作品

概要

作者109
作品名リクSS その2
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-08-26 (日) 23:46:30

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

《リクエスト スレ84冊目》


608 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/04/04(水) 22:44:38 ID:unDKxVaZ
ハルヒがどっかから拾ってきたバレーボールでSOS団の皆と
バレーをすることになり、中庭で5人でトスとかレシーブをしていた。
そこで朝比奈さんが暴投を犯し、木にバレーボールを引っ掛けてしまった。
キョンが木の棒でボールを落とそうとするが微妙に届かない。
そこで、有希たんがおもむろにキョンを座らせ、キョンの肩に肩車をしてもらい、
それでボールを取る。

という電波を寝る前に受信した。

スレの流れを全く読まないことこの上ないが、今文章化しとかないと
忘れてしまうような気がするので投稿することにする。誰かSSにしてくれたら
ありがたい。 長文スマソ。


   
※ スレに掲載したときと、少しオチを替えました
   
   
「みんなーっ!いまからバレーボールやるわよ!!」
 授業を終えた放課後、俺達SOS団メンバー全員……いや、ハルヒの奴が姿を見せてなかったから残り団員の4名は例の如く部室に集まり、いつものように過ごしていた。
 俺は古泉と将棋の対戦中であと一歩で詰みのところを、けたたましく部室に現れたハルヒの素っ頓狂な提案で水を差された。
「…一つ聞いていいかハルヒ、なんで今からそんなもんやらなきゃいかんのだ?」
「きまってるじゃない、ここにバレーボールがあるからよ!」
 我がSOS団団長は本日もご機嫌麗しく、沈みゆく夕日と正反対の眩しい笑顔で小わきに抱えた真っ白なバレーボールを青春一直線のように差し出した。
 どっからバレーボールをかっぱらったのかという疑問は脇にどけとくとしても、どこかの登山家じゃあるまいし、ボールがあるからって必ずしもバレーをする必要はないだろ。
「うっさいわね!団長命令よ、外に出なさいキョン。あんたの僻んだ根性、この白球で鍛え直してあげるから!」
 なににそんな燃えてんだ、お前は。無駄に燃やすとオゾン層に悪いぞ。もっとエコロジーを考えてだなあ…。
「面白そうですね、涼宮さん。それでは、さっそく参りましょうか」
「さすが古泉くん!打てば響く、とはこのことね。文句ばっか言ってるどこかの万年ヒラ部員とは大違いだわ」
 古泉のヤロウが率先してハルヒの肩を持つのは今に始まったことじゃないが、今回のは黒星寸前だった対局をチャラに出来るという魂胆だな。案の定、あと一手だった盤上の駒はあっという間に片付けられた。ちっ、いまいましい。
「悪態ついてないでとっとと動けッ!ほら、有希にみくるちゃんも着替えなくていいから、校庭へダッシュよッ!」
   
