作品

概要

作者達磨
作品名勇気
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-14 (土) 20:53:49

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

2月20日。
暦の上では既に春でもまだまだ寒い日が続いてる。
でも、あと1ヶ月もすれば暖かい日が待ってることを思うと
この寒さも我慢できるようになるから不思議。
そしてその頃には彼と、今日よりももっと、
仲良くなれてたらいいな。

 

彼は、去年のクリスマス直前から突然私の所属する
文芸部を訪れるようになった。
何故彼が文芸部に来るようになったかは分からない。
最初はよく分からないことを言っていて怖かったけど、
それでも彼と接点が出来て私は嬉しかった。
そしてある日を境に彼と私は仲良くなり始めた。
その「ある日」というのは、彼が誰かを連れてきて
パソコンの前で何かやっていた日なんだけど・・・
未だに彼が何をやっていたのか謎。

 

1月の上旬ごろだったかな。
去年渡した入部届けに、彼が名前を書いて出してくれたのは。
あの時は入部届けを受け取る手が少しだけ震えた。
「これからよろしくな」
そう言って彼は私に微笑んだ。
その時感じた胸の高鳴りは、彼が微笑んだからか、
それともこれからの事を想像したからか、
どちらが原因だったのだろう。
・・・どちらもそうなのかもしれない。
彼と同じように、私も微笑んでみた。
「こちらこそよろしく」

 

それからは、彼と一緒に帰ることが多くなった。
といっても会話とかはせずに、寄り添っているだけだけど。
でも今日は少し勇気を出した。
何日も前から決めていたこと。
いつまでも私がこうでは何も変わらないと思ったから。

 

少し前を歩いている彼に近づく。
手と手が触れ合いそうになるまで。
そして私は自分の右手を恐る恐る
彼の左手にちょこんとぶつけてみる。
気づかない。
私は思い切って、今度は彼の左手を握る。
流石に気づく。
歩くのを止めてきょとんとした表情で私を見る。
私はその瞬間うつむいてしまった。
でも、言う。
「好き」
胸が張り裂けそうな感覚。
それでも、もう一度。
「私は、あなたが・・・好き」

 

そう言った瞬間、私が彼から一気に離れていくような、
妙な感覚を体験した。
今握っている彼の手を離したら
私は後ろへと飛んでしまいそうな感覚。
だから、少し強く彼の手を握る。

 

彼は今どんな表情をして私を見ているのだろう。
突然の告白に戸惑う顔?
それとも喜んでる顔?
無表情?
困惑する。更に強く彼の手を握る。

 

急に、私の手に力がかかる。
彼が握り返していた。
私は顔を上げて彼を見ようとした。
彼はあの時のように微笑んで言った。
「これからもよろしくな」
私から、彼の手を握る力が一気に抜けた。
今度は逆に彼が私の手を握ろうとする。
一本一本、指を絡ませながら。
「・・・こちらこそ・・・よろしく」
彼と同じように微笑むことは出来なかったし、
うつむきながら言ってしまったけど、
代わりに彼の手を握り返してみた。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:34 (2729d)