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作者 | 輪舞の人 |
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作品名 | 機械知性体たちの輪舞曲 あとがき |
カテゴリー | その他 |
保管日 | 2007-06-15 (金) 22:56:57 |
キョン | 不登場 |
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キョンの妹 | 不登場 |
ハルヒ | 不登場 |
みくる | 不登場 |
古泉一樹 | 不登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 不登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
あとがき
ようやく完結しました。一時はどうなることかと思いましたが、無事書き上げることができました。
このあとがきを書くにあたって、以下のSSを書かれた方に御礼の言葉を。
h-t-t-p-://eroparo.s13.dxbeat.com/sslibrary/h/haruhi194.html
(18禁の表現が含まれますので、閲覧の際にはご注意ください)
上記リンクは
20100130時点では以下のリンクにあります。
朝倉×長門
http://yellow.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/h/haruhi/haruhi194.html
泣いた赤鬼
http://yellow.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/h/haruhi/haruhi194-1.html
この「朝倉青鬼説」を題材にしたSSを初めて見て、泣きました。
SSというものすら知らなかった自分でしたが、いつかこういうものが書けたら、
などと考えるようになったきっかけはこの作品でした。
果たしてうまくいったのかどうかは定かではありませんが、このSSがなければ、
自分はたぶん「輪舞曲」というものを書かなかったと思います。
名前も存じ上げない作者の方へ、この場で御礼を述べさせていただきます。
本当にありがとうございました。
以下、これまでの冒頭文は誰が話していたのか、の解説。
□第1話 『わたしが生まれた日』/未登場の端末
ロンド形式(――けいしき、ロンドには「輪舞曲」と言う字があてられる場合がある)とは、
ある同じ旋律(ロンド主題という)が、異なる旋律を挟みながら何度も繰り返される
楽曲の形式のことで、古くは……
―ある情報端末の、光学電子情報網から採集した地球文化の報告の一部―
本編には登場しない「他の端末」から送られた情報。
あんまり関係ありませんが。
□第2話 『流れぬ涙』/朝倉涼子
いつかわたしも流すのだろうか。あの水滴を。
でもその時、わたしはどうなってしまうのだろう。
それが、怖い。
―ある情報端末のささやき―
実は朝倉涼子の言葉だった、というミスリード。
□第3話 『100万回のいのち』/喜緑江美里
百万回生きた猫?
それはあなた? それとも彼女?
―ある情報端末の疑問―
喜緑江美里が朝倉涼子に問いかけている、というもの。
何でそんな意味不明の行動を取り続けているのか、喜緑江美里には疑問だった。
その理由を聞いたら、朝倉から絵本を手渡されて……みたいな感じ。
本当はこのふたりの二年半の生活というものも書いてみたかったです。
□第4話 『あなたと過ごした日々』/喜緑江美里
彼女が何をしたかったのかは、結局、彼女自身にしかわからない事なのでしょう。
わたしですか?
その意味を知ったとして、わたしに何ができるというのです。
操り人形は、主のたぐる糸のままに動くべきと考えます。
もしその操り糸を、自ら断ち切ろうとする人形があるとしたら、
それはもはや人形ではないのです。
ではそれが何なのか、というと……それはわたしには理解しかねます。
今となっては。
我が主よ。
―ある情報端末の意見―
朝倉消滅後の喜緑江美里の報告。
まだ、朝倉が何をしたかったのか、理解できていない頃ですね。
□第5話 『すべてを失う日』/朝倉涼子と喜緑江美里
「もう、あきらめた方がよろしいのでは。すでに手遅れかと」
「彼女と約束したの。だから、それ、無理」
「何度やっても同じ事だと思うのですが……お付き合いはしますけど」
―ある情報制御空間における、情報端末たちの会話―
ここでふたりが五〇五号室で死闘を繰り広げていたわけです。
一読しただけだと、ふたりが何をしているのかよくわからないようにしました。
もうこの会話のあたりでは、朝倉はボロボロの状態になっています。
「あきらめた方が」は降伏勧告。
まだこの頃の喜緑江美里は「感化」されていませんので……容赦ありません。
□第6話 『夢幻の揺りかご』/喜緑江美里
夢、ですか。
夢とはヒトが「魂」と呼ぶ、思念体に相当するモノが見る幻なのでしょう。
そして「魂」を持たないモノは、幻すら見ることはできない。
わたしはあなたに作られた人形。
人形に「魂」が宿るというなら、ひょっとして見ることができるかもしれません。
でもそれは我々にはあり得ないことなのでしょう?
