今日、国語の教科書を忘れている」

 

「えっ?」

 

「私の国語の授業は1間目、あなたは3間目にある、私から借りるといい」

 

「ん・・・あっ、ホントだ、すまん長門2時間目の休み時間に借りに行くな」
少し考えた後、そう言って私に笑いかけた

 

「・・・いい、でも条件がある」

 

「んっ、なんだ?」

 

「手を繋いでほしい・・・」

 

「・・・どうしてもか?」

 

「どうしても・・・」
彼は「坂の手前までだぞ」といって恥ずかしそうに手を握ってくれた
幸せ・・・明日もこうしてもらいたい、そうだ明日から彼のカバンの教科書を一冊抜き取ろう、そうしたらまた手を繋げる

 

「長門、いつもすまんな」
彼が私に笑いかける

 

「いい」
私はそう答えて、彼と歩き続けた。

 
 
 
 

「それにしても長門、どうして俺が国語の教科書を忘れた事を知っているんだ?」
「・・・秘密」

 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:02 (2504d)