作品

概要

作者ギルモア博士
作品名空、碧く、彼方にて(2)
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-08-16 (木) 23:28:14

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「あなたに頼みたいことがある」

一瞬で頭の底辺を彷徨っていた睡魔を振り払って、長門の白い顔を視界に捉えた。
そして、聞き返す。
「頼みたいこと?」
「そう、頼みたいこと」
長門には嫌と言うほど世話になってるんだ。
できることならなんでもしてやるぜ。

「・・・・・・」
数秒の沈黙の後、ゆっくり口を開いた。

「・・・・・・わたしと握手してほしい」
俺はガツンと拳骨を喰らったみたいになった。
「あ、握手?」
抜けた声だっただろうか。
「そう、あくしゅ」

長門が望むなら握手なんて容易いね。ハルヒだとわからんが。
握手とは言わず抱きしめてもいいんだぞ?

多少妄想が入り、長門がじーっと見ているのに気がつかなかった。
「あ、ああ、いいぞ」
ちょっと間を置いて長門が立ち上がった。
そして、俺の前に立つ。

ゆっくりと、無機質な白いくて細い手を差し出してきた。
―――
俺は少しばかり照れくさかったが、長門の為とあらば是非も無し!
同じく手を差し出して、小さな手を包み込むようにやんわりと握ると、
小さな、でも感じる程度の力で握り返してくる。

長門はうつむいていたが、照れているみたいだ。
宇宙人製アンドロイドにも感情が芽生え始めたのかな。

―――
何分経っただろうか。
お互いに握り締めていたが、長門が
「ありがとう」
と言って手をほどいた。

俺はそんな長門を不思議に思いながら、ふと腕時計を見た。

3時55分。やばい、長門、とりあえず走るぞ。

―――
―――
「おっそいバカキョン!!!何してたの!!!」
あーあー。団長様がお怒りだ。
走ってきたんだ、せめて労いの言葉でも・・・・・・
「有希は疲れてないじゃない!走ったフリしようたってそうはいかないんだからっ!」
そりゃ長門は疲れないさ。
サイボーグ009のギルモア博士が作ったエネルギー無限変換装置でもあるんだろう。

ハルヒはそんな俺をまたジト目で見てくる。
うう、やめてくれ。胃が痛い。

結局、古泉、朝比奈さん、ハルヒ(最後まで視線を刺してきていた)と別れるまでに至り、
帰路を同じくする長門と歩いていた。

俺は、ずっと気になっていた事を長門に尋ねてみた。
「なあ、長門」
「なに?」
相変わらず早い返事だ。あのな、さっきの握手は何の意味があったんだ?

長門が足を止めた。
自然と俺の足も止まり、俺が長門を振り返る格好となる。
風が、長門のショートカットを靡かせている。

「あなたに対する改めての挨拶がしたかった。
本来なら今日はあなたは涼宮ハルヒとペアになる筈だった。
でも、私がそれを改変した」
おいおい、そうまでして俺に「あいさつ」がしたかったのか?

「『挨拶』は『挨拶』でも」
一息置いた。
「わたしの、あなたの対する本当の気持ち。それを伝えたかった。今日はありがとう」

俺に対する?本当の気持ち?何だそりゃ?

「・・・・・・・ばか」

何か言ったか?

「何も」

俺がその「挨拶」の本当の意味に気付いたのは、それから3日後の事だった。

―――
―――
「おっそいバカキョン!!!何してたの!!!」
あーあー。団長様がお怒りだ。
走ってきたんだ、せめて労いの言葉でも・・・・・・
「有希は疲れてないじゃない!走ったフリしようたってそうはいかないんだからっ!」
そりゃ長門は疲れないさ。
サイボーグ009のギルモア博士が作ったエネルギー無限変換装置でもあるんだろう。

ハルヒはそんな俺をまたジト目で見てくる。
うう、やめてくれ。胃が痛い。

結局、古泉、朝比奈さん、ハルヒ(最後まで視線を刺してきていた)と別れるまでに至り、
帰路を同じくする長門と歩いていた。

俺は、ずっと気になっていた事を長門に尋ねてみた。
「なあ、長門」
「なに?」
相変わらず早い返事だ。あのな、さっきの握手は何の意味があったんだ?

長門が足を止めた。
自然と俺の足も止まり、俺が長門を振り返る格好となる。
風が、長門のショートカットを靡かせている。

「あなたに対する改めての挨拶がしたかった。
本来なら今日はあなたは涼宮ハルヒとペアになる筈だった。
でも、私がそれを改変した」
おいおい、そうまでして俺に「あいさつ」がしたかったのか?

「『挨拶』は『挨拶』でも」
一息置いた。
「わたしの、あなたの対する本当の気持ち。それを伝えたかった。今日はありがとう」

俺に対する?本当の気持ち?何だそりゃ?

「・・・・・・・ばか」

何か言ったか?

「何も」

俺がその「挨拶」の本当の意味に気付いたのは、それから3日後の事だった。

おわり

――――

後日談

「キョンくんっ!!!!」
部室のドアが勢いよく開いた。
髪の長い上級生がそこに居た。
息遣いが荒い。
おや鶴屋さん。相変わらずお元気ですね。

「キョンくん!!!!見ちゃったよ私見ちゃったにょろ!!キョンくんが有希っこと手つないで帰ってるの!!」
鶴屋さんは顔を両手で覆ってキャーとか言ってる。
まずい、待ってください、と言おうとしたがもう消えていた。

プルルルル
ガチャ
「古泉か。どうした。」
「どうなってるんです!??涼宮さんの閉鎖空間(ryがアーッ!!「ブチッ」」

聞かなかったことにしておこう。
長門と静かな毎日を過ごせるのなら、それに越したことはないのさ。

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:54 (3087d)