作品

概要

作者電波の人
作品名プール開き
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-07-02 (月) 00:51:17

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

至福と悪夢をいっぺんに味わったプール掃除から早一週間、
今日はプール開きだ。
俺らのクラスがプール掃除をしたので、俺らのクラスが一番にプールを使えるという
岡部の微妙な計らいによって俺たちはプールサイドに立っている。
谷口の女子を見るいやらしい目つきが目立つ。こういう奴がいるせいで女子は
やれ生理ややれ体調不良だといって見学するようになってしまうのだ。
まぁ、そんな目線を全く気にしない女子も俺が知る限りでは最低2人いるわけだが・・・。
「キョン!!あんたさっき岡部が言っていたオープニングセレモニーとやらに出場しなさい!!」
と言って強制的に連れて行かれ俺はオープニングセレモニーに参加するはめになった。
オープニングセレモニーとは集まった有志の男子及び女子が
50mを全力で泳ぎ水泳の凄さを
見せ付けると言うなんとも水泳部専用みたいな意味不明なイベントであった。
因みに優勝すると岡部が何でも願いを叶えてくれるらしい。本当かよ・・・。
でも、まぁたまにはいいか。実は皆には秘密だが、
俺は実は小学校の頃全国大会にも出場した元水泳選手だったしな。
今も衰えたとはいえそこらへんの水泳部の奴には負けないしな。
これで普段えらそうにしているハルヒをビックリさせるのも手だ。

 

結果から申し上げると、俺は横を泳いでいた水泳部との接戦の末優勝を勝ち取った。
女子からの声援がたまらなく嬉しい。
ハルヒも声を失ってぽ〜とこっちを見ている。
長門もこっちをじ〜と何やら不思議そうな目で見ている。
ハルヒと長門のこういうのを見ると何か優越感に浸れる。
「お、キョン。お前凄いな。じゃぁ、今日は無礼講だ。何か欲しいものはあるか?」
岡部は本当に何でも叶えてやろうとする気満々である。
う〜ん、欲しいものねぇ・・・、急に言われてもないなぁ〜。
いつの間にか近くにいる長門にでも聞いてみるか。
おい、長門お前何か欲しいものはあるか??
「現時点で私が欲しいものは存在しない・・・が、しかし・・・」
しかし?
「私はなんとしても手に入れたい人はいる。それは貴方。岡部教諭。
次にやる女子のセレモニーで私が優勝したら彼を商品としてもらいたい」
お、キョンもてるね〜。青春って感じがしていいねぇ〜。
もってけ、もってけ。え〜と6組の・・・「長門有希」
あぁ、6組の長門。君が優勝したらうちのクラスのキョンを私が責任を持って贈呈しよう。
いいかね。
「よい」
俺の意思を盛大に無視してことはとんとん拍子に進む。
「よし、次は女子のセレモニーだ。商品はある女子の願いでうちのクラスのキョンとなった。こいつを彼氏にしたい奴はどんどん参加するように」
うわ!恥ずかしい。ハンドボールバカめ、何言ってやがる!
このセリフで今までぽ〜としていたハルヒが再起動を果たす。
「ねぇ、岡部今のセリフ本当でしょうね!?買ったらキョンをあげるって!!?」
「本当だぞ?涼宮もキョンを狙っているのか?はっはっは。いいな〜キョン。羨ましいぞ!!」
「キョン!!私が参加するからにはあんたには指一本触れさせないわよ!」
お〜そうかい頑張ってくれ。俺は岡部の言うことに従う気は毛頭無いんだが・・・
「涼宮ハルヒ。勘違いしないで欲しい。彼を手に入れるのは貴女ではなく私。貴女は私に負ける、これは規定事項」
「な、有希も出るの?キョン!!有希に変なこと言ったんじゃないわよね!!?」
言うか!今回俺が商品になったのは長門のせいなんだからな。
「キョンの言っていることは本当かしら有希?」
「事実。私は彼をどんな手段を使っても手に入れたいと思っている。
これは本心。私は口にしないだけで貴女よりも彼のことを思っている。
貴女が勝つのは皆無。即刻諦めるべき」
「言ってくれるわね有希。私も全力で泳ぐわ。どっちが勝っても恨みっこ無しだからね!」
「分かった」

 

俺は赤面しながらこの応酬に耳を傾けていた。なんせ美人二人から急に告白されたもんだぜ?
ルックスだけを見ればハルヒをかなり美人な部類に入るし、
長門に至っては容姿端麗+クールな態度があいまって隠れファンがいるくらいだ。
今も現在進行形で5組6組の男子から凄まじい殺気を俺は浴びている。
誰か何とかしてくれ・・・

 

