作品

概要

作者ありがとう
作品名『有希と雪合戦』
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-29 (木) 19:03:02

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 
 

「さぁみんな校庭に行くわよ!新学期最初の活動だからね!気合いを入れなさい!」
「この間スキーに行ったばかりだろ。それにもう小学生じゃないんだ。反対だな」
「…………」
今日は町中が真っ白な世界。水の結晶が全てを包みこんでいる。
雪合戦…涼宮ハルヒが提案した今日の活動内容。
「長門、お前は賛成なのか?」
「…どちらでも。でもあなたも早く手袋を付けるべき」

 

「急いで。向こうは三人、雪玉の生産速度が違いすぎる。このままでは負ける」
「無茶言う…おわ!もう近くに雪が無いんだ。跳び箱を移動しないか?」
倉庫から出した跳び箱を一時的なシールドとし、彼と共に戦線を維持している。
人数が五人の為、当然相手は三人編成のチームになる。圧倒的な火力の差。
「まず優先するのは補給係の駆除。あなたは援護して」
「おい!ちょっと待て長門!」
シールドから飛び出すと同時に凄まじい攻撃がわたしを襲う。
彼の援護は期待できない。一撃で仕留めなければ命の保障は無い。
「来たわよ!有希を倒せば勝ったも同じだわ!地獄のブリザードで雪だるまにしてあげなさい!」
「わぁっ!ごごごめんなさいごめんなさいぃ!」
謝罪しながらわたしの顔を的確に狙ってくる…エラー発生。
でも焦ってはダメ。わたしが狙うのはあの人。
「油断は禁物です。コンピ研との対戦で彼女の実力は証明されていますからね」
敵チームのシールドからニヤケ面(彼が言ってた)が一瞬顔を出した。行ける。
「ムホァ!」
狙いどうりアゴ先に命中。
軽い脳震盪を起こし、ニヤケ面(私もそう思う)は気絶した。心配ない…たぶん。

 

「よくやった長門!スッキリしたぞ。大した援護ができなくてスマン」
敵を仕留めたわたしは彼の待つシールドまで退避した。
「……いい」
彼はわたしが守る。
もう二度と彼を危険な目には遇わせない。
「こ、古泉くん!やるわね有希!みくるちゃん、今のうちに雪玉を作るのよ!」
「ひゃ、ひゃーい!」
あの日わたしは誓った。
わたしの処分が検討されている事を知った彼は、思念体に腹を立てた。
わたしを取り戻しに来ると言ってくれた。
…でも少しだけ恐い。
ある日突然みんなと別れる時が来るかもしれない。
だからわたしは彼を、わたしを必要としてくれる仲間達を守ると誓った。

 

その日がいつ来ても後悔しない為に。

 

「さーあ行くわよ!有希!キョン!覚悟しなさいっ!」

 

補給係を失った敵チームの攻撃は先程とは比べものにならない。
「この!この!全然当たらないじゃない!」
今度はこちらが優勢。実際にはわたしと涼宮ハルヒの一騎打ち。
どちらかが倒れれば勝負は決まる。負けられない。
「キョン!隠れてないで出てきなさい!アンタそれでも男なの!?」
「ぐっ!こういう作戦なんだ。仕方ないだろ!」
涼宮ハルヒの放つ弾丸を寸前で避け、左手に彼からの補給を受けながら牽制する。
相手もまったく引かない。このまま続けていても士気が下がっていくだけ。
「わたしが特攻をかける。刺し違えてでもあなたを守る。許可を」
彼の目を見つめ許可を求める。彼が許さない事をわたしはしたくない。
「きゃふ!きゅぅぅ…」
威嚇で投げた玉が偶然朝比奈みくるの額に当たってしまった。ごめんなさい。

 

「みくるちゃんまで!くぅぅ…絶対負けないんだからねっ!」
一人になった涼宮ハルヒはシールドに隠れた。何か作戦が有るはず。気は抜けない。
「長門。さっきの事だがな、お前の気持ちは嬉しいさ。
でも少し気負いすぎだ。ただのお遊びなんだぞ」
冷戦状態になった今、彼とシールドに隠れて休息を取っている。
「そもそもお前は自分を犠牲にしすぎだ。もっと俺たちに頼ればいい。
確かにお前から見れば頼りないかもしれんが…」
そんな事無い。
「雪山のヘンテコな屋敷で古泉が俺に約束したんだ。お前がピンチになるような事が有れば、
お前を助ける為に協力するってな」
「………」
「もちろん朝比奈さんだって、きっと鶴屋さんだって助けてくれる。お前を守ってくれる」
彼と見つめ合っていた。わたしを見る目がとても温かい。心地良い。
「アイツは言うまでもないだろ?雪山でのお前に対する扱いを見りゃ誰にでも分かる。
アイツにとって大事な仲間なんだよ、お前は」
「……そう、うれしい。…でもわたしは」
「あの時も言ったがな、お前の居ない世界なんて変えちまえばいいんだ。
長門が好きなように生きれる世界も悪くないだろ?」
「……ない」
「だからもう一人で背負い込むな。俺はそんなの許さない。約束してくれ」
手袋越しに伝わる彼の大きな小指。わたしは小指に力を込める。
もう何も恐くはない。

 

「なぁーにやってるのかしら?アンタたち」

 

雪合戦は負けてしまった。
涼宮ハルヒの接近に気付けなかったわたしの責任。
「……迂闊」
でも…いい。

 

来年も、その次も、ずっと先も。
きっとまたみんなで雪合戦ができる。

 

きっと…絶対に。

 

END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:27 (2713d)