作品

概要

作者電波の人
作品名有希と子守
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-17 (火) 22:18:52

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 
 

 今日は日曜日で珍しくSOS団の集まりもなく、
のんびり家で惰眠をむさぼr「おぎゃ〜、〜!」
ふぅ、やれやれ、お〜よちよち。泣かないでね〜。
・・・俺の目の前には一人の赤ん坊がこの世の終わりを告げるような声で泣き叫んでいる。
なぜ、俺が、どういう過程で、
お守りをしているのかは少しばかり過去に遡らなければならない。

 

 「キョン。親戚のおばさんから今日1日赤ちゃんのお守りを頼まれたんだけど、
私ったら今日は、懐かしの友人とデパートに行く約束をしてたのを
すっかり忘れちゃってて、だからキョン、夕方まで赤ちゃんのお守りを頼むわ。
あんた妹のお守りも少ししたことがあるから大丈夫でしょ?
オムツとか粉ミルクは台所にあるからね。
あら、もうこんな時間。じゃぁキョン、後は頼むわ。」
「キョンくん、しっかりやるんだよ〜」
と俺が妹のダイビングアタックで起こされた直後に、
母が矢継ぎ早にこう言い妹を連れて、颯爽と家から出て行った。
せめて俺の意見を聞いてくれよ。

 

以上のような悲惨な出来事があり、今に至るのだ。
さt「ふぎゃ〜!」おっと、赤ちゃんは泣いたままだったな。
なんで泣いているのか俺にはさっぱりわからん。
妹のお守りっていったって何年前の話だ?俺には出来んぞ。
こりゃ、誰かに手伝ってもらうしかないな。

 

 まずハルヒ・・・、駄目だ。確かにあいつは何でも難無くこなしそうだが、
どう考えてもあいつがこんな面倒くさいことを了承するはずが無い。
それにあの傍若無人っぷりを赤子の前で遺憾なく発揮されようもんなら、
俺が疲れてしまうしな。というわけでハルヒは却下。

 

 朝比奈さんはどうだろうか?
いつも微笑ましい天使のような笑顔をしてくれる朝比奈さんなら、
メイド属性と相俟ってばっちり赤ちゃんの世話をしてくれそうだな。
が、最近ハルヒの願望なのかこの健気なメイドさんにドジっ子という新たな萌属性が追加してしまった。
それを赤ちゃんの前で披露してしまったら、こっちがはらはらしてしまう。
そういうことで断腸の思いで朝比奈さんも却下。

 

 古泉は・・・考えるだけ無駄だ。俺には男と一緒にお守りをする趣味なんてないしな。

 

 じゃぁ長門かぁ。あいつはSOS団が誇る万能選手だし、
俺がピンチな時には必ずって言っていい程長門が傍にいる。
あいつなら今回のお守りも無難にこなしてくれそうだしな。
よし、長門で決まりだ。

 

と誰に手伝ってもらうかを、赤ちゃんが泣いている傍らで、脳内会議によって
即効で議決し長門に電話を掛ける。
1コールもしないうちに、
「なに?」
と感情の起伏がほとんど感じられないような声で出た。それにしても出るのが早すぎないか?
あぁ、俺だが今赤ちゃんを預かっていて
俺一人じゃ面倒見切れないからよかったら手伝ってくれないか?
「わかった」
いつもお前に迷惑をかけてすまないな。
「別にいい」
ほんとありがとう。じゃぁ今すぐ来てくれ。

 

ふぅ、長門が来てくれるからもう大丈夫だな。
せめて長門が来る前に赤ちゃんを泣き止めさせなければ、
って、長門!お前なんでもうそこにいる?
「瞬間移動を使用した。」

 
 

「この赤ちゃんはお腹がすいて泣いている。即刻ミルクを与えて落ち着かせるべき」
わかった。が、ちょっと待て長門、なんで急に服を脱ぎだす?
「赤ちゃんには母乳が一番。大丈夫。情報操作は得意」
長門、お前母乳が出せるのか?と言いそうになったが、辞めておこう。
なんか言ってはいけないような気がするしな。
お前が一肌脱がなくても、ここに粉ミルクがあるから大丈夫だ。
だから早急に服を着てくれ頼むから。俺の理性にも毒だから早く。
「わかった」
長門は、誰が見ても解るようにだるそうにしぶしぶと俺のほうを、
刺すような目で見ながら、服を着ている。
なんか俺、悪いことしたか?

