作品

概要

作者罪と罰
作品名【長門式即効性治療法】
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-17 (火) 22:45:03

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

※微エロ注意?

 
 
 
 
 

「っ!」
 放課後、いつもどおりに部室にやって来たはいいものの、いつまで経っても朝比奈さんどころハルヒも古泉も来なかったため、長門にならって本を読んでいたらうっかり指を切ってしまった。
「…………」
「ああ、ちょっと指を切っただけだ」
 長門が何事かと俺を見つめていたので俺は正直に事実を言った。ツバでもつけときゃ治るかと思ったが、こりゃちょっと深いな。
「見せて」
 と思ったらすぐ近くに長門が立っていた。一瞬驚いた俺だが素直に傷口を見せると、
「損傷部位に修正を施す」
 長門はそう言って俺の手をとった。不覚にもそのひんやりした細くて白い指先にドキリとしてしまう。
 ところで、修正を施すって、絆創膏でも持っているんだろうか。
「……ん」
「!?」
 と言う俺の期待はあっさりと破られた。多分いい方向へ。
「な、な、長門さん?」
 思わず声が上ずってしまうが、長門は気にもとめていないようで行為を続行する。
 ぶっちゃけて言おう。長門は咥えていた。ナニをかって? 俺が怪我した指に決まってるじゃないか。まさかおかしな想像でもしたのか?
「うっ」
 長門の口の中で舌が動いて俺の指をなぞった。ざらりとしたその感覚に背筋が震える。
「…………ふ」
 時間としては5秒も経っていないだろう。長門が口を離した時、不覚にも名残惜しさを覚えてしまった。
「損害部位に自己修復機能補助用のナノマシンを塗布。当該箇所の修復を完了した」
「あ、ああ、そうか。ありがとな」
「いい」
 長門は何事もなかったように自分の席へと戻り読書を開始する。
 ……この時俺が、また傷を作ったら同じことをしてくれるんだろうかなどと邪推をしてしまったことをいったい誰が責められようか。

 

「どうぞ」
 目の前にコトリと湯呑みが置かれる。
 相変わらず朝比奈さんすら来ないので仕方なくお茶なしで読書に勤しんでいたのだが、
さすがに喉が渇いてきた俺は思わず「喉が渇いたな」と呟いてしまったのだが、それを聞いた
長門が律儀にもお茶を淹れてくれた。サンキュー長門。
「いい」
 長門は本から目を離さずに応える。朝比奈さんのお茶は美味いが、長門のお茶も美味い。単に俺が自分で淹れた茶がまずいだけなのかもしれないが、比べるのもおこがましいな。
 まあ、今は長門謹製のお茶を呑んで喉を潤すか――。
「あちっ!」
 火傷した。すっかり冷ますのを忘れててついそのまま口に運んでしまった。
「いてて……」
 だめだ。ヒリヒリする。舌を火傷するとけっこう辛いんだよな……。氷でも舐めとくか。
「…………」
「うぉっ」
 再び俺の目の前に立つ長門さん。また傷の治療でもしてくれるのか?
「…………」
 無言で頷く長門。そりゃありがたい。なら早速頼む――。
 と言ってから俺は気がついた。
 さっきは傷口を舐めて治療していた。そして今俺が火傷したのは舌だ。舌に絆創膏なぞ貼るわけにはいかない。そもそも長門が絆創膏を持っていたらさっきも俺に渡してくれるだけでよかったはずだ。それなのにあの治療法を選んだということはまさか今回も? いやいや、まさか、それはないだろう。いくら長門と言えど、そのくらいの区別はつくはずだ。いやしかし、舌の治療なんてどうするんだ? 少なくとも俺は舌を火傷した時は氷を舐めるくらいの応急処置しか知らない。なら今回も――。
「んむっ!?」
 などと思考を巡らせていた俺は、突然口での呼吸ができなくなった。
 ここまで来たらもうお分かりだろう。長門はしっかりと治療を開始していた。
 自分の唇で、俺の唇を塞いで。
「んん……ちゅ。ちゅる……」
 ああ、やばい。意識がどっかにブッ飛んじまった。ここまで予想通りとは、逆に予想GUYだぜ長門よ。
 確かに舌を怪我したんだから舌に直接触れなきゃいけないかもしれんが、ここまで大胆に舌を絡ませてくる必要はあるのかい? そうなのかい。これじゃまるで、というか完璧にディープキスじゃないか。
「ちゅ、む。……ふちゅ」
 しかも長門は何故か俺の膝の上に乗って、体をぴたりと密着させてくる。やばい、柔らかい。胸元に当たる長門の薄い胸は、しっかりと女の子的な心地よい柔らかさが――って違う。そんなことを考えている場合じゃない。っていうか、長門を抱き締めてしまいそうになるのを堪えるで必死だ。
 そう。これは長門の治療行為なのだ。やましいことなんてどこにもない。この長門の純粋な好意を踏みにじるわけにはいかん。よって耐えろ、俺!
「んむ、ちゅう……ちゅ」
 しかしやけに長いな。もう頭がぼーっとしてきた。舌が痺れるような感覚が気持ちよすぎる。おかしくなりそうだ。
「ちゅる……ちゅ。……ふぁ」
 ……やっと解放された。俺はもう失神寸前だ。でも体の上の重みが消えない。長門はいまだに抱きついたままで、ああもうこのまま抱き締めちまおうか。
「……局部の体積増大を確認」
 何ですと?
「性器が勃起している」
 言い直さんでいい。というか分かるのか。というか気付かれてしまった。
 ああそうさ。長門みたいな女の子とキス、しかもディープなやつをしちまったら、男ならみんなこういうことになるさ。俺はもう半分開き直り気味だ。何とでも言え!
「そう」
 しかし、長門は表情を変えずに――いや、何だか少しだけ頬が赤くなっている気がする――少しだけ首を傾げて、俺の目を真っ直ぐ見つめたまま言った。
「治療する?」
 撃沈した。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:34 (3092d)