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作者 | 達磨 |
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作品名 | 添い寝(通常版) |
カテゴリー | 長門SS(一般) |
保管日 | 2007-04-04 (水) 01:25:36 |
キョン | 不登場 |
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キョンの妹 | 不登場 |
ハルヒ | 不登場 |
みくる | 不登場 |
古泉一樹 | 不登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 不登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
金曜日。
日が沈んでから何時間も経過し、
辺りはすっかり暗くなった。
いわゆる「良い子は寝る時間」と定義される時間に近づく。
そんな時間に俺の携帯が震えている。
高校生にとってはまだこの時間は活動しているのが普通だ。
メールしてきた側もそういう意識があるのが分かる。
当たり前のことを思いつつ携帯を開き、
新着メールを確認する。
送り主は長門だった。
「悩みがある。至急こちらに来て欲しい。」
長門でも悩みがあるのか・・・
というか、この時間にメールしてくるとは、
なかなか解決し難い悩みなのだろう。
少し急ごう、そう思いつつ自転車で長門の家に向かう。
春を迎えても、頬に当たる夜風はまだ冷たかった。
長門のマンションに着き、部屋に入れてもらう。
エアコンが効いているのか、少し暖かかった。
広い部屋にはコタツがぽつんと置かれ、
窓側のコタツの脇には布団が敷かれている。
「で、長門。何だ?悩みってのは?」
長門を向かいにしてコタツに入り、すぐさま言う。
なるべく早めに帰らないと親が心配するからな。
前置きなんて気にするものか。
「この悩みの解決にはあなたが不可欠」
ふむ、そうなのか。
それは光栄だ。人から必要とされるのは悪いことではないしな。
して、その悩みとは何だ?
「ここ最近、春先だというのに寒い日が続いている。
そのせいで布団で寝るときに寒くて困ってしまう。
だから――」
そこで言葉を途切れさせて、長門はコタツ脇の布団に向かう。
そして上から見たとき両足がWの形になるように座り、
両手を両膝の間に置く。
いわゆる女の子座りというやつだ。
そう思ったら長門は右手を上げて、
ちょいちょいと俺に合図を送っている。
光を通さない深海のような目でこちらをじっと見つめる。
「一緒に寝ろと?」
そう問いかけると長門は縦に頷いた。
再び両手を布団に置き、こちらの心を見透かすような目で
見つめてくる。
気のせいか少し前のめりになっている。
・・・・・少し考え込む。
そして結論を出したと同時に、家に電話をする。
今日は友達の部屋に泊まる、と。
「分かったよ、長門。
今日は一緒に寝るか。
寒くて困るのならしょうがないな」
そう言うと長門はまた縦に少し首を振る。
そして先に布団に入った。
俺も続いて布団に入る。
だが一応長門のほうは向かないことにする。
鈍感な俺でも――少しは意識してしまう。
少し心拍数が上がったなと感じたその時に、
いきなり後ろから抱きつかれる感触。
俺の肩くらいの位置に長門の頭が触れている。
そうか、そもそも長門が寒いと言うから
俺が布団に入っているのであって、これは自然な流れか。
「おやすみ長門・・・」
そう言い残し、俺は眠りに落ちた。