作品

概要

作者達磨
作品名風邪です
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-28 (水) 00:27:43

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

昼休み。
暇なので部室に行く。
そこには当然のように窓辺で本を読む長門が―

 

「ん?」
いない。
いつもそこにいる長門がいない。
分厚い本の下に置かれた1枚のメモ用紙だけが机の上にあった。
そこには簡潔に「風邪を引いたので休む」と書かれている。
「珍しいな・・・長門が休むなんて」
そう、珍し過ぎる。
それゆえに不安な気分はどんどん増してゆく。
・・・・今日は自主早退して、長門の様子を見に行くか。

 

道中お見舞いの品を買って、長門のマンションへ向かう。
もちろん俺には金がないからのど飴とか、
安いケーキぐらいしか買えなかったが、
こういうのは気持ちが大事だ。

 

そして長門の部屋のチャイムを鳴らす。
少し間を置いて、ドアを開ける長門。
その顔はどことなく元気がないようにも見えるが、
俺以外の奴が見たら変化がないように見える位、
その変化は微弱だ。
「入って」
そう長門が言うので遠慮なく上がらせてもらう。

 

いつもはコタツの置いてあるリビングが
今日だけは布団だけが敷いてあった。
「これお見舞いの品な、粗末なものだが」
そう言って布団の横に先ほど買った見舞いの品を置く。
ふと見ると長門はお茶を入れようとしている。
「おいおい、長門は寝ててくれよ
 気遣いとかは無用だ」
「そう」
長門はお茶を入れるのを止めて、布団に入った。
目を開けたままだ。

 

「・・・長門はもう昼食ったのか?」
「まだ」
「じゃあおかゆでも作ってやるよ」
病人がいるんだから、こちらが料理を作るのは当たり前だ。
それにおかゆなら俺でも作れる。
キッチンを借りて、冷蔵庫を開けて、
ちゃっちゃと作る。

 

「出来たぞ」
「ありがとう」
鍋敷きを布団の横に置き、そこに小さめの土鍋を置く。
しかし長門は起き上がろうとしない。
沈黙が部屋を包み始めた時、長門は言った。
「お願いがある・・・
 あなたがスプーンですくって、それを私に
 食べさせて欲しい」
あぁなるほど起き上がるので精一杯なのか。
じゃあしょうがないな。
俺は土鍋を手にとって、少量をスプーンですくう。
少し息を吹きかけて冷ましてから、
長門の口へ持っていく。
「あーん」
少し恥ずかしいがそう言ってみる。
それに合わせるように、小さく口を開く長門。
スプーンに乗っかってたものは、今長門に噛まれている。
「・・・おいしい」
飲み込んだ後、小声で長門は言った。
そう言って貰えると作った側も報われるな。
そして何十回かこれを繰り返し、やっと食べ終わった。

 

食欲が満たされると眠くなるのは
ヒューマノイドインターフェースでも同じのようで。
食事の後長門は少しウトウトし始めていた。
「布団に入って欲しい」
・・・・はい?
あのー長門さん何を言ってるんですか?
「そのまま。あなたに布団へ入って欲しい。寂しい。」
あぁ・・・寂しいのね・・・。
・・・正直恥ずかしいが長門が言うのなら、仕方ない。
そう思い、ゆっくりと長門の布団に入っていく。
枕は一つしかないので、俺は枕の脇にいることになるが。
そして俺の体が完全に布団の中に入った瞬間、
長門の腕が俺の体に絡みついてきた。
俺が仰向け状態で、それに長門が抱きついている形になっている。
「おわっ・・・おい、長門・・!」
流石にこれにはあせる。
というか俺を抱き枕扱いしてないか?
戸惑う俺の気持ちなど知らずに
「おやすみなさい」
そう言って長門は目を閉じた。
規則的な呼吸音が聞こえてくる。
やはり疲れ気味なのか、すぐに眠りに入ってしまったようだ。
これなら明日は学校に来れるだろう、安心安心と。

 

・・・・・・

 

・・・・・あれ?俺いつ帰れるんだ・・・?

 

「・・・計画通り」
そんな声が俺の横から聞こえた気がした。

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:26 (3093d)