作品

概要

作者G.F
作品名県立北総合病院 Part2
カテゴリーその他
保管日2007-09-29 (土) 09:06:46

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「長門、ちょっと…」
ある日の県立北総合病院。
医局に入ったとたんに彼に声をかけられた。
「…何?」
「お前、確か口腔外科兼務だったよな」
はい、そうですけど…それがどうかしたんでしょうか?
「舌癌の手術…って出来るか?」
「…舌癌?」
彼は小児科医。そんな彼の患者ということは子供…多く見積もっても高校生以下…の患者に決まっているのだが…子供で舌癌?
「無理か?無理なら朝倉に頼むが…」
そんな…いくら外科医だからって…涼子に頼むなんて…。
「…患者に会わせて欲しい」
仮にも診察科目が「口腔外科」である以上、こっちにもこっちなりの意地がある。
「じゃ…行くか?」
「やっほー、みんないる?」
二人して出て行こうとしたところへハルヒが高校時代以来の癖で勢いよくドアを開けて登場した。
「ハルヒ…ここは病院なんだから…静かに開けろ」
彼が苦笑している。
まったく…あなたには常識というものがないのですか?
「困ったものですね、涼宮さんも」
古泉君も苦笑している。
少し遅れて涼子がやってきた。
「あ、涼子…ちょうどよかった」
…ということは…ハルヒも手術の要請?
「どうしたの?」
私と彼は顔を見合わせる。
「実は…オペをお願いしたいんだけど…」
「オペ?」
「ええ…胃潰瘍の患者なのよ」
「いいわよ。それじゃ…患者のところへ案内して」
…というわけで私たち四人は目的の階こそ違うものの同じエレベーターに乗る羽目になってしまった。

 

患者の搬送は谷口君や国木田君、中河君たち看護士にお願いして、私たちは手術室に向かい、手術用の服を着る。
「あら、有希と涼子も…オペなんですか?」
偶然というものは恐ろしいもので…消毒室には江美里さんが先にいた。
「有希と涼子も…って喜緑さんもこれからオペなんですか?」
彼が聞く。
「ええ…それも緊急オペ。何でも救急救命士の説明によると…バイク乗ってて信号無視で走ってきたトラックに側面からドカン、とやられたらしい…んですよ。キョン君の妹さんが撮ったレントゲン写真およびCTによると頭がやられているみたいなんですから」
「やぁねぇ…キョンも気をつけなさいよ。あんた、バイク乗ってるんでしょ?」
「気をつけなさいよ…って…おいこらハルヒ、お前もバイクに乗っている以上人のことは言えんだろうが」
「そういえば有希も原チャリ免許でスクーター乗ってるでしょ?気をつけてね」
「…気をつける」
「美代子ちゃんにも言っといたほうがいいですよ」
「…言っておく」
「みくるちゃんにはあたしから言っとくわ」
「あ、キョン君、佐々木さんにも言っとくように。これこれこういう事故があったから気をつけるようにって」
「解ったよ、言っとくよ」
そういえば…と、私は思い出してみた。
バイクに乗っているのは彼とハルヒとみくるさんと佐々木さん、彼の妹さん、それから私、美代子ちゃん。
私は身分証明書代わりが目的だから原動機付き自転車免許しか取っていない。
美代子ちゃんも似たような事情からか原動機付き自転車免許しか取っていない。
だから乗っているのは二人ともホンダの50ccスクーター。車種は同じだけど色が違うからわかるんだけどね。
彼と佐々木さんは大型自動二輪免許を持っているから「バイク」と名がつくものなら何でも乗れるという。
ちなみに彼は1000ccのサイドカーに、佐々木さんはナナハンの大型スクーターに乗っている。
メーカーは二人ともヤマハ。
ハルヒとみくるさんと彼の妹さんは普通自動二輪免許だ。
ハルヒとみくるさんはカワサキのレプリカ、彼の妹さんは彼のお古のホンダのオフロードに乗っている。
排気量は3人とも250cc。つまり高速道路を走れるタイプだ。
ちなみに車の免許を持っているのは古泉君、涼子、江美里さん、鶴屋さん、橘さん、藤原さんで、周防さんは無免許。
だからツーリングのときは私は彼のサイドカーのサイドカー部分に乗っているし、周防さんは佐々木さんとタンデムしているし、美代子ちゃんは涼子の車(ちなみに涼子はオートマチック限定なのだけれど乗っている車は軽オフロード四駆)の助手席に乗っている。
おっと…閑話休題。
「患者が救急処置室から来たようですから行きます」
江美里さんはそういうと第三手術室のほうへ行った。
ハルヒと涼子は胃潰瘍の患者がいる第一手術室へ、私と彼は小児癌、それも舌癌の患者がいる第二手術室へ向かう。
「…麻酔」
患者に麻酔をかける。
そして…口を開けさせると、そのまま固定。
「…メス」
「ほい」
彼の手から、私の手にメスが渡された。

 
 

「…鉗子」
「ほい」
それにしても本業歯科で口腔外科兼務だからか「口腔部以外の箇所の手術は駄目」とはいえ、長門のオペの腕前は手馴れたものだった。
的確に癌の箇所を見つけると摘出を始めた。
まあ長門にしてみればいつも抜歯などちょっとしたオペみたいなものだから手馴れているのだろうか。
「…もうひとつ直角鉗子」
「ほい」
それにしても癌が割と小さいうちでよかったな…と、俺は患者の顔を見つめる。
もしもう少し進行していたら舌全体を摘出しなければいけなかったところだからだ。
他の箇所の癌だったら放射線も考えられなくもなかったのだが舌癌だと箇所が箇所だけに放射線を使うとやばい可能性があるからな。
それにしても手術室が第四まである割と大型の病院でよかった…と言いたいところだ。
ふと俺は他の手術室の様子が映し出されているモニターを見てみる。
朝倉・ハルヒ組は胃三分の一切除および幽門との結合に移ったところだ。
そしてもう一人、喜緑さんは頭蓋再結合に入った様子。
「…終了」
俺は時計に目をやった。
ほぼ予想内の時間だった。
俺たちは消毒室に向かうことにする。
看護士が患者を安定室に運ぶ準備を始めた。
そこへあわただしくなったかと思うと患者がキャスターに載せられて手術室に入ってきた。
「何かあったのか?」
俺は続けて入ってきた古泉に聞く。
「はい…救急患者。何でもマムシにがぶりとやられたとかです」
「何だって?」
古泉はそのまま更衣室に入った。
俺と長門は顔を見合わせた。
患者がマムシにやられた場所は古泉が入ってきた時点で知れている。
何しろ古泉の診察科目が診察科目(泌尿器科)だからな。
大方立小便をマムシにかけたら怒ったマムシががぶりとやったのだろう。
だとすると…医者がこういうこと言うのもなんだけれど患者の自業自得なのだが…と、俺は想像した。

 
 

「――」
休憩を終えて歯科へ戻ると周防さんがさすがに「疲れた」という表情になっていた。
ごめんね、オペの間、一人でさせちゃって…。
ふと…時間を見ると、その日の受付終了まであと1時間、診察終了まであと2時間という時間に迫っていた。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:04:00 (3092d)