作品

概要

作者Lehre
作品名長門さんとミミ付きカチューシャ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-31 (土) 01:50:32

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「今日は面白いものを持ってきたわよ!」
我等が団長閣下は文芸部室のドアを跳ね開ける、としか形容出来ないような開け方をして文芸部室に現れた。
そう言うハルヒの手には小さな紙袋が提げられていた。
とりあえず、ドアは静かに開け閉めしような。
一応公共物なんだし、壊すとまずいだろ。
「まぁ、その言い分にも一理あるわね。覚えておくわ。
さて、諸君! 今日私が持ってきたのは他でもない。実に面白いものである!」
「別にもったいぶる必要もないだろうに」
「お! そんなに知りたいの!?」
「いや、全く。むしろ、これぽっちも」
「ではお披露目しようではないですか!」
「人の話を聞けよ!」
俺の言葉を25mm装甲板に当たる豆鉄砲のように弾き飛ばしつつ、
テケテテンという効果音を自分で言いながら紙袋の中身を取り出した。
「耳付きカチューシャ(イヌ)!」
あの青いネコ型ロボットの、懐かしの濁声を真似ながらふりかざしたものは、
その言葉に違うことのない犬耳の付いたカチューシャだった。
で、その耳付きカチューシャ(犬)をどうするつもりだ?
「付けるのよ」
「誰に!?」
「あんたに」
「ナニィッ!?」
「それは実に素晴らしいことかと」
さりげなく賛同するな、小泉。
なんだ、その嬉しそうな顔は!
「まぁ、それは冗談よ。
アンタみたいなムサい男にイヌミミつけたって気持ち悪いだけだわ。
どうせつけるなら古泉君の方ね」
そう言われた小泉は顔をわずかに引き攣らせたようだった。いい気味だ。
で、本当は誰を餌食にするつもりなんだ?
「餌食とは無礼な話ね。
まぁ、いいわ。これは有希につけさせるために持ってきたの」
「長門に!? なんで今更?」
「わたしとみくるちゃんとはバニーの衣装を着たけど、有希だけ着てなかったじゃない。
わたし達のサイズのやつは有希に合わないし、もう予算がなかったから耳付きカチューシャだけ。
ホントはネコミミが良かったんだけど、イヌミミのほうが52円安かったからこっちにしたわ。
それに、ほら、有希って雰囲気はネコっぽいけど、性格的にはイヌっぽいじゃない?
言われたことを忠実に守るところとか」
「長門に犬耳を付けさせようという理由は、解せん点はあるがわかった。
で、なんで今更、の回答は?」
「女の子って可愛いものが好きなのよ。
きっと有希もああいう可愛いコスチュームを着てみたいと思っているに違いないわ!
仲間はずれにするなんて悪いじゃない?」
「お前なりの思いやり、ってことか?」
「まぁ、そんなところね。
それに写真も撮って文化祭の映画DVDに特典映像で付けようと思って。
有希ってこう見えて隠れファンが多いから」
「結局はそれが狙いか!」
呆れかえる俺をよそにハルヒは長門と交渉を始めた。
「有希! 話は聞いていたわね!
イヌミミを付けてくれるかしら?」
読書に没頭中の長門は無言のまま頷いた。
こいつは質問の意味をちゃんと理解しているのだろうか?
「よかったわ!
これで首を横に振るようならキョンを脅迫してでも交渉させるつもりだったけど、
その必要がなくなって!」
「なんで俺がそこで引き合いに出されるんだ!?」
「日頃の自分の振る舞いを、胸に手を当てて考えてみなさい」
俺、なんかしたっけ? う〜む、ワカラン。
思い当たる節がほとんどないぞ。
いや、まったくないってワケではないが、でもまさかアレとか、アレとか・・・・・・
などとアレコレ考えているうちに、
ハルヒはすでに犬耳カチューシャのセッティングを終えていた。
「完成! 初期試作型イヌミミ長門有希!」
初期って言うことは2期や3期があるのか?
試作型ってことは制式があるとでも言うのか!?
「ゴチャゴチャうるさいわね。
さて、有希。なにかイヌっぽい仕草とかしてみて」
犬っぽい仕草ってなんだよ。
長門も不得要領であるらしく、首を傾げている。
「そうね〜。 とりあえず、お手」
「・・・・・・わん」
長門は本から目を上げることなく、ハルヒの掌に軽く握った拳を重ねた。
犬っぽい仕草と言われて「お手」を思いつくというのは、これはお約束なのだろうか?
長門も長門であっけないほど素直に従ってしまっている。
「やっぱりこの指示に対する従順さはイヌの特徴よね。
誰かさんとは大違いだわ」
そんな勝手なことをヌカしつつ、ハルヒの命令はエスカレートしていった。
「おすわり!」
「・・・・・・している」
「ちん○ん!」
「・・・・・・ない」
「おまわり!」
「・・・・・・毎日ぐーるぐる」
「むッ。急に反抗的になったわね」
当然だ。
長門は犬じゃないんだから芸を要求してどうする?
そもそも、そんな真似すること自体が長門に失礼だろうが。
「ん〜ッ、ものすごく正論だけど、アンタに言われると腹立たしいわね!」
「正論だと思うんなら長門に謝れ」
「わかってるわよ!
えーと・・・・・・、有希、ゴメン。 気を悪くしたのなら謝るわ」
「・・・・・・いい、でも」
「でも?」
ようやく顔を上げた長門は、俺を眺めるように見やって言った。
「・・・・・・彼のイヌミミも見たい」
マジかよ・・・・・・。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:27 (2003d)