作品

概要

作者達磨
作品名
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-10 (火) 00:19:03

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

窓辺から差す暖かな光が私の本を照らし、
読書の手伝いをしてくれる。
そして、文芸部室にたまにくる彼が私を照れさせ、
読書の妨げをする。
・・・・プラスマイナスは0、問題はない。

 

今日も部室に来る彼。
暇ならばここに来るのが当たり前なのだろうが、
未だ私にとってそれは当然のことではなく
少し照れてしまう。
とはいえ、私は感情を表に出しにくいインターフェースなのが
唯一の救いだ。
彼に気づかれてしまったら、読書スピードが更に遅くなる。

 

彼は椅子に座り私を通して、窓の外を見る。
そう分かってはいるものの、文章を追うのが急に遅くなる。
体温が少し上昇するのが感じられた。

 

「・・・・・ん?」
彼がボソリと言う。
何かに気づいたそうだが、
まさか私が照れてることに・・・・?
そう思ってる間、不意に横から声が掛けられる。
「長門、ちょっといいか」
私は声のするほうへ顔を向ける。
向けはするが、その視線は頭上だ。
更に体温が上がる。

 

何をするかと思えば、彼は私の髪に触れて
何かをとった。
「髪についてたぞ」
少し笑いながら彼はそれを差し出す。
それは桜の花びら。
桃色と白を絶妙に合わせた透明感のあるそれは、
登校中に見るそれと全く違って見えた。

 

「これを髪に付けたまま読書してるんだもんな、
 ちょっと微笑ましかったぞ」
さっきまでの自分を思い返し、心の中で赤面する。
でも――少し嬉しい。
「そう」
口から出るのはいつもと変わらない素っ気無い返事。
私のこういうところは少し好きだ。

 

彼は教室へ戻る。
部室の中には私一人が残る。
手に持つのは本と、一際透明に見える花びら。
「・・・・・」
挟んでいた栞を本の最初のページに移す。
そして彼に取って貰った桜の花びらを
栞の合ったページに挟む。
再びこの本を開いたとき、今の気持ちが復元されるように。

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:32 (3087d)