彼女、ただひとりを除けば。
我が主よ。
―ある情報端末の考察―
喜緑江美里が長門を観察しながら報告している、というシーン。
□第7話 『物語の始まり』/喜緑江美里と情報統合思念体
彼女が種を蒔き、彼が育み、わたしが収穫する。
でもその実はどこへ?
―ある情報端末のつぶやき―
彼女=朝倉涼子、彼=キョン、わたし=喜緑江美里。
エピローグの≪収穫者≫はこれを意味しています。
観察者として、最後に何が生まれたのかを見届ける役割だったという事。
もっとも、その実は……どこに行ったのかはエピローグで語られてますが。
娘たちの輪舞曲(ロンド)は続く。
あまりに滑稽。あまりに不器用。あまりに無残。
聴くに堪えぬ未熟な技量。
しかしその哀しいまでの純粋さには、耳を傾けるに足る価値がある。
―深宇宙のどこかで―
情報生命体が感じる、暴走を始めた端末たちの動きをどう見ているのか。
「言葉」にするとこんなイメージなんだろうな、というもの。
すでに変容は始まっていて、「娘」、「輪舞曲」などの言葉が使われている、というイメージ。
□第8話 『対峙』/思索派端末
あなたの名前は美しい。とても。
でも望みが有るというその意味を、本当にあなたは知っていたのでしょうか。
もし知らずにつけたというなら、何という皮肉な運命。
……運命? さて、何でしょう。
―ある情報端末の韜晦(とうかい)―
この時点では不明確でしたが、いずれ出す予定だった思索派端末。
「パンドラの箱」になるだろう、という皮肉を指摘しているところです。
後の『枯葉』で、そのまま登場しました。
□第9話 『巡り会うあなた』/思索派端末
台本はすでにできあがっています。
その通りに演じれば問題はないはず。
ああ。でも助演女優が台本に不満を持っているようです。それでは退場するしかないのに。
アドリブに自信があるのなら話は別なんですが。
困りましたね。
―ある情報端末の視点―
助演女優というのが朝倉涼子。
彼女が時の枷を外れて暴走する様子を報告しているというもの。
□第10話 『焦燥』/長門有希
無限の未来。
それは嘘。
―ある情報端末の指摘―
初めての長門の台詞です。
全然未来は自由にならない、という苛立ちからの言葉。
□第11話 『前夜』/長門有希
うまく言語化できない。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも、聞いて。
―ある情報端末の願い―
原作の台詞、そのままです。
□第12話 『痛み』/思索派端末
『当該対象の個体記録は抹消済み』
―ある情報端末の記録―
朝倉涼子の記録抹消命令に対しての返答。
本編でも語られましたが、これは「嘘」です。
□第13話 『君去りし夜に』/喜緑江美里
―ある情報端末による、現地の情報媒体を参考にしたものと思われる、
観察対象の行動基準の解析記録―
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という絵本
(とても素晴らしいのでぜひご一読をオススメします)
朝倉涼子はこれを真似た、という喜緑江美里の分析です。
□第14話 『閉鎖空間』/長門有希
YUKI.N>また図書館に
―ある情報端末からの次元断層を超えた想い―
これも原作そのままですね。
□第15話 『眠れる森の美女』/もうひとりのわたし
きれいごとばっかり。そのうち後悔するから。
―???????―
ここで素直に改変していたら……また別のお話になってたでしょう。
□第16話 『星に願いを』/長門有希
―ある情報端末の同期終了記録ではあるが、現存は確認できず―
後に個体経験を抹消されてしまう、というものがここで示唆されてたりします。
□第17話 『神秘の紋章』/なし
冒頭文はおやすみです。
□第18話 『守護者』/もうひとりのわたし
恐れとは、理解できないもの対して感じることよね。
あなたはすでにそれを知った。
で、あなたは愛を理解しているのかな?
