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作者 | G.F |
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作品名 | 北高戦隊SOS団 − 「ボイス・シャッフル」 − |
カテゴリー | その他 |
保管日 | 2007-03-31 (土) 08:13:38 |
キョン | 登場 |
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キョンの妹 | 登場 |
ハルヒ | 登場 |
みくる | 登場 |
古泉一樹 | 登場 |
鶴屋さん | 登場 |
朝倉涼子 | 登場 |
喜緑江美里 | 登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
その日…私たち四人は…道頓堀に本店があるたこ焼屋さんの支店で和気藹々と話していた。
四人というのは…ハルヒ、私、みくるさん、涼子。
玉子焼き、葱入り玉子焼き、それからたこ焼を4皿づつ注文して…食べられる人だけ食べるということで…。
みくるさんと涼子は残したため、食べきったのは私とハルヒだけ。
お金を払って店を出たところで…突然ブレスレットの邪道魔獣感知音が鳴り響いた。
邪道魔獣は…黒いイタチみたいな動物で…しっぽが独自の形の…スカンク?
それが…道行く人におならを引っ掛け…次々と襲っている。
「待て!邪道魔獣!」
「来たな…これでも食らえ!」
スカンク魔獣が逆立ちをしたかと思うと…突然私たち四人に向かっておならをした。
「うげ…臭い…」
強烈な匂いに…私たちは変身する間もなく…その場に倒れてしまった。
すぐに気づいたのはいいが…いつの間にかスカンク魔獣は姿を消していた。
「畜生!取り逃がした…えっ?」
突然…ハルヒの声が…私の声になってしまっていた。
「ヒェーッッ、涼宮さんの声が長門さんの声に…えっ?私の声も変わってますよぉ」
「え…みくるちゃんの声も…涼子の声になってる!」
ハルヒとみくるさんが私と涼子のほうを見つめる。
ハルヒの声が私の声、みくるさんの声が涼子の声…と…すると…。
「どうなってるの…これ?」
涼子の声は…ハルヒの声になってしまっていた。
「…四人の声が…入れ替わっている」
そして…残る私の声は…みくるさんの声になってしまっていた。
「何で…何であたしたち4人の声が…入れ替わっちゃったのよぉ」
わかったから…頼むから長門の声で泣かないでくれ、ハルヒ。
「…スカンク魔獣のおならが臭くて…変身する間もなく倒れて…気が付いたら…声が変わっていた」
その長門は朝比奈さんの声になっても喋り方が独自だから…いいとして…。
「何とかなりませんかぁ?このままじゃ…私たち、変身出来ないですよぉ」
朝倉の声でそういう喋り方をされると…なんか別のキャラクターみたいです、朝比奈さん。
「スカンク魔獣め…人に向かっておならをしやがって…今度見かけたら、その時はこのナイフで刺してやる!」
ハルヒの声でナイフを出して「刺してやる!」なんて言うな!怖すぎだ朝倉!
「しかし…どういう現象なのかな…あれって」
解っているのはスカンク魔獣の屁を四人が吸ってしまったことにより…四人の声がシャッフルされた…ということ。
スカンク魔獣のガスに原因があることはわかっているので…相手が放屁する前に変身すれば…吸わずに済む可能性が高い。
あのヘルメットにはスーツのアンチハザード機能の一環として防毒機能があるからな。
「つまり…こういうことですよ」
古泉はそういうとトランプを出した。
「解りやすいようにクイーンとエースを使って説明します」
古泉は四枚のクイーンを表を向けて場に出した。
「スペードのクイーンを涼宮さん、ダイヤのクイーンを長門さん、ハートのクイーンを朝比奈さん、クラブのクイーンを朝倉さんとします」
古泉はそういうとエースを同じスートのところに表を向けて出した。
「スペードのエースが凉宮さんの声、ダイヤのエースが長門さんの声、ハートのエースが朝比奈さんの声、クラブのエースが朝倉さんの声です」
古泉はそういうと四枚のエースを裏返した。
そしてスペードのクイーンのところで裏返っているエースのカードをまた表に向けたかと思うと…それはダイヤのエースになっていた。
同様…ダイヤのクイーンのところにあるのはハートのエース。
ハートのクイーンのところにあるのはクラブのエース。
クラブのクイーンのところにあるのはスペードのエース。
「…お分かりですか?」
…それはお前に説明されなくてもわかってるよ。
俺が聞いているのは…その現象はどういう原理で起きたのか、ということだというのに…いつも肝心なことに答えないな、古泉は…。
そのうちしばくぞ…って何言ってるんだ?俺。
「しかし…この現象…異相空間で起きた現象とも違いますよね」
朝倉…じゃなくて朝比奈さん…火を見るより明らかに違いますよ。
あの時は確か…俺と長門と朝比奈さんと古泉…この四人の声がハルヒの声になってしまったんだっけ。
「しかし…みくるちゃんも言ってたけど…このままだとあの四人、変身出来ないわよね」
喜緑さんが…悲観的なことをいう。
「それというのも…このブレスレットには声紋認識機能があるから…ですね」
古泉が頷いた。
「なぁに…私たちだけでも何とかなるよっっ」
鶴屋さんは喜緑さんと対照的で楽観的だ。
「四人だけじゃないからねっっ。五人だからねっっ」
「はて…五人といいますと?」
「何言ってるにょろ?キョン君…おたくの妹ちゃんがいるじゃない」
「つまり…ゴールドパピヨン…ですか!」
…古泉!お前が先に言うな!