俺を賭けたレースは今召集をかけている。結局レースするのは6人。
結構多いな。俺としては嬉しい限りだけどな。
その6人の中に当然長門とハルヒがいるけどな。お、阪中もいる。意外だな・・・。
6人の女子は各人思い思いの方法で集中しており、そこからあふれるオーラには凄まじいものがあった。
特にハルヒと長門の周りの空気は凄かった。
ハルヒは今まで見たこと無いような真剣な顔つきでしっかり柔軟体操をしている。
あいつ・・・勝つ気満々だよ・・・。
一方の長門は俺にしか分からない程度に顔全体をきゅっと引き締めぴくりとも動かず集中していた。
そして、ぶつぶつと何か唱えてっておい!!何やっている長門?
俺は長門を連れ出して問いただす。
長門を連れ出すときの残りの5人の目線は恐ろしいものがあった。
特にハルヒの目線は・・・辞めておこう、トラウマになりそうだ。
「私の身体能力を普段の7倍にしよう思った。ダメ?」
そんな上目遣いで言ってもダメなもんはダメだ。可愛かったけどな・・・。
しっかり正々堂々勝負をしなさい!
そんなずるして勝っても嬉しくないだろ?
それに商品になっている俺としても正々堂々戦ってくれたほうが気持ちがいいし。
ま、長門が優勝したら俺も嬉しいしな・・・。今のは妄言だ。忘れてくれ。
「・・・そう」
長門は俺に分かるようににこっと頬を緩めたあと、きっと目を張り詰め召集席に戻っていった。
これで長門がずるすることは無いだろう。
ハルヒは・・・怖すぎて声がかけられない。というか今はかけたくない。何か長門のほうに向かって何かぶつぶつ言っているし・・・。

 

スタート台に6人の女子が立ち、構える。ハルヒは3コース。長門は4コースだ。
岡部が放つピストルの音でレースが始まった。
まずはハルヒがロケットスタートとも言ってよいくらい豪快なスタートをし、
水をかいていく。
それに負けじと長門も食らいついていく。
豪快に水を掻くハルヒとは対照的に長門の泳ぎは伸びを重視し、
ゆったり泳いでように見えてもスピードはかなり出ている。
ハルヒを「動」とたとえると長門は「静」みたいな感じだ。
ハルヒと長門は同時に25mを折り返した。他の4人とは5メートル以上差を付けている。
実質長門とハルヒの一騎打ちである。
残り10mと言ったところか、ハルヒの水を掻くペースが少しずつ落ちてきている。
最初飛ばし過ぎたからばててきているんだ。
ばてているハルヒを長門は見逃さず、今までゆったりと泳いでいたペースを急激に上げ
ラストスパートをかけ一気にハルヒに差を付ける。
が、ハルヒを長門の急激なスピードの変化に気がつき、
ハルヒも落ちていたペースを上げ長門に詰め寄る。
ハルヒは長門にぐんぐん追いつこうとしている。
あと、3m、2m、1m・・・
会場はハルヒと長門の勝負を息を呑んで見つめていた。
どっちが勝ってもおかしくない。
あとはタッチだけ、二人は同時に壁に手を叩きつける。

 
 

・・・ウォッチの結果、長門が0.02秒差で勝った。
ハルヒも長門も凄いレースをしたのでクラスの皆は拍手喝采を二人に送る。
俺も二人に拍手を送る。
俺はこのときなんでこの二人が何の目的でレースをしていたのかをすっかり忘れていた。
レースに負けたハルヒは呆然として膝をついていた。
一方の長門は俺の方に近づき
「勝負に勝った。商品を頂いていく」
と言って俺に近づいてくる。
はて?商品?あ、確か優勝したら俺が商品だったけ?おい、岡部何とかしろ!
「キョン。お前はさっきの白熱したレースを見なかったのか?男だろ?潔く商品になって
長門と付き合え!」
と言って俺を長門のほうに押し付ける。
俺は体制を崩し、長門にぶつかり、押し倒してしまった。
長門を覆いかぶさるようにして体を重ねる。
きゃ〜と騒ぐ女子、俺を射殺さんとする男子。
そして、さっきまで呆然としていたハルヒが鬼のような形相でこっちを猛スピードで突進してくる。
「あ、あ、あんたいきなり有希に何してんのよ〜このエロキョン!!!!
私が勝負に負けたってのにあんたは私に何も声をかけてくれないわk○▲□★」

 

・・・・・・・・とび蹴りを食らい首を絞められ、暴言を吐かれ俺にとって散々なプール開きは俺の意識が消えている間に終わりを告げた。

 

プール開き以降、長門が俺のクラスによく顔を出し、そのたびにクラスの皆から暖かい目線で見られるようになったのはまた後日・・・

 
 

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:50 (2732d)