作品

概要

作者G.F
作品名朝倉涼子の憑依
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-04-03 (火) 21:19:40

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

※SS集/629 の続き…みたいなものです。

 

「涼宮さん…お久しぶり…」
え…その声は…涼子?
カナダに…行っているんじゃなかったの?
「お願いがあるんだけど…」
お願いって?
「あのね…私の身体を返してほしいんだけど…」
身体を返してほしい…って何のこと?
「あら…有希からあなたの身体のことについて何も聞かされてないわけ?」
有希が…あたしの身体のことについて何を言ったわけ?
とりあえず…あたしの身体が有希の手でサイボーグ改造されている…っていう話は聞いたんだけど…。
「じゃあ…いいわよ。こっちもこっちで実力行使に出てやるから」
えっ…?
実力行使…って?

 
 

俺は教室でシャープペンシルでつつかれて後ろを振り向く。
2年5組の俺の後ろと言えば…そこにいるのはハルヒ。
だが…今日のハルヒはいつものハルヒとは雰囲気が違う。
一言で言うなら…ハルヒであってハルヒでない…という感じだ。
「なあ、ハルヒ…」
「何よ」
「俺…最近…目が悪くなったかな…」
ハルヒの髪の毛が…黒いはずのハルヒの髪の毛が…鮮やかなコバルトブルーに見える。
その髪の毛の色だが…どこかで見た覚えがある。
誰だったかな…確か一年生のときにそういう髪の毛の持ち主がいたような気が…思い出した!あいつだ!
そして…俺の脳裏には…一度のみならず二度まで俺を襲ったそいつの顔が浮かんだ。

 
 

「長門…」
昼休み。文芸部室。
聞き覚えがある声で振り返ってみると…彼だった。
「お前…まさか…ハルヒをサイボーグ改造したとき…朝倉の身体の部品を再結合で再生して…」
「…使った」
ハルヒの身体の内部機構は脳髄がハルヒのものである以外は涼子のものを再結合して使った。
ハルヒと涼子は身長もスリーサイズもほぼ同じだから…という点もあるし…実はハルヒの内部機構は私と同じなのだが、涼子も実は私と同じなのだから使えたのだ。
そう…私と涼子は身長やスリーサイズこそ違うものの…双子のような存在…。
「…何故?」
「実は…ハルヒの髪の毛が…いつもは黒いのに今日は青く見えるもんだから…」
ハルヒの髪の毛が…青く見える?
「それも…鮮やかなコバルトブルーなんだよ」

 
 

さて…その日の放課後…団室。
「キョ〜ン君」
振り向くとハルヒがいた。
いつも呼び捨てのお前が「キョ〜ン君」と「君」付けで呼ぶとは珍しいな。明日…雪でも降るんじゃないのか?
「フフフ…今度こそ逃がさないわよ」
俺がハルヒの異変に気が付いたのは…その後だった。
ハルヒの声が…ハルヒの声じゃない。
そう…ハルヒの口から聞こえるのは別の女の声だ。
どこかで聞いた覚えがある声なのだが…それも、最後に聞いたのがつい最近のことだったような気がする。
「あなたを殺して…この子の出方を見る」
え…この子って…誰のことだ?
「決まってるじゃない。今…あなたの目の前にいるこの子よ」
そういって自分の顔を指差したかと思うと…おもむろにナイフを出すハルヒ。
俺は…ハルヒが取り出したナイフに見覚えがあった。
「まさか…お前…?」
「そう…実に3ヶ月ぶりよね、キョン君」
3ヶ月ぶり…といわれて俺は…今日の日付を思い出した。
そういえば…朝倉が長門との最終決戦を繰り広げた挙句消されたのは…去年の12月のことだった。
「ハルヒちゃんったら…身体を返せと言っても『これはもうあたしの身体よ』と強情を張るもんだからさ」
朝倉に身体を乗っ取られた状態のハルヒ…以後面倒なのでこの状態のハルヒのことを「朝倉ハルヒ」と呼ぶことにする…はそういうと俺にウィンクした。
「だから…実力行使に出たわけなのよ」
何だって?
「そう…身体を乗っ取ったの」
…ということは…ハルヒの髪の毛が今朝から真っ青だったのは…そうか…あの時点で既に身体を朝倉に乗っ取られていたんだ!
そして放課後になってから…ハルヒの人格までも乗っ取ってしまい…そしてその上で俺を襲いに来た。
「…と、そういうわけだな、朝倉」
「なかなか察しがいいじゃない、キョン君」
朝倉ハルヒは頷いた。
「うふふ…今度という今度は…頼みの綱の有希も来ないわよ」
そういわれて見れば…去年の四月のあのときみたいに…団室の入口が…壁になっている。
「さあ…観念しなさい」
朝倉ハルヒはそういうと…俺にナイフを振り下ろそうとした。
「涼子!やめて!」
その時…朝倉ハルヒの口から…涼宮ハルヒの悲痛な声が迸った。
そしてそれとほぼ同時に…
「…やっと…バグが見つかった」
長門!待ってたぞ!
「ちっ」
悔しそうな朝倉ハルヒの舌打ちが響く。

