作品

概要

作者達磨
作品名We worried about you
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-28 (水) 00:35:54

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

深さも、広さも分からない暗闇の場所で、
体を持たない心だけの存在が二つ話し合っている。

 

主「穏健派!有希ちゃんは大切にされてるかどうか調べる方法は無いか!」
穏「何ですか急に・・・」
主「だから有希ちゃんが人と上手く付き合えてるか確かめる方法は無いか!」
穏「というか標準タイプのインターフェースなら対人コミュニケーションも普通にあるし
  そんな心配することないのでは?」
主「いや、個人的に無口が好きだから有希ちゃんのそれは低めに設定してあるんだ」
穏「それじゃ身から出た何とかですね、自業自得ですよ」
主「だからこそ、聞いてるんだよ・・・何か無いかな?」
穏「(本当に困った思念だな・・・主流派は・・・)
  病気にかかったふりは?風邪とか軽いもので」
主「それ頂き」
穏「少しは自分で考えてくださいよ」
主「早速有希ちゃんに連絡だ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

いつもの登校。
いつもの授業。
いつもの昼食。
今日も何事も無く日常が過ぎてゆく。
そしていつもの様に非日常の扉をノックし、部室に入る。

 

お茶を汲む朝比奈さん、
パイプ椅子に座っている古泉、
団長席に座るハルヒ、
ただ一つ日常と違っていたのは
窓辺には長門がいなかったこと。
「あれ?長門は?」
そしてそう思ったのも束の間。
「ちょっとキョン!遅いわよ!」
ハルヒの大声が部室に響いた。
もう少し加減をしてくれ、びっくりするだろうが。
「そんなことはどうでもいいわ!有希のお見舞いに行くわよ!」
は?何だそれ?
どういうことだ?
「これを見なさい!」
そう言ってハルヒが突き出してきたのは一枚のメモ用紙。
それを手にとって読んでみる。
「今日のSOS団の活動は欠席する。
 不覚にも風邪を引いてしまった。
 風邪がうつる危険があるのでお見舞いは止めて欲しい。
 
 長門有希」
うーん長門でも風邪を引くのか・・・(語弊があるか)
少し意外だが、心配する気持ちの方が大きく出るな。
しかしお見舞いは止めて欲しいと書いてあるのに、
何でハルヒはお見舞い行くとか言ってんだ?
「したいからよ!」
ははは、これ以上ないくらいに単純明快な答えだな。
全く考えがないように見えるぞ。
まぁ俺も見舞いには行きたいから、別にお前を止めやしないさ。
だが朝比奈さんや古泉はどうなんだ?
「私も賛成です〜心配ですし・・・」
「僕も賛成です、長門さんはSOS団にとって重要な人物ですからね。
 その人が体調を崩してるのです、
 心配しない人がどこにいましょうか。」
予想していた通りの答えだな。
反対の奴がいるわけがない。
ここにいる全員長門には世話になってるんだ。
心配しないほうがおかしい。
「それじゃ、有希の家にお見舞いに行くわよ!」

 

〜〜〜〜〜〜

 

主流派の考えることは時々分からない。
「風邪を引いたと嘘をついて学校を休むこと、
 またお見舞いを断っておくように」
そんな命令が昨日届いた。
これを実行することによって
一体何のメリットが生まれるのか、理解できない。

 

ピンポーン

 

無機質なチャイムが私の部屋に鳴り響く。
お客さんが来たらしい。
すぐにドアを開けに行く。
「・・・」

 

「お見舞いに来たわよー!」
涼宮ハルヒの声がドアを開けた私を迎えた。
そばにいた彼が口を開く。
「おぉ何だ元気そうじゃないか、もう大丈夫なのか?」
続いて朝比奈みくる、古泉一樹が話しかけてくる。
「はわわ・・・大丈夫ですか、長門さん・・・」
「お体の方は大丈夫ですか?」
私の体調を心配しているそうだが、
元々これは主流派の考えたことなのでどこか後ろめたい。
一応こう返しておく。
「今は大丈夫。明日は無事に学校へ行けると思う。」
今度はこちらが聞いてみる。
お見舞いはいいと書いたのに、何故わざわざ来たのか―と。

 

「だって有希はSOS団にとっての貴重な人材だもの。
 体調を崩したら本人が遠慮していても、
 私たちはお見舞いに行きたいの!」

 

・・・・・・!
何だろう・・・胸の辺りが万力で圧迫されるような感じ・・・
これ以上・・・この感覚を味わうと、
エラーが起きてしまう気が・・・する。

 

「・・・ありがとう。
 でも、あまりここに長くいると風邪がうつる。
 そうならないように早く帰った方がいい・・・」
圧迫される胸から必死に声を出して、お礼を言う。
本当は風邪がうつるからではなく、
エラーを起こす私を見られたくないからだけど・・。

 

「分かったわ。有希も私たちを心配してくれてるのよね。
 それならその意を汲んで、早く帰りましょう!」
珍しく涼宮ハルヒは折れた。
たぶん普段自分の意見を出さない私が、
こうやって彼女達に忠告したからだろう。
「それじゃ、お大事にねー!有希!
 明日は絶対学校来なさいよー!?」
涼宮ハルヒは大きく手を振りながらそう言った。
「長門さん、お大事に
 明日はおいしいお茶を入れてあげますね」
「それではお大事に、長門さん
 今日はしっかり休んでください。」
朝比奈みくるは小さく手を振って、
古泉一樹はいつものあの笑顔で、挨拶をした。
そして彼。
「お大事にな、長門
 お前がいないと部室が寂しいんだからさ」
胸の圧迫感はここで最高潮に達し―
少し体が震えて、エラーを抑えきれなくなってきてしまった。
主流派の意図がここで分かったような気がした。
「ありがとう、さよなら」
そう言ってゆっくりとドアを閉める。
少し最後の言葉は投げやりだったかも知れない、
そう思った瞬間に私の頬には水滴が流れ落ちる感覚。
ドアに背を向け、部屋に戻ろうとするも足は動かず。
壁に身を預け、頬を伝うものをずっと感じていた。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:26 (2704d)