――愛を恐れよ。
―???????―
自分は理解したつもりでいる”もうひとりのわたし”の発言。
□第19話 『生きる理由』/朝倉涼子と喜緑江美里
「後の事、お願い」
「わたしでよろしいのですか。本当に」
「……彼女、たぶんほんとは泣き虫だから。いつか泣くことがあったら、そばに居てあげて」
「彼、かも知れませんよ。その時、そばに居るのは」
「……そうかも。じゃあ行くね」
―ある情報端末たちの最後の意見交換―
第12話の朝倉戦直前で発生していた、ふたりの別れのシーン。
この「約束」が後々大きく響いていくことになります。
長門の涙を最初に見るのは誰なのか……という暗示でもあります。
第31話で朝倉の言う「ふたりとも予想が外れた」というのはここの事です。
□第20話 『生還』/朝倉涼子
―???% shiwanagatoyuki??/s
―抹消された欠損情報―
「わたしは長門有希を愛する」という言葉。
これが実はまだ残っている。忘れているだけ、という暗示。
□第21話 『無限回廊』/喜緑江美里
それはとても恐ろしくて、甘美なものなのでしょう。
でも、わたしたちに理解できる日が来るとは到底思えません。
だって、必要がないものですから。
……必要あるんですか? え、本当に?
―ある情報端末の認識―
要するに(ごにょごにょ)……の事なんですが。
子供を生む必要もないのに、なんでそんなものが?
そういうものがどうして必要なの? という意味の問いかけ。
……まぁ、この人の場合、とぼけてるだけかもしれませんけど。
この時点で、第24話『夕立』で何が起こるのかを暗示しています。
□第22話 『目覚めるもの』/喜緑江美里
恐ろしい災厄。
それらが全て解き放たれた後、空っぽの箱の奥底で、小さく震えるようにして……それは、いた。
……これは偶然の一致なのでしょうか。
あの子の名前。だとしたら――
何という皮肉な運命。
―ある情報端末が神話の一節を解析したもの―
思索派端末と同じことを彼女も考えていた、というもの。
この第22話でようやく片鱗を見せた「もうひとりのわたし」をここで説明してます。
□第23話 『ふたりで川へ』/長門有希
わたしの勝ち。
この記憶はわたしだけのものだから。
―ある情報端末の決意―
悲しい勝利宣言。
死というものを初めて自覚し、それでも決行しようという長門の最後の言葉。
次回に出てくる言葉を先行しています。
□第24話 『夕立』/長門有希
『全系統異常なし』
―ある情報端末の状況報告―
わかる人にはわかる台詞。
「戦闘妖精雪風」からお借りしました。
また機械に戻ってしまった、という意味あいのものでもあります。
□第25話 『踊る人形』/もうひとりのわたし
かけがえのない大切な人を失った。
守るべき者への想いだけを己に刻み、自分自身をも失う事態にまで至った。
わたしに残されたのは、”わたし”だけ。彼女が与えてくれた最後のもの。
それでも、戦い続けなければいけない。
そのように生み出されたのだから。
あきらめる事は、許されない。
……いつか取り戻す。
全て奪われ、今は何もないこの手に、彼女も、彼も。
わたしをこのように造り出した、あの存在を許しはしない。
思い知るがいい。
自分が生み出した存在が、どれほどのものであるのかを。
約束された日は、もうそこまで来ている。
―ある情報端末の蓄積された内部情報―
封印されたものの、内部ではさらに「憎悪」が増殖していきます。
これはそのまま『”わたし”が生まれた日』に登場する台詞にもなりました。
□第26話 『真相』/朝倉涼子
「だいじょうぶ。それに何があっても、いつでも、わたしがそばに居るわ。必ず」
―ある情報端末の約束―
この約束は守られました。
□第27話 『枯葉』/朝倉涼子
空を仰ぎ見る。
灰色の雲の向こうから降り注ぐ白く美しい結晶。それが舞い散る空。
青く輝く星の大気の底。
わたしは彼女を待つ。
再びやってくる。その奇跡のような光景と共に。
―ある情報端末の見る光景―
エピローグの1シーンです。
この時点で先行してここに掲載しました。
□第28話 『”わたし”が生まれた日』/涼宮ハルヒ
赤ちゃんって、何で産まれる時に、あんな大声で泣くか考えた事ある?
