作品

概要

作者電波の人
作品名有希の髪型
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-22 (日) 10:30:53

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 
 

 いつも非日常な出来事が際限なく生み出されるSOS団のアジト文芸室。
しかし今日は俺にとって幸せを生み出してくれる。
麗しの先輩朝比奈さんとクールでスマートな長門、しがない俺の3人しかいないからな。
ハルヒは掃除当番、古泉は・・・知らん。というか知りたくも無い。
俺は朝比奈さんの入れてくれる極上のお茶に舌鼓を打ちながら
ゆったりと今の平和なひと時をかみ締めていた。
朝比奈さん。
「ひゃい?」
と窓をぼんやりと見ていた朝比奈さんは少しびっくりした様子で振り返る。その姿も可愛いですよ、
じゃなくておどかしてすいません。
「どうしたの?キョン君?」
あ、いや朝比奈さんの髪後ろの方から見たらとても綺麗だなと思いまして、
特に髪先の清流のせせらぎみたいな軽くウェーブのかかっている部分がですね。
「ふふ、ありがとう。そういってくれると嬉しいなぁ。
実はさっきキョン君が褒めてくれた所、
実は少しパーマをかけてましてこの髪型を維持するのが大変なんですよ〜。
キョン君に褒められちゃったから、明日からもっと入念にお手入れをしよっと♪」
いえいえ、朝比奈さんならどんな髪型でも聖書に書かれた天使みたいに
誰が見ても美しいとおもいますよ。
「んもう。キョン君ったら〜、あ、ひぃぃい!?」
朝比奈さんの甘い声が一変し、
同じところから出たとは思えない風切り音みたいな声をだして
朝比奈さんは震えていた。
恐る恐る俺も朝比奈さんが震えている方向を見ていると、
ってわぁ!目の前に長門が立っていた。さっきまで読書してたんじゃなかったのか?
というかなんで俺の方をあのメドゥーサですら石にしてしまうほどの瞳で
こちらを凝視というか睨み付けていた。
口元もいつもよりきゅっと締まって少し引きつっているように感じる。
もしかして怒っているのか?
「別に」
俺の質問を一蹴し、かつかつと朝比奈さんの方へ向かっていく。
朝比奈さんは長門が近づいてくるたびにチワワみたいにおびえ縮こまっていた。
こら長門、朝比奈さんがおびえているじゃないか。
俺の注意を華麗に無視し、
長門は朝比奈さんの髪、特に俺がベタ褒めしたところを何回も触っていた。
髪をなでられている間、朝比奈さんは終止俺の方へ救いの眼差しを飛ばしていた。
しかし、長門の睨み付けによって俺の体はどうも石になってしまったらしく
俺は何も出来なかった。
長門も気が済んだのか、さっきよりも少しだけ表情が緩くなった。
そして、「理解した」
と意味深なことを言い残して自分の定位置に戻り読書を再開した。
なんだったんだ?今の行動は?
ふと疑問に思っていると「やっほー!!みんないる!?」
と元気をそのまま具現化したようなハルヒとニヤケ面の超能力者が登場し
部室の空気をがらりと変えた。

 

団活は、まぁ、大変であった。
俺は長門のさっきのやり取りが気になってさっきから長門の方をちらちら見てしまい、
それに目敏く気が付いた団長様がご機嫌斜めになって
俺の首を両手で絞めながら長門の方へ目線が行く理由を尋問され、
挙句の果てには下校時刻前なのに今日は解散!
とドアを勢い良くぶち開けて帰ってしまった。
それとほぼ同時にニヤケ面が少し引きつった顔で下校した。
俺は悪くないぞ。
やれやれ後でハルヒにフォローが必要だな。

 

ふぅ、今日も疲れたな。
晩飯を食べ、風呂に入り、明日のために今日はとっとと寝ることにした。
 次の日、いつものように罰ゲームかと思えるハイキングコースを登頂し
昨日の疲れを引きずったまま教室へ。
今日も疲れる日になりそうだ。懸案事項が二つあるからな。
まずハルヒ。昨日のことをまだ根に持っているのか教室に入った途端、
こっちをまるでシマウマを狩ろうとするライオンみたいな目でこっちを
一瞬睨んだあと、
ぷいっとそっぽを向き窓から見えるいつもの風景を凝視していた。
俺は一瞬躊躇したが決心し、自分の机へ行き、
おっすとハルヒに挨拶したが、
見事なまでにスルーされた。目線も合わそうとしない。
こりゃ相当不機嫌だな。
どうか俺にこれ以上の被害が行きませんようにと俺は切に願うばかりであった。
次の懸案事項は俺の下駄箱に入っていた一枚の栞、
内容はまるで機械が執筆したかのような明朝体で
「放課後すぐに文芸室へ」
とこの栞の主は俺を直々に呼び出していた。
長門もそういえば昨日俺に凄まじいまでの目線で俺を睨みつけていたよな。
やれやれ今日の俺には安息の場所がないみたいだな。

