作品

概要

作者ありがとう
作品名『有希を肩車』
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-05 (木) 23:00:48

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

※微エロ注意

 
 

「古泉くん!」
「お任せ下さい」
ハルヒの絶妙なトスに合わせ、古泉が女装…いや助走を始める。
「フンモッフ!」
しなやかなフォームから打ち込まれるボールは確かに早い!だが、
「甘いぞ古泉!」
それじゃあ正面だ。
迷わずレシーブの体勢を取った俺に、不敵な笑みで応える古泉。何のつもりだ?
「マッガーレ!」
俺の手元で大きく旋回。そういう事か!しかしそれは判断ミスだったな。
「長門!行ったぞ!」
「……大丈夫」
一人クールに直立している長門の宣言どおり、ボールはラインをわずかに越えた。
「素晴らしい選球眼をお持ちです。感服致しました」
「ちょっと休憩しましょ。キョン、購買でジュース買ってきて!」
理不尽な命令さえ受け入れさせる笑顔は見事なものだな。教室でもその顔なら友達も増えるだろうに。
「お供しますよ。一人では大変でしょう」
言うまでもないとは思うのだが、本日の部活はバレーボール大会inSOS団である。
またしてもハルヒの独断による催しに巻き込まれているわけだ。
とは言っても、今回は俺も結構楽しんでいたりする。実に高校生らしいじゃないか。
たまには体を動かし皆と汗を流すのも悪くない。
ただ、開催場所に少々問題がある。

 

「ハルヒ、本当にココでやる気なのか?」
「そーよ。場所なんてどこでもいいのっ!」
通称中庭。当然ネットやラインなんて物は無いし、部活中とはいえ多少の人通りもある。
こんな所でバレーなんぞ始めれば、迷惑極まりない上に教師から怒鳴られるに決まってる。
「そん時はそん時よ。ほら、アンタも有希を見習いなさい!」
何を言う、長門がこんな事に興味が…
「……♪」
振り向くと、既に足で半分以上ラインを引いているユカイな少女の姿。
お前もかよ、長門。
「はぁ…分かったよ。古泉、手伝ってくれ」
ハルヒが何処かから持ってきたロープを木に巻き付ける。反対側の古泉は同じく校舎のパイプへ。
このロープより下を通ったボールはNG。つまりネットの代わりだ。
俺達の作業をハルヒはニマニマ見ていたが、ポケットから例のやつを取り出し、
「みんな御苦労様!さぁチーム分けよ!」

 

結果は白組がハルヒと古泉。赤組が俺と長門と朝比奈さんだ。キレイに分かれたな。
白組のペアは正直かなり手強い。
対して俺は平均的な身体能力しか無いし、申し訳ないが朝比奈さんが戦力になるとは考えにくい。
だが、こちらには心強い味方が居る。
頼むぞ、長門。
「…手加減はしない」

 
 

休憩を終えた後、試合は同点を維持したまま進行中。
長門の活躍は想像を超えていた。
朝比奈さんがコートの隅で震えていらっしゃる以上、実質2対2の勝負なのだが、
「…甘い」
古泉のアタックを片手でブロックし、
「…笑止」
ハルヒの弾丸をレシーブ、
「…左後方」
俺のアタック時には的確な指示を与えてくれる。無駄な動きは一切無い。
長門がこんなに元気ハツラツと動き回る姿は非常に喜ばしい。…しかし制服は着替えてもらいたかったな。
ヒラヒラと揺れるスカートが気になって集中できん!中がチラチラと見えている事はもちろん内緒だ。
そんな俺の視線に気付いたのか、長門は悪戯に成功した小悪魔のように俺を見上げ、
「………エッチ」
「…すまん」

 