俺も喉まで出掛かっていたんだぞ。
「…失礼しました」
決めた。お前には断じて妹はやらん。
「おや…噂をすれば…」
画面では…ガス被害にあわないうちにゴールドパピヨンに変身したらしい妹が…公園で…ミヨキチ他を庇ってスカンク魔獣と戦っている!
「みんな!行くぞ!」
俺たち四人は飛び出した。
…妹よ!兄たちが登場するまで待っていてくれ!
彼と僕、喜緑さん、鶴屋さんの四人は…予めグリーンビートル、ブラックスタッグ、ホワイトスコーピオン、パープルフレアーに変身してから公園に駆けつけた。
ビートルブレードを投げつけ…相手がひるんだ隙にゴールドを抱きかかえるグリーン。
「…グリーン!」
「お前…無事でよかった!」
抱きあうグリーンとゴールド。
こういう情景を目にすると…やっぱり兄妹愛というものはいいものだ…とつくづく思う。
「みんな!逃げるにょろ!」
パープルの声で…みんなは逃げた。
「…ちっ!」
舌打ちするスカンク魔獣。
「情熱のヘラクレスオオカブト!グリーンビートル!」
「勇気のギラファノコギリクワガタ!ブラックスタッグ!」
「夢幻のダイオウサソリ!ホワイトスコーピオン!」
「霹靂のゲンジボタル!パープルフレアー!」
「可憐のアゲハチョウ!ゴールドパピヨン!」
「あたしたちも忘れちゃ駄目よ!」
長門さんの声が響き渡ったので…見ると涼宮さん。
スカンク魔獣の「ボイスシャッフルガス(勝手に命名:僕)」により長門さんの声になっているので…紛らわしい。
「…この声のまま…変身する方法を考え付いた」
朝比奈さんの声で…見ると長門さん。
そして朝比奈さんと朝倉さんも姿を現した。
「頼むわ!涼子!」
なるほど…声が入れ替わっているのを逆に利用するわけか。
「チェンジ!マンティス!」
朝倉さんが叫ぶと…涼宮さんのブレスレットが反応して変身していく。
「希望のパラドキサ!レッドマンティス!」
レッドは長門さんの声のまま名乗りを上げ…。
「チェンジ!ビー!」
…そのまま長門さんの声で叫んだため…長門さんが変身していく。
「知性のスズメバチ!イエロービー!」
イエローは朝比奈さんの声のまま名乗りを上げ…
「チェンジ!スパイダー!」
…そのまま朝比奈さんの声で叫んだため…今度は朝比奈さんが変身。
「魅惑のジョロウグモ!ブルースパイダー!」
ブルーは朝倉さんの声のまま名乗りを上げ…
「チェンジ!ドラゴンフライ!」
…そのまま朝倉さんの声で叫んだため、今度は朝倉さんが変身。
「怒濤のオニヤンマ!シルバードレーク!」
そして…シルバーは涼宮さん、つまりレッドの声のまま名乗りを上げた。
「北高戦隊!SOS団!」
「マンティスダブルトンファ!」
私の声になったハルヒが…マンティスダブルトンファで戦闘員と戦っている。
どうやら武器を使う分には声が変わっているのは関係ないらしい。
「ビーサーベル!」
みくるさんの声になった私は空中を滑空してビーサーベルで戦闘員と戦う。
「スパイダーマグナム!」
涼子の声になったみくるさんがスパイダーマグナムで戦闘員と戦っている。
「ファイアフライキャノン!」
鶴屋さんがみくるさんと背中合わせでファイアフライキャノンで戦闘員と戦っている。
「ドラゴンフライクロスボー!」
ハルヒの声になった涼子が私と同様に空中を滑空してドラゴンフライクロスボーで戦闘員と戦っている。
