作品

概要

作者インシデント
作品名キョンの誕生日
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-10-01 (月) 09:16:28

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「そういえば、あんたの誕生日っていつだっけ?」
そんな事を不意に涼宮ハルヒは聞いてきた。
「何で、そんな事を聞くんだ?」
「質問を質問で返すんじゃないわよ」
と不満そうに言いながらもハルヒは答えた。
「あたしたちは、これまでにも色々なイベントを祝ってきたじゃない? クリスマスとか節分とか」
「そうだな」
「でも、キリストの誕生日も祝わなくちゃならないけど、私たちの愛すべき団員の誕生日も祝わなくてはならないと考えたわけ」
何だそりゃ。お前が愛を語るなんてはなはだ意外だ。新約聖書でも読んで、愛に目覚めたのか。
「バカ。まあ、そういうわけだから、誕生日を盛大に祝おうと聞いてるわけ。部室に行ったら、有希やみくるちゃんや古泉君の誕生日も聞きだすつもりよ」
朝比奈さんや古泉はともかくとして、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスの長門に誕生日はあるのかね。
と考えるのもそこそこに、仕方ないので答えてやった。
「俺の誕生日は、一週間後だ」
「一週間後!?」
途端に、ハルヒの目の色が変わった。まるで、獲物を捉えたライオンのような目だ。俺の誕生日がそんなに重要だというのか?
「何で、それを早く言わないのよ」
「何でといわれても。聞かれなかったしな」
「はあ? バカじゃないの?」
どっかで聞いたようなセリフをいってから、ハルヒはこう宣言した。
「一週間後、キョンの誕生日を盛大に祝うから待ってなさい!」
はて、進化の可能性で、時間のゆがみで、神かもしれない涼宮ハルヒ閣下に誕生日を祝ってもらうのは喜んだほうがいいのかな。
ちなみに、ハルヒはその後の授業中、ずっと何か独り言を言っていた。
他人の行動に文句をつける趣味はないが、怖いからやめてくれ。

 
 

この日の放課後、SOS団の活動は何ら変わりなかったが、あとで聞いた話によると、俺が帰った後に毎日四者会談を行なっていたらしい。
そういえば、長門が読書を終了する時間はいつもより早いように感じたし、帰るのはいつも俺が最初だったな。

 
 

そんなこんなで一週間後。
家では妹や母親が誕生日の準備をしていたから、今日は間違いなく俺の誕生日である。
驚いたことに、今日のハルヒはいつもどおりだったが、それも当たり前のことだったかもしれないな。
何故なら、俺の受難はいつだって放課後の文芸部室だったからな。

 
 

部室には三十分後に来なさい、とハルヒに命令されてしまったので、俺は行ったことがなかった図書室で暇を潰している。
初めて来たが、まあそれなりに本はそろっている。
適当に、俺は本を読み、三十分後きっかりに文芸部室を訪ねた。

 
 

「ハッピーバースデー!」
文芸部室に入った俺を迎えたのは、SOS団の面々と大量のクラッカーだった。
それにしても、どうして誕生日にはクラッカーを鳴らすんだろうね。
まあ、そんなのはともかく、部室には「HAPPY BIRTHDAY!」という幕があったり、ケーキがあったり、長門が三角帽をかぶっていたり、何故か朝比奈さんはサンタ姿だったりと、普段のSOS団とは様変わりしていた。
「いやあ・・・まあ・・・何と言ったらいいのやら」
予想はしていたが、こうまで祝われると人間、言葉が思いつかないね。
「何よ。何とか言いなさいよ。まあ、そんなのはどうでもいいわ。プレゼントタイムよ」
ハルヒはそういい、ラッピングされた箱を取り出した。
「はい。プレゼント。言っておくけど、変な期待しないでよ?」
変な期待はしないが、中身は気になるので、早速プレゼントを取り出してみる。
中身は、夫婦茶碗だった。
「夫婦茶碗って・・・ハルヒ。俺は、まだ結婚していないんだが」
「いいじゃないの! 茶碗は、毎日使うでしょう? ありがたくつかいなさい! そして、未来の奥さんに・・・」
ハルヒはその後、ゴニョゴニョ言っていたが、何かは聞き取れなかった。
まあ、いいや。愛すべき朝比奈さんがプレゼントを渡してくれるようだからな。
「はい、キョン君。喜んでくれるか分からないけど・・・」
いえいえ、朝比奈さん。あなたに渡されるのであれば、たとえ缶コーヒーだとしてもありがたく頂戴しますよ。
そう言ったら、ハルヒが何だか睨んできたが、この際無視だ。
朝比奈さんから渡されたのは、茶葉のセットだった。
「散々迷って、こんなのになっちゃったけど、良かったですか・・・?」
「いえいえ、ありがたく頂戴しますよ。本当にありがとうございます」
さて、次は古泉である。大して期待はしていないが。
「・・・何だこりゃ?」
包みを開けると、中にはCDがあった。
「こういう誕生日プレゼントには、心のこもったものが必要だと思いまして。ですから、あなたへの思いなどを綴ったオリジナルソングを歌ってみました」
気持ち悪いことをいう。歌詞カードを見てみると、まっがーれ↓スペクタクルという曲名らしい。
閉鎖空間などの用語が出てくるから、ハルヒには聞かせられないな。もっとも、俺も聞く気は毛頭ない。
さて、ラストは長門だ。朝比奈さんの次に重要だから、期待が高まるな。
長門が差し出したのは、花束だった。
「・・・感謝の気持ち。ライラック」
言葉少なに、長門はライラックの花束を俺に差し出す。
まあ、長門といっちゃ、長門らしいプレゼントかもな。
「おう、ありがとうな。長門」
「いい。感謝すべきはこちら」
「何か、いい雰囲気ね・・・。さ!ケーキを食べるわよ! ケーキ!」
若干いいムードだった雰囲気をハルヒは豪快に遮り、強引に誕生日パーティを進めた。
その後もつつがなくパーティは進み、鶴屋さんが来て俺に一発芸を求めたり、突如カラオケ大会を行って朝比奈さんが個性的な歌声を披露したりと大騒ぎだった。
ああ、楽しかったさ。だって、そうだろ?

 
 
 
 
 

彼の誕生日が一週間後に差し迫っていると涼宮ハルヒから聞かされたときは、なんとも迂闊だった自分を恥じた。
その点は、涼宮ハルヒに出し抜かれてしまったが、日ごろの感謝の気持ち、そして秘めた思いを伝える為にはプレゼントが不可欠だ。
最初、何をプレゼントすべきか分からなかった。でも、周りに知られずに気持ちを伝えるのは、これしかないと最終的に決定した。
それは、ライラックの花束・・・花言葉は、「初恋」、「愛の芽生え」、「出会いの喜び」など。
意味を伝えるのはいつになるだろう。その日がくれば・・・いいな。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:00 (2704d)