 
 

涼子…諦めなさい。
あなたに完全に身体の制御を支配されるようなハルヒじゃないわよ。
その点を見落としてなかった?
「有希…言っておくけど…今度という今度は有機情報連結解除は出来ないわよ」
涼子が…悪あがきを始めた。
「…解っている」
ハルヒを…こんな形とはいえ…人質に取られているのだ。
有機情報連結を解除したら涼子はおろか身体を乗っ取られたハルヒまで消えちゃうから…ね。
「とにかく…私の身体を返して欲しいのよ」
ハルヒの口から涼子の声が響く。
「…だからと言って…人の身体を乗っ取るのはよくない」
私は教え諭すように涼子に言った。
「だから…私は有希に言ってるんじゃないの」
え?私に言ってるんじゃない…って?
「今更…返せないわよ!」
ハルヒの口から…ハルヒの悲痛な声が響く。
「返しなさい!」
「いや!この身体はあたしのもの!」
「何よ!あんた…最近、調子付いてるんじゃないの?」
涼子とハルヒが…一つの身体で言い争っている。
まるで…一人芝居のようだ。
「二人とも…もうやめろ!」
彼の声が響いた。
「長門…朝倉の身体をもう一回作れるか?」
「…出来ないことは…ない」
「だったら…作ってやれ」
…私は迷っていた。
涼子の身体を作ってやって…また今日みたいに…彼を襲ったらどうしよう。
そうなると…私…今度という今度こそ処分決定かも…彼も…今度は庇ってくれないに違いないから…。
「もう…他に解決方法はないだろ?長門」
「…」
「このままじゃ朝倉も可哀想だ…そう思わないか?長門」
「…え?」
私は…一瞬…彼の頭がおかしくなったのかと思った。
いいの?涼子は…あなたを二度も襲ったのよ。
それでも…涼子が可哀想だ…ってどういうこと?
「キョン君…」
ハルヒの身体を乗っ取った涼子が…彼の発言に…吃驚している。
「俺は…朝倉を許す。そう決心した」
「…作る」
私は…一か八かに掛けてみることにした。

 
 

「有希…ありがとう…」
ハルヒの身体から分離して…新しい身体に入った朝倉が…涙を流している。
「…お礼は…彼に言うべき」
俺に?
「…うん…キョン君…ありがとう…そして…本当にごめんなさい」
朝倉が…俺に抱きついて泣きじゃくり、謝っている。
…いいんだよ…朝倉。
「あぁーっっ?」
ハルヒ…どうしたんだ?
「涼子…何で…あんたがそこにいるのよ!」
「えっ?」
「ねえ…いつカナダから帰ってきたの?ねえ…涼子」
おもむろに朝倉に抱きついて再会を喜ぶハルヒ。
ハルヒは…どうやら朝倉が身体を乗っ取っていたことは覚えていないらしい。
「おい、長門…」
「何?」
「お前…まさか…ハルヒの記憶をいじったのか?」
長門はそれには直接答えなかった。
ただ…俺に向かって…ぺろっと舌を出しただけだった。
だが…俺には…長門の「答え」は理解できた。
そう…そのほうがいいだろうな…ハルヒにとっても…朝倉にとっても。

 

※続き…みたいなものは SS集/664 です。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:29 (3088d)