 

授業もハルヒの刺すような視線を乗り越え、
シャー芯入りのシャーペンで突く攻撃も見事に我慢し、
今日一日命があったことを神(決してハルヒにではないぞ)に感謝し、
栞の指示通り一直線に文芸室へ行くことにした。
こんこんと文芸室の扉をノックすると、
「・・・」とお馴染みの三点リーダしか帰ってこなかった。
ある程度予想していたが、文芸室には長門しかいないようだ。
俺は扉を開けた。どうか悪いことが起きませんようにと切に願いながら。

 

俺は今、自分の目に入ってくる事象に驚愕している。
あの朝比奈さんみたいに漣を打ったように、
長門の前髪の先から耳の後ろの部分が少し変化しており
こちらをまるで輝く夜空のような瞳で見ていたからな。
俺が何も口にせず、ただ突っ立ているのに我慢が出来なかったのか
「変?」
と首をほんの少しだけ傾けてこちらに問いかけてきた。
い〜や、変じゃない。お前のそのパーマ姿も大変綺麗で可愛い。
が、俺には生憎パーマ属性はなくてな。
お前がパーマをかけSOS団の中でいの一番に見せてくれたことは
本当に嬉しいしあのアホの谷口辺りに自慢したいぐらいだ。
しかもお前が普通の女の子みたいに髪型に興味を持ってくれるのは
人間として近づいている証拠でもあるから俺にとっては本心から喜ばしいことである。
俺はお前のいつもの特徴をまさに現している凛とした真っ直ぐなショートヘアの方が可憐で秀麗でお前らしくて好きなのだ。
と長門の双肩に手を乗せ、俺は脳をフル回転させ思い付く言葉の全てを口から放出した。
長門は、最初は、欲しいおもちゃが売り切れていた時の子供のような瞳をしていたが、
俺が力説する辺りから瞳に輝きを帯びて来る様になり、
瞳の中に銀河を形成するくらいまでに回復していた。
そして小宇宙を見事なまでに作った瞳を閉じ、
唇を少し丸め、俺に少しずつ接近してきた。
おいおい、この場面でこれは反則だろ?
というかなんで目を閉じてこっちに近づいてくる?
これじゃまるでキスを求めるような感じじゃないか。
どうするよ?俺?と悩んでいる間に長門は着実に俺の方へ近づいてくる。
20cm、15cm、10cm、5cm、3cm・・・
俺もようやく決心し、
目を閉じ俺からキスしようと長門に接近しようとした瞬間、
バタン!!!と勢い良く扉を開け、
般若のような顔をしているハルヒ、
顔を赤面させおろおろしている朝比奈さん。
古泉は・・・いない。
が文芸室に入ってくる。
ハルヒは拳をぎゅっと丸め、鬼ですら尻尾を巻いて全速力で逃げ出すほどの
凄まじいオーラを撒き散らしながら真っ直ぐ俺のほうへ近づいてきている。
俺は今の状況を冷静に分析した。
ハルヒたちは何を見ている?
俺が長門の肩に両手を乗せキスをしようとしているところ。
しかも長門の髪型が少し変化している。
と分析が終了したと同時に原子炉のエネルギーを凝集したような衝撃が俺の頭を襲った。
「有希に何しようとしてんのこのバカキョンがぁぁああ!!!!!!!!!!!!」
俺の意識はここでぶつっと消失した。

 

あれ?ここは何処だ?俺の部屋?なんで外が暗い?さっきまで文芸室にいたよな?
何で俺の部屋に長門がいる?
ん?長門がいる?
ってお前なんでお前が俺の部屋にいるんだ!?
俺が長門に盛大な突っ込みを入れると、
長門は見た目申し訳なさそうな表情をしてつぶやいた。
「彼方は涼宮ハルヒの強烈な鉄拳により気絶してしまった。
涼宮ハルヒは怒気を顕にしたまま帰ってしまい、
朝比奈みくるは終始怯えていて彼方を家まで運送するのに適した状態ではなかった。
だから私が彼方を運んだ。
今日の出来事は全て私に非がある。ごめんなさい」
い〜や、お前は全然悪くない。
俺がつい興奮し力説するあまりお前の肩に手を置いたのが悪いのだ。
だからしつこいがお前に非は全く無い。これは断言する。
そういえば元の髪型に戻っているな。いつの間に戻したんだ?
まぁ、いい。やっぱりお前は今の髪型のほうがクールでスマートな特徴が現れていて
お前らしくて好きだぜ。
寝起きで頭がまだフル回転していないが、
懲りずに長門の今の髪型の素晴らしさを熱弁していたら
長門の瞳は究極までに練磨された宝石の如く輝きだし俺に近づいてきた。

 
 

ここから先の出来事は禁則事項だ。俺にも黙秘権がある。

 
 

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:37 (2286d)