「ぜぇ、ぜぇ、そろそろ限界だぞ」
そもそもこの人数で試合をするには無理がある。一瞬たりとも気を抜けず、俺は倒れる寸前だ。
さすがのハルヒも疲れが出たらしく、今日初めてのコントロールミス。
「わ、わぁぁ!きゃふ」
幸い球に勢いは無く、朝比奈さんがケガを負う事にはならなかった。
「大丈夫です。でも…どうしましょう」
朝比奈さんに当たったボールは宙を舞い、ロープを巻き付けた木に引っ掛かってしまった。
どう考えても一人じゃ届かんな。さて、どうする。
「キョン、肩車しなさい。あたしが取るから」
「それは危ないぞ。棒か何か探してきた方が…」
「いいから、早くしなさいっ!」
何故か笑顔満開のハルヒに従い、おとなしく腰を落とす。そして遠慮無しに俺の肩に跨がる…いかん!
コイツも制服のままじゃないか!だいたい密着し過ぎだ!
程よく引き締まったムッチリとした太もも、例えるなら良質なゼリーだろうか。
それにホンワカと温かい。特にその…首の後ろあたりが。
「キョン!もっと右だってば!」
くそ!何でハルヒなんかに。若干前屈みになりつつ右へ一歩踏み出す。
「あっ!ちょっと!急に…動かない…で…」
ボールの回収は成功したが、顔を真っ赤にする程怒るなら乗らなきゃ良かったんだ。
「べ、別に怒ってるわけじゃ…」
相変わらずよく分からん奴だな。まぁいい、試合再開だ。

 
 

スパーン!!バキバキ!
凄まじい音と同時に俺の前を何かが横切り、先程の木から煙が出ている。
「……うっかり」
どうやら長門のサーブミスらしいが、どんなうっかりをすればあの威力が出るのだろうか。
「しょうがないわね。も、もう一回肩車よ!」
「やれやれ、仕方ないな」
だがその時、俺とハルヒの間に立ちふさがる小さな影が、
「……わたしが乗る。少しでも彼の負担を減らすべき」
すかさずハルヒが言い返す。
「何よそれ!あたしが重いって言いたいわけ?!」
俺は見た。長門の瞳の中で牙を光らせる虎の姿を。
「……深い意味は無い。でも彼はこちらのチーム。…あなたに文句は言わせない」
「ひっ……わ、わかったわよ。だからもう怒らないで…」
ハルヒが許しを請うとはよほどの事だ。もちろん俺は既に腰が抜けている。
それを聞いた長門はフッと元の無表情に戻り、
「…そう。もう怒っていない。仲直り」
ハルヒと握手した後、俺に顔を向け
「……あなたを跨ぐ許可を」

 

「長門、もう立ってもいいか?」
「…いい」
ハルヒと違い、俺を気遣いながら静かに乗るのはいいのだが、
やはりコイツも密着してくる。高くて恐いのかもしれんが、俺の理性が無くなる前に降りてくれよ。
スベスベとした肌、どこまでも柔らかいこの感触。
ハルヒがゼリーなら長門はプリンって感じだな。相変わらず首の裏が…
「…もっと右」
何も考えるな!さっさと終らせよう。
「これくらいか?」
俺が動けば当然上の長門に衝撃が伝わるが、
足をしっかり持っていれば落ちる事はないだろう。
「……少し左」
「行きすぎたか。こんなもんか?」
「…もうちょっと」ピクッ
上が向けないから距離感が掴めんな。この辺か?
「…やっ……ぱり右」ピクン!
「どれくらいだ?もう少しか?」
「…そう……もぅ…少し」ブルブル
「て事は…ココか」
「んっ………そこ」ギュッ
「長門、ちゃんと掴んでるから力抜いてくれ。首が苦しい」
それにしても…何だこの視線は。
朝比奈さんは何故か顔を手で覆っている。と思いきや指の隙間から見ているし、
古泉は長門に敵意むき出しで睨んでやがる。
それに、まるで自分のオモチャを姉に取られた妹みたいな顔は何なんだ?ハルヒ。
「………とれた」

 

長門を降ろし、思わずその場に座り込む。
やれやれ、今日はとんでもない経験をしちまったもんだ。
…ああ、あまりの刺激で頭が混乱してるのか。そりゃそうだ。
長門がこんな意地悪な顔するわけ無いからな。

 

「……ゼリーとプリン…どっちが好き?」

 

END

 
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:30 (3093d)