******
   
「あのぅ、なんでバレーボールで校庭なんですか?」
 校庭の片隅へ出たところで、朝比奈さんが至極ごもっともな疑問をおっしゃった。因みにメイド服という御姿のままでいらっしゃる。
「あのねみくるちゃん。体育館ではバレー部の連中が練習してんのよ、ボールくすねたのがバレちゃうじゃない」
 これでボールの出所がはっきりした。まあ、あまり知りたくもなかった事実だが。
 5人だけで紅白戦など出来るわけもないので、全員で円陣を作り、トスとレシーブでボールを廻すことになった。
「落としちゃだめよ!落としたら罰ゲーム。あと、ちゃんと返せなかった人も罰ゲームだからね!」
 言い出しっぺのハルヒが一番無茶なレシーブをする。古泉は堅実に、長門は精密機械のような正確さで返すから心配ないが問題は朝比奈さんだ。俺は極力他のメンバーに振ったのだが、アタック並みに強烈なハルヒのワンハンドレシーブがよりによって朝比奈さんの方へ飛んでいった。
「きゃんっ!」
 頭を抱え込んだ朝比奈さんの腕に当たったボールはあさっての方向へ飛び、校庭のイチョウの木の枝に引っかかった。木の下まで駆け寄った俺達は上を見上げたが、俺や古泉が手を伸ばしても、ボールが引っかかった枝には全然届かない。
「あーもうっ、駄目じゃないのみくるちゃん」
 なにが駄目だ。いまのはどう見てもお前が悪い。
「木登りするには枝が細すぎるし、幹を揺さぶっただけじゃ落ちてきません。ちょっと厄介ですねえ」
「キョン、あんた肩貸しなさい」
「なんで俺が…」
「つべこべ言わずにしゃがむの!ほらっ!」
 髪の毛を掴まれそうになったので渋々腰を屈めると、背後からハルヒが跳び箱にわざと失敗する要領でポンと俺の肩へ飛び乗った。スカートのままハシタないというか、せめて靴ぐらい脱げ!
「立ちなさいっ!キョン!」
 ずっしり――ていうほどでもないがそれなりの重量を肩に感じながら、肩車したハルヒを押し上げた。健康的にすらりと伸びた太股が実に不健全な妄想を促して…いや、いかん。
 目いっぱいハルヒが手を伸ばすが、手のひらふたつ分ほどリーチが足りない。
「こらー土台、もっと背伸びしなさいよ」
「やっている。これが限界だ」
「飛べっ!キョンッ!」
「アホかっ!」
 そんな不毛な会話をしながらずっとつま先立ちだったから、痛み出していたふくらはぎに我慢の限界が来た。
 どうしても支えきれなくなってしまい、一旦ハルヒを降ろすことにした。
「ちょっとぉ、だらしないわよ!もう一回!」
 文字通り頭の上からものを言うハルヒの袖を、長門がくいっと引っ張った。
「どうしたの有希?」
「わたしが代わる」
「有希じゃ無理よ!あたしよりちっちゃいじゃない」
「大丈夫」
 10カウントほどハルヒは長門の顔をじっと見てたが、やがて仕方なくという素振りで俺の肩から降りた。
「無理しないでね、有希。キョンあんた、ちゃんと支えとかないと承知しないから」
 言われなくたって落っことすかよ。長門、危なくなったらすぐ言ってくれ。
「了解した」
 長門は履いていた靴をそろえて脱ぐと、しゃがんだ俺の肩の上にちょうど正座するように乗っかった。またもスカートから伸びた太腿が両頬に押し当てられ、一瞬、意識が別世界へトラバーユしそうになる…いかんいかん。
「なっ、長門、本当にこの格好で大丈夫か?」
「心配ない」
「じゃ、立つぞ」
 長門の両膝を手で支えながらリフトすると――軽い、軽いなんてもんじゃない。当年で弱冠2歳になる田舎の甥っ子ですら、もうちょっと重いだろう。長門よ、お前ちゃんと食っ……てたよな、軽く俺の倍以上は。
「ほらあ、有希じゃ手を伸ばしても全然届かないじゃない」
 確かにハルヒより長門のリーチが長いわけでも無し、まだハルヒの方が残念賞ものだ。
「手を離して」
「え?」
 思わず両手が長門の膝から離れた途端、只でさえ軽い両肩の加重が完全に消え失せ、長門の温もりが消えた。
 反射的に見上げると、蛙が柳の枝に飛びつくように軽々跳んだ長門がバレーボールを腕に引き寄せ――たと思ったらすぐ落下し、今度はハルヒと同じ肩車の格好で俺の肩の上にふわりと降りた。両肩には羽根が舞い降りた程度の重さしか感じない。
   
 ――と、ここまでは完璧だったが…。
   
 長門が着地すると同時に、フゥッと暗闇が降りてきた。
「あ、あれ?」
 どういうことだ?目の前が見えん。何かに視界を遮られている。なんだろう、この生温かいというか妙になまなましい温もりは…。
「こらぁーっ!エロキョン、どこに顔つっ込んでいるのよっ!!」
 なぜか遠く聞こえるハルヒの罵声が、頬に当たる艶やかな肌の感触に気を取られてた俺の意識を引き戻した。まさか……。
「ぷはっ!」
 首だけ動かして覆っていたそれから顔を抜き出す。あろうことか、俺は頭から長門のスカートをすっぽり被っていた。
「着陸地点は計算通り…だが、スカートの膨張率を考慮に入れてなかった」
 いや、そんな冷静に分析されても。次に訪れるであろうとばっちりに対してなんの慰めにもならん。
 口から火を吐く寸前のゴジラのような表情で立ちすくむハルヒに向き直り、無駄とは思うが一応弁明することにした。
「あー……つまりだなハルヒ、長門の言うとおりこれは不可抗力であってだなあ……」
「罰はなにがいいかしらねぇ。蹴られたい?殴られたい?踏み殺されたい?有希にハレンチな行いをした罪は重いわよ」
 …って聞いてねえし!おまけにどれも穏やかじゃねーぞ。
 まだ肩車したままの長門を降ろそうとしたが、俺の顔を挟む内腿にぎゅっと力が加わった。
「聴こえなかったキョン?今すぐ処刑してあげるから、早く有希を離しなさい」
 処刑は断固拒否するが、長門が肩に乗ったままだと自体が悪化する一方で…って、こらっ!しがみ付くんじゃない。
「な、長門、早く降り……うぷっ!」
 俺の意見はぎゅうう〜と挟まれた太腿に文字通り潰された。
「キョォォ〜〜〜ン?」
 ハルヒの声が危険度MAXレベルまで下がる。やばいっ!
身の危険を感じた俺は、長門を担いだまま逃げることを選んだ。
「待ちなさいっ!待てこらぁっ!!」
 案の定、ハルヒが追ってくる。なんて足の速いヤロウだ。
 長門の体重は無いも同然だから苦にならないが、スイカか何かを抱きかかえるように俺の頭にしっかりしがみ付いて存在をアピールしている。
なあ長門……ひょっとしておまえ、楽しんでないか?
「…楽しい」
   
 俺は楽しくないっ!楽しくないぞお〜〜っ!!
   
   

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:56 (1950d)