 
 

しばらくしてまた赤ちゃんが泣き出した。
「オムツが濡れて不快感を感じているため泣いている。即刻オムツを変えるべき。
早く変えを持ってきて」
と俺に指示し、ありえないスピードでオムツを変えていく。
赤ちゃんも泣くのを止め長門の手の動きをじっと見ている。
オムツを変えて一段楽したと思ったら、また泣き出した。
こいつは泣き虫だな。
なぁ長門、今度はなんで泣いているんだ?
「今度はかまってくれない寂しさで泣いている。
私が今から子守唄を歌ってこの子を寝かしつけることにする」
と言って長門の子守唄は演奏された。
長門の歌う子守唄は雪解けがまだ始まったばかりの清流のせせらぎを思い浮かべるように澄み切っていた。
赤ちゃんは泣きやむのを止め、しだいに幸せそうな顔をして長門の体に身を任せながら夢の世界へ旅立とうとしている。
傍から見たらなんて微笑ましいのだろう。
長門も赤ちゃんの面倒を見るのが楽しかったのか、
俺にだけわかる程度に表情が柔らかいように感じる。
やっぱりあいつも女子なんだなと思いながら、
もう少しこのほのぼのとした時間を過ごせたらいいなと思った瞬間、
「ただいま〜!キョン君お守り出来た〜?」
と言いながら勢い良く扉を開ける妹。
こら!そんな音を出したらせっかく気持ちよさそうに寝てる赤ちゃんが泣いちゃうじゃないか。
「えへへ〜、ごめんなさい。あっ!有希ちゃんだ。わ〜い。」
俺の説教を1秒で忘れ、長門の方へダッシュする妹の将来に一抹の不安を抱えた。
「キョンごめんねぇ、赤ちゃんの世話を任せちゃって。あら有希ちゃん。
こんにちは。」
と母が長門に挨拶をすると、片手に赤ちゃんを抱え、妹の頭をもう片方の手でなでながら
長門も軽く誰にでもわかる程度に会釈した。
「ふふ、それにしても、キョンと有希ちゃんがそうやって並んでいるとなんだか新婚さんみたいね。」
不意に母がそんなこと言い出しやがったから、
ほらみろ俺の顔が面白いほど赤くなってるぞ多分。
「あ〜、キョン君の顔真っ赤〜」
赤ちゃんの存在を忘れたが如く大声で妹は叫びだす。
ほんとに泣き出すから辞めてくれ。
そして長門。お前もほんの少しだけ顔を朱色に染めて
水晶を鏤めたような瞳をして俯いてないで何か言ってくれ。
その後母親と妹に散々おちょくられ
俺の顔は面白いように茹蛸になっていたことは忘れよう。

 
 

長門、今日は本当にありがとう。いつもお前の世話になりっぱなしだな。
今度何かお礼するよ。
「別にいい。今日の出来事は私にとってとても嬉しいこと。
だから気にする必要は無い」
といつもよりはっきりとした声で言ってくれた。
もしかして、長門も家族を持ちたいのか?
「少し・・・・・・、::::」
後半部分は声が小さくて聞き取れなかったが、
なんだか少し恥ずかしそうな感じで言っているのは気のせいだろう。
それにしても長門があんなに強く意思表示をしたのは珍しいな。
あいつも段々人間に近づいているんだなと俺は心から嬉しくなった。
俺は長門に何回も感謝の言葉を上げながら、
長門がお嫁さんになったら今日みたいなことになるんだろうかと考えながら、
長門をマンションまで見送りに行った。

 
 
 

「少し・・・・・、出来ればあなたと幸せを育みたい」
これは私の願望。これからもずっと変わらない願い。彼は叶えてくれるだろうか?

 
 

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:34 (2710d)