作品

概要

作者ありがとう
作品名『有希とポッキー』
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-30 (金) 13:10:19

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 
 

相変わらずいつもと同じ放課後の文芸部室。
しかし今日はいつもより浮かれた雰囲気が室内を満たしている。
数時間後に控えた重大な任務がそうさせるのだろう。
「みんな出し物は考えてきた?鶴屋さんの誕生パーティーはあたし達で盛り上げるんだからねっ!」
回りくどくなったがそういう事さ。もちろん何の文句も無い。
SOS団専属名誉顧問である鶴屋さんを祝う事は、当然の義務であり当然の権利だ。
仮に来るなと言われたところで我々がおとなしく引き下がるとは思えない。
「…………」
そんな楽しいイベントを前にしながらも、俺の気分がいまいち乗り切らないのはコイツが原因だ。
まるで悪戯を思い付き、その成功に揺るぎない確信を掴んでしまった少女の微笑み。
大事そうに抱えたポッキーにより、昨夜の破廉恥な記憶が目を覚ましやがった。
宇宙人との接触を果たした歴史的な出来事を。

 
 

「では各自が余興を演出する、という事で宜しいですか?」
「そーね、楽しいのじゃなきゃダメよ?鶴屋さんが爆笑するぐらいのね!」
「いつも笑ってるからなぁ…逆に難しいですぅ」
心配無いでしょう。あの方は大抵の事に腹を抱えて笑い転げるポテンシャルをお持ちですよ。
俺も何か考えないとな。
どーせやるんだ。ニョロニョロと転げ回る姿を見れば、
こっちまで幸せな気分にしてくれる事は間違いない。
「……余興…」
気になるのは長門が何を用意してくるかだ。
もはや指定席となった窓際で、本を開いたまま壁の先を眺めている少女。
そのボーっとした無表情を見る限りは名案が浮かんだようには思えないな。
大丈夫か?お前。

 

「最高なやつを考えて来るのよ?じゃー今日は解散!」
まるで明日は自分の誕生日だと言わんばかりの笑顔でそう告げた。
それぞれが我が家へ向かい足を進め始めて数分後、
「………来て」
断る理由は無い。
それに大体予想はしてたしな。コイツの力になれるならお安い御用だ。
共に明日の成功へ向けて協議しようじゃないか!

 

「………ふぁやくして…」
…帰っていいかな?俺。

 

「………入って」
この部屋にもずいぶん慣れたもんだ。
仮に地球外生命体だとしても、物静かで知的な美少女の部屋に入れる事を感謝しなければな。
「……わたしが考えたのはコレ」
長門が指を差したテーブルには…ポッキーだな。
お茶請けにでもしてくれるつもりなのか、途中でコンビニに寄った長門が買った物だ。
「コレがどうかしたのか?ただのポッキーに見えるが…」
テーブルを挟んで正面に正座する長門はそれだけ言うと、
ほんのりと頬を赤らめて俺の言葉を待っているようだった。
…なるほど。いや、わからん!
「コレを使って何かやるって事か?悪いが見当もつかないんだが…」
それには答えず立ち上がり、テーブルをぐるりと廻って俺の隣に座り込んだ。
何か悪い事言ったのか?まさかいきなりビンタされる事は無いと思うが…何か恐い。
「…あなたには練習に協力してもらう。……ふぁやくして」
「つまりそれは…」
ポッキーゲーム!
巷で噂の合コン等で大活躍!短時間で女性と親しくなれる、神が作り出した禁則事項!
長門、何か勘違いしてないか?

 

「……ポリポリポリポリ」
頬っぺたを紅潮させ、目を閉じた天使が近づいてくる。
ああ…このままあの小さな口から入り込み、
長門の運動エネルギーにされるのも悪くはないかな…
「うお!今のは危なかったぞ!」
こんな事をすでに十回目だ。俺が避けなければ本当にキスしてしまうんじゃないか?
「……まだ1.4センチ余裕が有った。…逃げちゃダメ」
こっちは心臓がリミッターを超えてんだ。そんなにプリプリ怒るなよ。
「……わたしとは……いや?」
さぁ!ばっちこーい!

 

先程と同じように5ミリずつ正確に近づく長門。あと2センチも来れば天国に行けるはずだ。
しかしそれはイカン。だいたい俺達は健全な仲m…!?
「ちゅっ」
「なっ!長門!お前最後だけ距離が違うぞ!」
「………迂闊♪」
テヘッ、みたいな顔をした長門に反省の色は見えない。
ホントにキ…キスしちまったじゃないか!文句は無いが文句が有る!いや何だっけ?
「……口にチョコが付いてる」
そりゃそうだろ。そんな事は今どうでンムゥ!
「……動かないで…チュ…チュウ…」
動けません!またインチキ使ったな?どきなさい!
男にマウントポジションなんてパパ許しませ…!!
「チュ………レロレロ…」
し、し!舌を入れちゃあ…
…三歳の小娘に……くやしいっ………。

 

明言しよう、キスだけだ。それも強烈なやつだったがな。
満足した長門に解放された俺は、あの後どうやって帰ったかもよく覚えていない。
そんな事を思い出しながら鶴屋邸へ向っている。みんな大ハシャギだ。
だが俺はそうも行かない。古泉、先に謝っておく。
前を歩くホクホク顔の宇宙人が何をやらかすかは分からん。

 

だがお前のバイトが長引くのは間違いないだろうからな。

 

「……今度はストロベリー♪」
…やれやれだろ?

 
 

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:27 (3093d)