あれはね、きっと苦しかったからなのよ。
とっても痛くて、辛くて、ひとりぼっちで寂しかったから、だから泣くの。
お母さんも大変だったかもしれないけど、
でも赤ちゃんはほんとうに小さくて、何も知らないから。
お母さんのお腹の中から、見た事もない世界に出てくる時に、
とっても怖くて、不安だったに違いないのよ。
だからもし、わたしが赤ちゃんを産むような事があったとして、
初めてその子の顔を見たらきっとこう言うの。
がんばったね! 辛かったし、怖かったし、苦しかったんだよね!
でも、もう大丈夫。あなたはひとりぼっちじゃないんだからって。
そしていっぱい抱きしめて、いっぱいキスしてあげて、いっぱい微笑んであげる。
それで、その子が産まれた事を全世界に自慢して……
……なによ、その顔。あんた、わたしがそんな事考えちゃ、おかしいっていうの?
―最重要観測対象の主張―
唯一思念体や端末たち以外の存在の言葉が書かれました。
ハルヒがキョンに対して発言した言葉ですが、言外に長門の事を示唆しています。
潜在意識下で「長門」の誕生を予期しているのかも、というイメージです。
□第29話 『最終到達点』/消失世界での長門
もし、大切な人を自分の手で消し去ってしまう未来を知ったとしたら。
あなたならどうするだろう。
もしも取り戻せるとしたなら。その手段があるのなら。
それがどんな手段であれ、使うのにためらいなど覚えるものだろうか。
―ある女子高生の小説からの一節―
この後の第31話『もうひとつの世界で』で書かれる小説の一節です。
これも先行して掲載しました。
□第30話 『雪』/なし
冒頭文はおやすみです。
□第31話 『もうひとつの世界で/失われた世界で』/???
(――コードの変更を確認。改変された世界は、通常の時空間へと統合される)
(コード「もうひとつの世界で」を抹消)
(この記録は、「機械知性体たちの輪舞曲 第31話『失われた世界で』」へと変更される)
(タイトルコードの変更を確認。終了)
アスタリスクみたいな世界の書き換え報告。
実はまだこの頃は「学校へ行こう」は未読でした。
冒頭文ではないのですが。
□第32話 『融合』/長門有希
生命の意味を知りたかった。愛という言葉の意味を知りたかった。
その根源にあるもの。わたしという人形に宿ったもの。
自身にある全てを投げ出してまでわたしに与えてくれた、たったひとつのもの。
それが、彼女の答えだった。
もう逢えないあなたへ。あなたが生み出したわたしからこの言葉を贈る。
わたしは……
―長門有希と名づけられたひとつの存在から―
最終回の台詞の先行収録です。
この後は、本当は1話にまとめる予定だったので冒頭文はありません。
□エピローグ/情報統合思念体
終りのない曲はない。
―深宇宙のどこかで―
最後の最後、統合思念体が終りの時を告げます。
それは、永き時を渡り歩いた朝倉涼子に。
とにもかくにも終りとなりました。
長門スレ、という場所で書き続けられたのはとにかく幸運だったとしか言いようがありません。
何度も繰り返しになりますが、それでももう一度。
本当にありがとうございました。