「スコーピオンシザース・アンド・スコーピオンドリル!」
江美里さんがスコーピオンシザースとスコーピオンドリルで戦闘員と戦っている。
「バタフライブーメラン!」
彼の妹さんが空中を滑空しながらバタフライブーメランで戦闘員と戦っている。
「スタッグダブルソード!」
「ビートルブレード!」
古泉君と彼がスタッグダブルソードとビートルブレードでスカンク魔獣と戦っている。
やばくなったと見たか…スカンク魔獣は逆立ちしておならをしたようだが…。
「スカンク魔獣!この状態の俺たちにはボイスシャッフルガスは通用しないぞ!」
きゃっっ!それでこそ私の騎士・キョン君!
「グリーン!あの技を試すときですね!」
古泉君…あの技って?
「了承!ビートルクラッシュ・ブラックモード!」
まず古泉君が彼の肩でジャンプして…スタッグダブルソードで相手に切りつけた。
「ビートルクラッシュ・グリーンモード!」
そして今度は彼が古泉君の肩でジャンプして…ビートルブレードで相手に止めを刺した。
爆発するスカンク魔獣。
そのとたん…。
「声が…元に戻ったわ!」
「本当です!」
「よかったぁ…」
「…感謝する。ありがとう」
私は…彼に言った。
「いや…長門、ありがとうというのはまだ早い!」
彼の言葉で見ると…スカンク魔獣が巨大化している。
「ギガスコーピオン!ギガファイアフライ!めがっさ発進にょろ〜」
鶴屋さんがギガスコーピオンとギガファイアフライを呼び出した。
私たちは二手に分かれて乗り込み、メガインセクトを発進させた。
「キングインセクト!完成!」
それと同時にギガスコーピオンとギガファイアフライが巨大ロボットに変形した。
「ギガスコーピオン・バトルモード!見参!」
「ギガファイアフライ・バトルモード!参上!」
逆立ちして放屁しようとしたところへ…メガバタフライが燐枌を振りかけた、
メガバタフライの燐粉の毒気に中って苦しむ巨大スカンク魔獣。
「インセクトサーベル!」
「ボイズンソード!」
「シャイニングカリバー!」
そして三対の必殺剣を食らわせ…スカンク魔獣は爆死した。
鶴屋さんの家のプール。
あたしと有希とみくるちゃんと涼子、それからキョンの妹ちゃんは…ひと泳ぎした後…デッキチェアで一休み。
そこへ…キョンが蝶ネクタイをつけた姿で…飲み物をお盆に載せて持ってきた。
「注文は…ハルヒがサンデー、長門がチョコレートパフェ、朝比奈さんがコーラフロート、朝倉がコーヒーフロート、それから妹がメロンフロート…でよかったよな?」
間違いないことを確かめて…テーブルに置いていく。
キョンによると…アイスクリームは全て鶴屋さんの手製、コーヒーフロートのコーヒーは古泉君が淹れたもの、コーラフロートのコーラは市販されているペプシコーラだが、チョコレートパフェの下のメロンソーダとメロンフロートのメロンソーダは喜緑さんがサイダーとかき氷用シロップで調合…とかいう話。
「…大丈夫」
…え?有希、大丈夫って?
「…メロンソーダはちゃんとマスクメロンの香りがする」
…有希…いくら色が似ているからって…例えば抹茶やワカメの香りがソーダ水からしたらそれこそ「激まず」でしょ?って突っ込んでやりたいところを抑えた。
うふ…あたしたち五人…これからも…ずっと仲良しだから…ね。